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ろくじう、はち。
「――さて、とりあえずはこれで終わり、と」
足元に転がっている三人にはもう視線を送ることもせず、早見は端末を開いた。
「おお、裁縫。初めの三人は倒したけど」
『殺っちまったのかい?』
「殺っちまったとかいうなよ、物騒だな。気絶させただけだ。で、こいつらの他にはいるのか?」
訊くと、画面の裁縫は手元で何かを操作してから、
『いや、今のところは他には誰もいないようだ。でも事態は依然として火急のままだね。すぐに戻ってくれ』
「ああ、わかった」
「おっと、それと、ひとつ言い忘れていた」
端末を切る直前に差し込まれた裁縫の言葉に、何だ、と見る。すると裁縫は無表情なままに、
「とりあえずはお疲れ様、はやみん」
「……おう」
早見は、苦笑を浮かべた。




