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第41話

翌日―――


港への到着が間近に迫り、ロイスたち一行は支度を整えた。



「忘れ物ないー??」

足元の荷物を眺めながら、トゥルースがロイスへ声を掛ける。

「うーん…大丈夫っ」

部屋の中を確認するロイスは、右手の親指を立てた。

「揃ったみてぇだな」

するとガイを筆頭にヴァル、サラとナヒロが割り当てられていた部屋から出て来る。

「次の進路だが…」

片手に地図を持つヴァルは、口火を切った。

「港から北東へ向かい、ウォンズという街へ行くぞ」

地図を指しながらのヴァルの説明を、一同が聴き入っている。

「雪国だから、それなりの防寒対策はした方がいいぜ」

渋面に変わり、ガイは助言を加えた。

「雪っ??俺、雪初めてっ」

ロイスが、目を輝かせて口を挟む。

「見る前から、興奮してますわね」

双眸を細めるナヒロは、くすくすと笑いをこぼした。

サラも賛同の意を込めて、微笑む。

「雪だるま、作ってもいーでしょ??」

「ボク、雪合戦やりたいなっ」

具体案まで述べ、ロイスとトゥールスが盛り上がった。

「おめぇら、完全に遊ぶ気じゃねぇかっ」

ガイはすかさず、陽気な二人を批難する。

「ガイ、何かっこつけてんのー??」

にやりと唇の端を引き上げるトゥールスが、ナヒロの方へ向いた。

「えっ??どうかなさいました??」

意図に気付かず、ナヒロは瞬きを繰り返す。

「違っ…そんなんじゃねぇよっ」

思わぬ反撃を受け、耳まで赤くなるガイが、トゥールスを小突いた。

当のトゥールスは、悪戯っぽく舌を出している。

「まあまあ…」

サラが困った表情で、両者を抑えようと試みた。

「…お前ら、余程防寒具がいらんようだな」

それだけ言うと、ヴァルは荷物を持って廊下を歩き出す。

「えっ…ちょっと!それは無理っ」

慌てて荷を担ぎ、トゥールスがヴァルの背を追いかけて行った。

「あははっ!さすがヴァルっ」

「ふふっ。ホント」

ロイスとサラは感心しつつ、昇降口へ向かう先の二人に続く。

「…よろしいのですか??一人、凍えてしまうかもしれませんよ??」

ナヒロが冗談めいて、眉間にシワを寄せるガイに問いかけた。

「お、おう…まあアイツ、言うほどのことは絶対にしねぇから」

力無く笑ったガイは、残った荷物を抱えると歩き始める。


「……ガイ??」

異変を察し、ナヒロが心配そうにガイの背を見つめた。



間もなく、船は港へと到着する―――

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