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世界は不思議に満ちている  作者: FRIDAY
天空都市
91/141

きゅーじゅー、いち。

 

 

 勝負は、一瞬だった。


 そうか、と応じた男は、ゆっくりと片手を上げた。

 身構える早見たちに構うことなく、水平になる高さまで上げる。

 ぴ、と指先を早見へと据えて。


「――ならば、試してみようか。魔法使いの少年」


 早見は、わずかな振動を感じた気がした。だがそれは気のせいでなく、徐々に、明らかに大きくなっていく。


「君の“幻想”と、わたしの“科学”――」


 轟、という腹の底に響くような鳴動を伴って、揺れる。


「この物語の中心にいるのは、果たしてどちらかな?」


 男が唇の端を釣り上げて、冷酷な笑みを形作った刹那。


 早見は咄嗟に、裁縫、水澤、姫森の三人を突き飛ばしていた。

 それも、ただ手で突き飛ばしたわけではない。魔力をもって、それこそ三人は軽く宙を滑空し、ばらばらの三方へ壁際まで吹き飛ばされた。


 ――はやみん!


 訳も分からないうちに受け身も取れずに床を転がった姫森は、それでも強引に顔を、早見の方へ向けようとして、


 絶大な閃光に目を灼かれた。

 

 


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