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目の前に迫る真実は

歩くこと数時間、よくやく街が見えてきた。ここがルマのようだ。まるで遺跡のような街だった。大きな建物がたくさんある。その中でも特に目立つのは鋭く尖った三角の屋根がいくつも並ぶ綺麗な城。


「まずあそこに行ってみようよ」


みんなの返事も待たずに、僕は城に向かって歩き出す。城の前までやってきた。おそらく5メートルはあるだろう大きな扉に手をそえる。質感は重く、それでいて滑らかに滑り出す。ルナ、サクヤ、リョーヤと一緒に扉を押す。大きな扉が開くとそこにはとてつもなく広い空間があった。白い布をぐるぐると体に巻いた数人の若い男の人に迎えられる。その服装がこの国の正装なのだろう。僕たちはお客様としてフカフカのソファーへと案内される。白髪のおじいさんが現れた。


「どちらからお越しですか」


「私たち、ラファから来ました」


代表してサクヤが答える。


「それは遠いところから。長旅お疲れ様でした。しかしどうしてそのようなところから」


サクヤは一瞬迷った表情を見せたが、口を開く。


「私たち、ルシフ塔に向かいます。そうしないとなんだかとても悪いことが起きる気がするんです」


バカバカしいと一蹴されるかと思いきや、おじいさんは真顔になり


「それは本当ですか。実は、この国の占星術師たちも、つい先日国王と女王がお亡くなりになってから、あなたと同じことを申し、恐れおののいております」


と言い、占星術師のことを詳しく教えてくれた。やはり国王は亡くなっていた。僕らの予想はほぼ確実となってきたようだ。


「この国にはなにか手がかりになりそうなものはありませんか」


「申し訳ございませんが、ここには図書館ぐらいしか。お役に立つかわかりませんが、あちらにあります」


とても広い、世界中すべての本がここにありますと言われても納得できそうな図書館だった。僕たちは手当たりしだい本を漁った。国の歴史など興味深いものはたくさんあったが、いっこうに手がかりらしきものはは見つからない。


「ユウト、はしご持ってきてくれない」


サクヤの声が聞こえた。


「わかった」


僕ははしごを持ち、声の元へとかけつける。


「ねぇ、あれ見て」


サクヤの指差す先にあったのはこの中でも飛び抜けて古い本だった。はしごを使い本を数冊取り出し一部をサクヤに渡す。僕とサクヤは本を開き同時に声を上げた。


「えっ」


そこに書かれていたのは今までに見たこともない文字だった。いつのまにかリョーヤとルナも集まってきていた。2人にもその本を見せる。


「…………」


「……クァラリーユの誕生」


ルナは呟くように、しかし存在感のある声で言った。みんなの視線はルナに集まる。


「まさかルナ、これが読めるのか」


「うん。読める」


ルナが本を朗読し始める。


「クァラリーユが誕生したのは天文12年。人々はルシフ塔を中心に3つの地域にわかれて住むようになる……」


こうして何冊かの本を読んだ。その中でも特に気になったのは水晶のことだ。内容はまとめるとこんな感じになる。


この世界には3つの水晶があり、三角形を描くように各地域におさめられている。それは選ばれし人物によって管理される。3つの水晶が中心で一つに集まるとき、世界をも破壊する強大な力を得ることができる。


この文章から推測するに水晶は各国にあり、国王が管理していたと思われる。そして何者かが国王を殺し、水晶を奪ったと。


こうしてはいられない。早くルシフ塔へ行かなければ。僕たちはルマを後にし、ルシフ塔へ向かう。


サクヤが言ったとおり道中の敵は手強くなっていた。前より格段に素早くなっている。僕らはそれを冷静に対処しなんとか先へと進んでいく。ルシフ塔は大きいのでずっと前から見えているが、たどり着くにはまだかかりそうだ。数日ほぼ休みなしで戦い続けたせいもありみんなの顔に疲労の色が表れてきた。


「そろそろ休憩しよう。みんな限界が近づいている」


さすがにこれ以上はむりだと感じたサクヤはみんなに提案する。


「そうだな。限界だ……」


全員が倒れるように芝生の上に横たわる。


どれくらいの時間がたったのだろう。眩しさに目を開けると、ちょうど日の出の時間だった。1日以上寝ていた気もするが、実際は7,8時間といったところだろう。小鳥のさえずりが聞こえる。耳を澄ますと水の流れる音が聞こえた。音のするほうへ行ってみると川が流れていた。僕は両手で水をすくい、喉に流し込む。冷たい水が体のすみずみにいきわたり気持ちよかった。体力も回復し元気を取り戻した僕たちはまた歩き出す。歩くこと数時間、ついにルシフ塔の目の前までたどり着いた。まぢかで見ると大きさの迫力はさらに増していた。怖さ半分、焦り半分、といった心境。いよいよ決戦だ。扉を開け、中に入る。異様な空気が流れていた。まさに闇の塔といった感じだった。


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