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はち、よん。
突然立ち止まった早見に、水澤が怪訝な表情で、
「……どうした早見クン。何かあったのか――?」
「静かに」
言われて、水澤はすぐに口を閉じる。早見に表情は険しい。
手は、すぐに状況に対応できるように既に構えられている。
早見が睨みつけているのは、もう少し進んだ先にある、角。
水澤には、早見が何に対して構えているのかは全く分からない。だから、早見に倣ってその視線の先を見る。
「――誰だ。いや、何だ」
はっきりと警戒を示している早見が見る先、その角から、
今まさに、その“何か”が現れた。




