~第1幕~
恋なんてどっか遠くにいる人たちが相思相愛になって勝手にするものなのだと思っていた。自殺なんて殺人なんてテレビの中で起きているフィクションなのだ。そう思っていた――
今日も仙台駅は幾多の人たちが行き交っている――
仙台駅の片隅にある喫茶店から私は名もなき群衆が通り過ぎていくのを眺めている。みんな忙しいのね。このお店でしか飲めない紅茶と好物のザッハトルテをちょっとずつ口にしながら趣味の読書にのめり込む。
平穏な私の日常はこのままずっと続くのだろうか?
家に帰ると警察官の兄がソファーに腰掛けてワイドショーを眺めていた。
「おう、おかえり。空けようか?」
「ううん、いい。今日は宿題溜まっているから」
「そっか、がんばれー」
「ありがと」
私は兄の構える一軒家で兄と共に過ごしている。兄は刑事課で働いている刑事だが、ここのところは忙しくない事情もあって、上司の勧めで有給を使っているようだ。室内着をずっと着て寛いでいるからか、無職のプー太郎にみえてしまう。しかしこれは気にしない事にしている。私はそんな兄にお世話になっているから。
私は幼少期に母を亡くし、父は単身赴任で東京にいる。年に一度は家族で外食なんかしているが、物心ついた時からその連続で父に親近感を感じたことはない。それは兄に対しても――
「あー何考えちゃっているのだろ!」
私は捗らない宿題をいいことにノートの片隅へ落書きを描いた。その出来も悪かった。すぐにそのページを破ってクシャクシャにして捨てた。
∀・)本作はボク主催の「宮城に憩うフェス」の参加作品になります。ボカロの名曲「弱虫モンブラン」また名作アニメ(迷作アニメ)の「SCHOOL DAYS」から着想を得て作った恋愛作品になります。え~あらかじめ言っておきますが、ハッピーエンドではありません(笑)しかし読んで貰う事で色々考えたり想ってみたりされる作品になったら何よりかなと思います。そして宮城県の観光名所も随所でだしていきますので、そのへんも楽しんで貰えたらと。何気に「現代恋愛」では初の連載作品になります。これから7日間21時に更新していきます。是非ともお付き合いを☆彡