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いち、さん、さん。
早見は、前に出る。
全身に、溢れる魔力を淡くまとって。
風を巻き、天空都市をも揺らす踏み込みからの、大跳躍だ。
一歩で十数メートルを滑空し、接敵する。
だが、わずかに“神”の方が早い。
かざした手を、照準を早見に、合わせ、開放する。
「――何度かかっても無駄だ。敗北を繰り返すだけだ!」
直径数十メートル。有効射程数百キロ。天空都市の最強武装。
その気になれば世界を滅ぼすことも容易いであろう、大出力の光子砲だ。
だが、眼前に迫る光を前にしても、早見はひるまなかった。
固く、硬く、左の拳を握り込む。
そしてそれを、ぶち込んだ。
おお、
あ、
「ああああああああ――――!!」
正面からぶち当たった。