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ひゃくにじゅうきゅう。
「お前は、わからなくなったんだよ。“神”」
水澤の声が、反響を伴って響く。
「この世界のために“幻想”を消し去り、“科学”を発展させても――それでいいのか、見失ったんだ」
“神”は、何も応じない。
ただ、続く言葉を待っている。
「お前が生まれたのは、お前が創られたのは、本当にそんなことの為だったのか。お前は道に迷ったんだよ――そして、そこがお前の限界だ」
思い出せ、と水澤はそう言った。
「お前の創り主は、お前に何と言っていた?」