コノハリケーン
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(ん、この機械は・・・)
(どうやって動かすのだ?)
(これか?)
カチャ
(なっ・・・!)
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「きゃあああああああ!」
何だ?
「・・・コノハ!?」
ホントに休ませてくれねえ奴・・!
布団を出て扉へと向かう俺。
流石に悲鳴を上げられると無視は出来ねえ。
ガチャ!
扉がいきなり開く・・って、
「危なっ!」
我ながら素晴らしい反射神経だった。
とっさに身を引いたお陰でドアが顔面に直撃する事はなかったんだが、
「熱い・・・っ」
開けたのは当然俺じゃなくコノハな訳で。
風呂場から凄い勢いで飛び出てきたということは、服も着てない訳で。
「熱いぞレイ・・!」
そんな状態で飛び込んでくる、どころか抱きつきやがりましたよって抱きつく必要無くね!?
「ちょっ、抱きつくなって!」
なんなんだこのシチュエーションはァァァァ!
いやまあ、察しはつく。
大方シャワーで熱湯でも浴びたんだろ。
教えてなかった俺が悪い。
悪いんだが・・・
「裸で抱きつくのはマズいですよコノハさん!」
無理。
笑いかけられただけで赤面する俺だぞ?
この状況、下手すりゃ鼻血噴き出して失神なんてこともありうる。
「いきなり機械から熱い湯が飛び出してきたのだ!」
軽く錯乱してやがる。
まあ何も知らないままいきなり熱湯被ったらパニクるかってそれどころじゃ無かったホアァ!
「分かったから一回離れろ!」
突き放したいものの、一応女だし(しかも全裸)強く当たるのは避けたい。
「あ、ああ・・・すまないっ」
ここにきて若干落ち着いたのか、サッと離れるコノハ。
ああ・・・今日は厄日だ。
過去最悪の一日だよ。
「その・・すまん、情けない声を上げてしまった」
赤面してらっしゃいますが・・・そこなの?
抱きついたこととか今現在も真っ裸なことについては恥じらい無し?
確かにらしくない声ではあったけども。
「聞いてなかったことにするから取り敢えず服を着てこい風呂はまた今度にしろ設備の説明は今度してやるから!」
「そうしようっ」
そう言ってパタパタと急いで出て行った。
「・・・心労死しそう」
大学生男子にとってこれ程精神的に辛いトラブルもあるまい。
「はぁ」
そういや、寝る場所についても話してなかったな。
コノハを床に寝かせる訳にはいかんし・・・と、戻って来た。
「驚かせて済まなかった」
「いや、今回は俺が悪い。ごめんな」
教えて無かったのは俺の落ち度だ。
それより、
「火傷とかしてないか?」
一瞬とはいえ熱湯は熱湯。
そこが一番心配だ。
「ああ、問題ない」
さっき見た(見えてしまった)感じ、赤くはなってたが・・大事に至らなくてホッとした。
「そうか、良かった」
「心配させてしまったな」
申し訳なさそうな顔しやがって。
何を今更、だぞ。
「別に。俺のせいで火傷でもしたら寝覚め悪いからな」
「それでも、だ」
「・・・そうかい」
ともかく、いろいろ決めとかないと。
毎日こんなのが続くと間違いなく死ぬ。
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