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第16話

「どういう意味だっ」

警戒心をあらわに、ロイスはサラの前に立つ。

「…ボク、霊的なことに興味があるんだよねー」

歌うような口ぶりで、トゥルースが歩み寄った。

サラは小刻みに震え、ロイスの服を握る。

「てめぇ!!ナメたことばっかぬかしてんじゃねぇぞ!!」

怒鳴ったガイが、トゥルースに対峙した。

「へぇ…じゃあ、力尽くでもらってくよ」

突然、トゥルースの腕はガイに向かって振り下ろされる。

ガイは、瞬時に飛び退いた。

「てめぇっ!!」

いつの間にか、トゥルースの両手にはブーメラン型の刃物があった。

ガイの頬から、一筋の血が落ちる。

「…ロイス、サラから離れるなよ」

ヴァルは一言置いて駆け出すと、トゥルースに向かっていった。

「おっ、と」

乾いた金属音を鳴らし、トゥルースの刃がヴァルの洋刀を受け止める。

「…っ!!」

体格差があるにもかかわらず、ヴァルはトゥルースに押されていた。

「残念だね」

トゥルースの不敵な笑いと共に、周囲の砂利が浮き上がる。

「バラスト!!」

掛け声に同調し、無数のつぶてがヴァルへ襲いかかった。

「っ…!!」

やむなくトゥルースから身を引き、ヴァルは攻撃をかわす。

「おおおーっ!!」

畳みかけるように、ガイがトゥルースへ殴りかかった。

ふっ、とトゥルースは消え、拳が空を切ったガイの背後へ移る。

「はい、一人目っ」

「ぐあああーっ!!」

刃物に背中を斬りつられけ、ガイは倒れた。

線状の傷口から、大量の血液が流れ出す。

「ガイ!!」

眼を見開き、ロイスが叫んだ。

ガイから反応はない―――

「くそっ…」

ヴァルは、ガイの様子と自らを包囲するつぶてを交互に目視した。

「…キミも、さよならだ」

トゥルースが呟いたと同時に、ヴァルへつぶてが降り注ぐ。

「く…っ!!」

砂煙がたちこめ、ヴァルの姿を隠す。

「ヴァル!!」

「二人目終了っ」

ロイスの悲痛とは裏腹に、トゥルースは楽しげである。

―――土埃が去ると、ヴァルの身体は地面に沈んでいた。

「…あとは、キミだけ」

トゥルースが、間合いをつめる。

「お前、絶対許さない!!」

ロイスの右手が、剣を持った。

「その子さえ渡してくれれば、キミに危害は加えないよ??」

トゥルースの問いかけに、サラは身を強張らせる。

「サラは物じゃない!!それに…お前みたいな奴に任せるもんか!!」

ロイスの瞳が、トゥルースを睨みつけた。

「ふーん…じゃ、キミもバイバイっ」

急激に、トゥルースがロイスとの距離を縮める。

ロイスは、剣を構えて応戦した。

『キィン』と互いの刃がぶつかり合う。

「へぇ…結構頑張るじゃん」

トゥルースの手元が軋めいた。

「はあっ!!」

指に力を込め、ロイスは剣を前へ圧する。

トゥルースが後方へ退いた。

「キミ、怒ると強いんだ…バラスト!!」

トゥルースの一言で、再びつぶてが出現した。

「…我、主とする風神」

ロイスは目を閉じ、詠唱する。

「天より疾風となりて、その力ここに示せ!!」


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