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ななじゅうよん。
世界中の機関の精鋭が、極東の島国に集結しつつあった。
場所は、その島国の一地方、古来文化と風雅に謳われた京。その一画。
とある高級マンションだ。
一斉に集まってきているとはいえ、それぞれの間に連携のようなものは一切ない。互いに互いを牽制しあいながらの集結だ。いきなり戦闘部隊を送り込んで襲撃しては、意識結界でもカバーしきれない乱戦になる危険性もある。その中で小説家に万が一のことがあってはならず、しかし悠長にも構えていられない、という状況だ。
先遣隊が続々と到着し、標的の観察と報告を継続する中、“それ”が起こったのは一瞬だった。
“それ”はあまりに早く、しかしこちらが視認できないほどではない。しっかりと確認する。秀でた戦闘力を有さない先遣隊では“それ”を阻むことなどできるはずもなく、見送るしかなかったが、彼らの任務は戦闘ではない。
“それ”を視認した隊員は、それぞれに一斉に母体への報告を打電した。
“標的の移動を確認 進路は東都、天空都市”




