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ひゃく、じゅうさん。
「……? どういうことだ?」
要領を得ない早見が問い返すと、裁縫は、さてね、と、
「そのままの意味だよ。――|科学式幻想人工生命創造計画。はやみんも魔法使いなら、フラスコの中の生命体は知ってるだろ?」
「ああ、まあ」
裁縫の言葉に、早見は一応は頷いて返す。
「魔法使いっていうよりは、まあ錬金術師の専門だけど……それが?」
「そう、錬金術師。つまりは科学者の元型――錬金術師は、まだ魔法で人工生命を生み出していたが、科学者は魔法を使わない。自動人形もある意味で疑似生命ではあるが、そうではなく、純粋に科学の力で純然たる人工生命体を生み出そうとした。そうすることで、元型たる錬金術師を越え、科学者の存在をより上位に運ぼうとした。――そういう科学者たちが、いたんだよ」
「でも、それとお前とに何の関係が……いや、まさかお前」
驚きを顔に浮かべる早見に、裁縫は頷いて見せた。そして、未だよくわかっていない表情の姫森に向かって、
「ボクがその一連の実験における、唯一の成功例というわけだよ」