第二章 〜芽生〜
登場人物
アイ:AIロボット。人間と同じように話すが、そこに感情という概念はない。
ひかり(14歳):本作のヒロイン。真面目で純粋。お母さんのような性格をしている。
ゆか(14歳):ひかりの親友。明るく元気でムードメーカー。
博士(39歳):アイの生みの親。男っぽい喋り口調で、かっこいいおばs・・お姉さん。
【配役】計4人 男:1 女:3
アイ♂:
ひかり♀:
ゆか♀:
博士♀:
ひかり「お待たせ! アイ君!」
ゆか「ごめんね〜。あたしの補習が長引いちゃってさ〜」
アイ「補習って?」
ゆか「普段の授業だけじゃ足りないから、学校終わってからも残って勉強することだよ」
アイ「へぇ、ゆかは勉強熱心なんだね」
ゆか「まぁね」
ひかり「ちょっとゆか、アイ君に何教えてるのよ」
ゆか「まぁいいじゃないこれくらい。言葉的には間違ってないし」
ひかり「意味合いが変わってくるでしょ」
アイ「ねぇ今日は何処行くの?」
ゆか「んー山の中も村も案内したしなぁ」
ひかり「川に行こうと思うの」
ゆか「あっいいね! アイ君、川知ってる?」
アイ「僕は行ったことないけど、前に博士が川に行って沢山魚を持って帰ってきてたよ」
ゆか「あの人村の方で見ないと思ったら、自給自足してたのね」
ひかり「じゃぁ決まりね! 川は研究所の裏をちょっと上がったらあるから、そこに行こっか」
ゆか「ラジャー!」
アイ君「らじゃー」
間(川辺)
ゆか「んー! やっぱ川の近くは空気が美味しいね!」
アイ「空気は美味しいの?」
ひかり「えっとね、本当に美味しいんじゃなくて、空気が澄んでるとか汚くないとか、そう言うことを表現してるの」
アイ「へぇ(空気を吸う)空気が美味しいね」
ひかり「ぷっははは!」
ゆか「お!? ひかりぃアイ君! ここ結構魚いるよ!(川に入る)ひやっ! 冷た! 超気持ちいい!」
ひかり「湧き水だから温度が低いんだね」
アイ「水温どれくらいか見ようか?」
ひかり「水平気なの?」
アイ「うん、少しくらいなら。研究所でも、洗い物してるし」
ひかり「あの人本当面倒くさがりね……」
アイ「……水温、8度」
ひかり「わっ結構低い」
ゆか「ひかりぃ!! 魚そっちに行ったよぉ!!!」
ひかり「ゆかってば、はしゃぎすぎ」
アイ「ひかり! あれ、あの魚なんて言うの?」
ひかり「あれはアユ」
アイ「あっちのは?」
ひかり「カワマスだよ」
ゆか「ちょっ! ひかりめっちゃでかいのいたけど!? これ、イトウ? イトウかな!?」
ひかり「イトウは北海道の魚」
アイ「この虫は?」
ひかり「ナガレトビケラ。こういう水温の低い綺麗な川に生息してるんだよ」
アイ「ひかりはすごいね。何でも知ってるんだ」
ひかり「そ、そんなことないよ、本をちょっと読むくらいで」
アイ「あ!(川に何か見つける)」
ゆか「ねぇひかり、ひかり? おーい……ひかり!!」
ひかり「うわっ!!! な、なによいきなり……」
ゆか「いやボーとしてたから。でさ、あんた虫とか平気だったっけ?あたしの記憶では見るだけで逃げ出してたと思うんだけど」
ひかり「うんまぁ……ダメだけど、アイ君に何聞かれるかわかんないし、ここら辺に生息してる虫も魚も動物も花も全部図鑑で勉強したんだ」
ゆか「あんた一体どこ目指してんの?」
ひかり「誰かさんの補習を待ってるのが暇なもんで、勉強する時間が増えたんですぅ」
ゆか「それはそれは、どういたしまして」
ひかり「褒めてないわよ」
ゆか「図鑑って虫の図鑑も読んだの?」
ひかり「え? うん」
ゆか「大丈夫だったの?」
ひかり「いえ、なんどか失神するかと思いました」
ゆか「そこまで頑張るとは……ははーん、さては惚れたな〜?」
ひかり「は!? ち、違うわよ!」
ゆか「否定するとこが怪しいぞ〜」
ひかり「ちょっと! そんな冗談やめて!」
(ゆか「あはは! 図星だぁ!!」 ひかり「もう!」)
〔 ↑の( )に被せるように〕
アイ「見てひかり。この石、真っ白でハー・・と、みた・・・い・・・」(倒れる音)
ゆか「え、うそ・・」
ひかり「アイ君? ……アイ君!!!!(駆け寄る) どうしよう! どうしようゆか! アイ君が! アイ君がぁ!!!」
ゆか「ひかり落ち着いて! 博士呼んで来るから! すぐ戻るから!」
ひかり「アイ君、目を覚まして、お願いだから! どうしよう、わたしのせいかも! 私が川になんて連れてきたから! 博士、博士早く。早く来て……」
博士「アイ!?」
ひかり「博士!! どうしようアイ君息してないよ!死んじゃったかも!?」
博士「バカ、落ち着け! もとから息なんてしねぇよ! 少しのいてろ、今見るから」
ゆか「ひかりこっち来て」
ひかり「どうしようゆか! どうしよう!」
博士「…………」
ゆか「どう? 博士」
博士「お前らさぁこいつにバッテリー持たせた?」
光・ゆか「バッテリー?」
博士「はぁ……よっこいしょっと」
アイ「……あ、あれ? 博士なんでここにいるの?」
ひかり「アイ君……よかった……よかったぁ……」
ゆか「本と焦った。なに? 原因って、電池切れ?」
博士「まぁそういうことだ」
アイ「ひかり? なんで泣いてるの?」
ひかり「ビックリしたのと安心たので……なんでもないよ、気にしないで……え!? な、なに!?」
アイ「大丈夫、大丈夫」
ひかり「あ、あの? アイ君?」
アイ「泣いてる時は頭を撫でて、大丈夫って言ってあげるといいって、ゆかが」
ひかり「ゆ〜か〜」
ゆか「まぁまぁそう怒んないでよ。私なりに慰めてあげようと思ったまでで」
ひかり「やり方があるでるでしょ! やり方が!」
博士「アイ、お前昨日充電してないだろ?」
アイ「うん、してない」
博士「その時はバッテリーを持ってけ。今日みたいにいきなり倒れたら、ひかり達がビックリするだろ?」
アイ「わかった」
博士「よし。おーい二人とも。今日はもう帰れ、私もこいつが他にどうもなってないか、検査しなきゃなんないし、いいな」
ひかり「はい」
ゆか「おっけー」
博士「じゃぁ行くぞ」
アイ「うん。あ、ちょっと待って。ひかり、これあげる」
ひかり「石?」
アイ「さっき見つけたんだ。形がハートみたいでしょ? 真っ白で光に当てるとキラキラ光るんだ。なんだかひかりに似てると思って」
ひかり「私に?」
アイ「だって、ひかりって名前、とってもキラキラしてるから」
ひかり「……すごくきれい……ありがとう! 大事にするね!」
博士「行くぞ」
アイ「またね」
ゆか「……ひかり……」
ひかり「なに?」
ゆか「あっいや、その石きれいだね!」
ひかり「うん、すっごく……」
ゆか「まさか墓まで持って行く気じゃないでしょうね?」
ひかり「なんの話よ!!」
ゆか「べっつに〜」
ひかり「もういい! 帰ろうよ日も暮れるし」
ゆか「へーい。…………ひかり、それは辛過ぎるよ……」
ひかり声「ゆか〜? 先いっちゃうよ〜」
ゆか「今行くー!」
間
アイ「『嬉しいって、楽しいって一体なんだろう?』。ロボットは自分に何度も問いかけました。すると街の子供が答えてくれました。『それは、ロボットには心が無いからだよ』っと」
初心者の拙い文章ですが、楽しんで頂ければ幸いです。
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最後までお読み頂き誠に恐縮です。
本作品は『D&K Project』にてボイドラ化、進行中です。
公開はまだ未定なので決まり次第発表いたします。
『D&K Project』ホームページサイトURL
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