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にじゅうなな。
女性は、ベッドの上で安らかな寝息を立てている。
早見、姫森、裁縫の三人で座卓を囲む。
「――で、だ」
おもむろに、早見が口火を切った。
「説明してもらおうか。どういうことなんだ?」
「どういうことって?」
「全部が全部、だ。そこに寝てるその人が小説家なんだ、とか。発想力がどうとか言ってたよな?」
言われて、ふむ、と裁縫はやや考え込んだ。
「そういうところか……そうなると、もっと根本的なことから話さないといけないかもね」
「根本的なこと?」
「そうとも」
無表情に、裁縫は頷いた。
「――科学世界の限界、の話さ」
「あ?」
「限界?」
早見と姫森はそろって疑問したのに対して、裁縫は淡々と話し始めた。




