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部員たちの紹介
「実は哲学に興味あってきたのですが」
これは嘘である。哲学の本など読んだことがないし、哲学者の名前の知らない。
哲学的な考え方は必要かもしれないと思ったが、哲学の知識は皆無である。
「どうぞ」と醜女は言った。
15畳くらいの広さの部屋。長い大きなテーブルがひとつ。向こうが側に色のさめたトレンチコートを着た
男。その右側にスポーツ刈の茶色のジャケツトを羽織った男。その隣には灰色のセーターを着た新入生。
トレンチーコートーの男の左には耳の垂れたビーグル犬のように両側から髪を垂らし,黒い淵の眼鏡をかけた女。
向こう側に座っているのはこのクラブの会長鬼塚徹夫,経済学部三年である。茶色のジャケツトの男は法学部三年武本良平である。その隣の灰色のセーターの男は経営学部一年の村本健司である。
黒い淵の眼鏡をかけているのは文学部国文科三年の熊谷蘭子である。