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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

アリエル・イオノーラはかつて日本人だった

作者: toe
掲載日:2026/02/23

アリエル・イオノーラはかつて日本人だった。転生者として彼女はそう記憶している。

そして、世界はそれを受け入れない。それが世界の形なら、仕方がない。

世界が受け入れないのなら、幸せになれないと諦めていた──


「記録を読んだが君に施された悪魔祓いって、あれただの拷問だよな?」

「まぁ正直」


──なんだか愉快な求婚者と出会うまでは。


悪魔に好かれた娘として不遇な人生を送ってきた少女が噂をものともしない根明貴族と結婚して異端審問綱渡り結婚生活を送る話。

ハッピーエンドです。本当です。

 アリエル・イオノーラはかつて日本人だった。


 かつて、と枕詞が付くのは彼女が今生きているのは慣れ親しんだ現代の日本ではなく世界史で習うような西洋のどこかの貴族社会であり、かつ彼女には日本人としての自分が死んだ記憶を持っていたからだ。これが俗にいう転生で異世界にわたったというやつなのだろう。アリエル自身も生前そんなものをよく嗜んでいたし、流行っていたという記憶もある。


 けれど、そこに出てくる主人公たちのように彼女はなれなかったのだ。前世の知識を生かした新発明だとか、今までの常識を覆すような新しい学説の発表だとか、そんなことは叶わなかった。彼女たちはきっと幸運だったのだ。主人公だったというのもあるのだろう。とにかく、幸運で、世界に恵まれていて、そして世界は彼女たちを歓迎していた。アリエルには一つとしてない。


 日本人という前世を持ち、日本人だったという記憶を持つ自分は幸せになれないという事実を、もう何度目かもわからない悪魔祓いで血を吐きながら、アリエルは悟ったのだった。


 ♢


「ここは日本じゃないのね」


 不用意な一言だった。それが始まりで、終わり。

 舌足らずでクッキーの食べかすを口の周りにつけていた少女が突然流暢に言葉を話しだし、知らない単語まで口にしたものだから彼女の乳母も家族も仰天した。

 もちろん最初は神の啓示かなんて持ち上げられて、やれ名前の通り天使の声を聴いた、やれ知らない単語とその意味を流暢に語ったなんて周囲は絶賛した。この子には神の御加護が付いているに違いないと期待して連れていかれた教会で、けれどその称賛は反転した。彼女が今まで語った未知の単語とその意味を聞いた聖職者は顔を青ざめさせたのである。


 ──何がいけなかったのだろう。


 空を飛ぶ鉄の鳥のことだろうか。それとも馬を使わずに走る車のこと?平和な日本で生きてきた、平穏な記憶が根強いアリエルにはそのアイデアがどんなに恐ろしいものだったか分からない。けれど、悪魔が憑いている、とベッドに縛り付けられたときに聞いた答えに納得してしまった。


「空を飛ぶ鉄の鳥も、馬を使わない車も、災禍を呼ぶものです。もし空を飛べたのなら兵士も武器も何万と、それもかなりの遠方に運べるでしょう。車も同じく、馬の生死を考えずに済むのなら人間の心配だけをすればよくなる。この知識によってもたらされるのは天啓ではない。彼女の中にはこの世を地獄と変えんとする悪魔が憑りついているに違いない」


 そんなつもりはないと叫びたかった。できなかった。口には布が噛まされていて、違うのだと呻くたびに大げさなほどに聖職者も、家族も、その身を震わせ怯えてみせた。彼らからはきっと、アリエルの体の中にいる悪魔がその腹の内を明かされて動揺しているように見えたのかもしれない。


 繰り返す。アリエル・イオノーラはかつて日本人だった。


 だから悪魔祓いをテーマにした映画があったことも知っているし、そこで悪魔と戦う人がどれだけ必死だったかも聞いたことがある。聖職者の頑張りを知っていたから応援してしまったし、悪魔が逃げ出して被害者が安堵の涙を流すシーンに同じように安堵した。けれど祓われる当事者になって思い知ったことだ。あんなもの、ただのエンターテインメントに脚色された喜劇だ。当事者にしてみれば、自分には理解できないものを撥ね退けるための方便に過ぎず、また彼らなりの正義に猛進した結果にすぎない。


 そして、この時のアリエルの体はわずか6歳だった。6歳の少女の達観した瞳が決定打になったことを、彼女自身が知るのはもっと先の話である。



 聖水を溺れんばかりに口の中に注がれる。飲み下すことができないように顔は上向きに固定された。お前の名は何だと顔にめり込まんばかりに十字架を押し付けられてごぼっと吐き出した聖水に血が混じる。喉のどこかが切れたかもしれない。ひゅうひゅうと必死に肺に空気を取り込んでいると喉をぐっとつかまれてまた名前を吐けと怒鳴られる。いつになったらこの拷問は終わるのだろう。


「ひゅ、っ……がはっ、ぅう゛……!」

「さあ、名前を吐け。そしてこの清らかな少女の心から──体から出ていくがいい!悪魔よ!!」

「しら、ないっ……!ぐぁっ……!」

「マルコ、聖水を!主よ、この者をお救いください、この罪なき少女に悪意を吹き込み、この身体を以て顕現せんとするこの闇の使者の蛮行を止める力を、どうか我々にお与えください……!」


 いやだ。たすけて。どうして。どうして。

 どうして私は前世なんて思い出して生まれてきてしまったのだろう。

 思い出さなければよかった。主人公になんて少しでもなれるかもなんて思わなければよかった。

 この拷問はもう何時間、もしかしたら何日と続いている。

 もしかしたら、「前世の私」は本当に悪魔だったのかも。

 それよりもっと前、前世なんて存在していなかったんじゃ?


 疲弊して、疲弊して、否定して、崩壊して、否定して、告解して、崩落して、疲弊して、嫌悪して、嫌悪して、堕落して、崩壊して、崩壊して──


「……ナ、アマ」


 ついに、彼女は前世の名を吐いた。聖職者の耳には、それが強大な悪魔の名に聞こえたようだった。


 ♢


「ナアマ、という悪魔がいます。彼女は天使としての側面もあるが一般的には堕天使──もしくは淫魔として認知されている。多くの強大な天使を堕落させ地に落とし、そうして神を敵視する軍勢の礎を築いた。非常に強力な悪魔です」


 未だ全身をベッドに縛り付けられたまま、眠るには苦しすぎる苦痛の遠くで聖職者の話を聞いていた。あの後名前を突き止めたことでいったん悪魔祓いの儀式は終わりを迎えたらしい。燃えるように熱い油を垂らされて、何かしるしを刻まれた気がするけれど、すべてがおぼろげでひどい悪夢を見たような心地だ。


「それが娘に憑いていたというんですか?」

「おそらくは。先ほどもお伝えした通り彼女──ああ、ナアマという悪魔は女の悪魔なのですよ──多くの天使を堕落させ軍勢を作る礎となった。きっと彼女は再びこの世に戦争をもたらそうと画策したのでしょう。此度の鉄の鳥や馬の要らない車などまさにその第一歩と考えられる。ああ、未然に防げて本当によかった……貴方たちの娘のためにも、この世界のためにも」

「では、牧師様、娘はもう大丈夫なのですね?」

「もちろん、悪魔はすでに祓われています。数日こちらでその身を清め、休ませてからお返しいたしましょう。貴方たちはどうかご自身を責めないでほしい。貴方たちが聡明であり、貴方たちの娘が聡明であったからこそ今、彼女は生きてここにいるのです」


 アリエルが聞き取れたのはそこまでだった。そこからの記憶も、正直夢の中のようで覚えていない。その後日数をかけて身を清められ、無事に帰宅した。けれど悪魔祓いという名の拷問に確かに自分の中にある何かを壊されたのを感じている。

 その後、実に模範的で敬虔な信者としてアリエルは成長した。けれど、時折あぶくのように前世の記憶が沸き上がって、寝言や些細な言動に表れるものだからその度に教会に担ぎ込まれ一時は修道院で生活した。


 そんなことを繰り返して、成長して、アリエルは16歳になった。その頃には悪魔に大層気に入られた娘として悪名を轟かせていたのは言うまでもない。


 ♢


「アリエル?今、お父様は部屋に入って大丈夫かい?」

「勿論です」


 16歳になり悪名轟くアリエルに辛うじて幸運だったことといえば、両親がまだ自分を見捨てていなかったことだろう。アリエルのためと信じて悪魔祓いに送り出し、疲弊して帰ってきた娘を誰よりもあたたかく迎え入れ抱きしめてくれた家族だった。腫れ物に触るような扱いであるとは感じるけれど、こんな些細なことでも気を遣ってくれるくらい今のアリエルにとってそれこそ天使のような人たちだ。まだ子供のように扱ってくるのは少しいただけないけれど、まぁそれはそれとして。

 そんな父が部屋に入ってくるなり唇に力を入れてへの字にしているものだから、さすがのアリエルも違和を感じずにいられない。いつからか自分が不用意にものを言わないように観察する癖を身に着けたのだ。父の様子がおかしいことくらい手に取るより容易く分かる。まず思い浮かんだのは嫌というほど繰り返された悪魔祓いだった。


「……また、わたくし、何か……」

「いや、愛しのアリエル、お前ではない。いや、お前のことではあるのだが……アリエル、お前は悪魔に惑わされながらも素直に育った私たちの天使だ。だから、お前の役目も分かっているだろう?」

「ええ、婚姻ですね」

「ああ。いや、……大層な不運のおかげで……お前には父の目にかなった、これぞという求婚者が未だ現れない。いや、これも試練の一つだととらえるのであれば……」

「……わたくしは、イオノーラの疵となるのなら、絶縁も受け入れます。修道院でもどこへでも向かいますわ、お父様」

「そうじゃないんだ!」


 予想外の父の大声に思わずアリエルは目を瞬かせた。一方で父はものすごく腹立たし気で悔し気で、頭を抱えて苦悩している。アリエルに悪魔が憑いていると初めて知った時よりも、もしかしたら頭を抱えているかもしれない。そうしてひとしきり悶絶してから、父はやおら口を開く。


「お前に縁談が来た。嫌だったら、いや、嫌でなくても断りなさい」

「貴族の父らしからぬ物言いですわ、お父様」


 悪魔が憑いていると悪名轟く令嬢に、父が断れと命じてくるほどとんちきな縁談が来たらしい。


 ネリス・ユーフィネイトはなるほど奇特な男だった。国内でも指折りの貴族であり、また一族揃って信仰心が篤いとされるユーフィネイトの嫡男でありながら一部では放蕩息子として噂されているらしい。なんでも、神学者としても身を立てているとか、立て切れていないとか、教会とよく揉めているから、嫡男ともいえユーフィネイト家を継ぐことはできまいだとか、なんとか。信仰心に篤い家系で神学者であるにもかかわらず教会とよく揉めているとはどういうことか、と父の話を聞いた時には思った。その意味を、彼を前にした今、身をもって知ることになる。


「俺は神を信じている。この世は主が作りたもう恩寵であり我々に下されたただ一つの命は後悔なく、より善く生きていくことだと」

「ユーフィネイト様はとても敬虔でいらっしゃるのですね」

「それはそれとして、この世には天とこの世と地、そして我々の心に訴えかけてくるのは天使の啓示や悪魔の囁きだけではないと思っている。具体的には、我々の認知しない第三の存在がいるのではないかと考えているわけだ」

「……なるほど」


 アリエルは思った。とても嫌な予感がする。教会は天使や悪魔の存在は肯定するが、それ以外は断固として認めないことをアリエルはとてもよく知っている。


「古い神話にあるだろう。かつて神は一人ではなくあらゆる場所に存在しその名を残していた。まれに人間と交わり子をなすこともあったとも」

「えぇ、そういう話も、聞いたことがありますね。けれどそれはおとぎ話だと証明されているのでは?」

「神話というのはかつての信仰の名残とされるが、信仰は何もないところから生えてはこない。すべての現象や文化には必ず事実としてそういう存在がいるのだと俺は考えている。つまり、だ。実際に神と交わった人間、あるいは天使でも悪魔でもない存在がいたのだと、そう考えることも可能だ。いや、いたに違いない。でなければ救世主は人の姿で今の教えを伝えてはくれなかったのだろうと!」

「……なるほど」

「まぁそう思って教会に根掘り葉掘りいろいろ聞いてみたのだ。無論、異端と切って捨てられたがな!」

「まぁ手遅れ」


 アリエルは思った。度重なる悪魔祓いによって心の片隅に追いやられていた前世の記憶は、彼の考えは実に「現代日本的」でこの世界にとっては「先進的」で、それでいて「柔軟」である。しかし、しかしである。ここは現代日本ではないし、この世界は生憎神と天使と悪魔しか存在を認めていない。アリエルはとてもよく知っている。天使でも悪魔でもない自分の前世はこの世界に迎合されることは絶対にないと。ネリスの指摘がどれほど「アリエルの前世から見て正しく」てもだ。


「……差し出がましい口を挟むようですが、そのうち悪魔祓いを受けることになりますよ」

「アリエル嬢のようにか?」

「まぁ論外」


 しまった思わず口に出た。何事もなかったかのように微笑んで口元を隠すとなぜか罵られたはずのネリスも笑う。それがやけに眩しくて、希望のように瞳が煌めく様を美しいと思ったことにはあえて無視をした。


「君の話は聞いているし、よく話題に上がるよ。悪魔に好かれた不幸なご令嬢。どこの教会も君のことをよく知っている。君の存在が悪魔祓いの質を高めたとも」

「それは不幸中の幸いですね」

「記録も読んだ。だが正直に言っていいか?あれただの拷問だよな?」

「まぁ正直」


 否定はしない。ふと悪魔祓いの最中のことを思い出した。何度も死ぬかと思った。聖水を飲み下すことも呼吸することも普通に話すことも許されなかった。ベッドに縛り付けられて動くことすらできなかった。一番初めに悪魔祓いを受けた時、彼女はたったの6歳だったのだ。あれは、あれは、ただの、


 ひゅ、と知らず喉が鳴っているのに気が付いた。視界がぼやけて、うるんで、零れ落ちてまた歪む。目の前の椅子にネリスの姿はなくて、もしや今自分が会話していたのは幻だったのかと嫌な予感が胸中を覆った時だった。酸素が足りない。息が苦しい。体が恐怖を覚えている。アリエルという少女の心を壊した、「正しい行い」は、その実は、大義の下にあったのは──


「辛かっただろう」


 横になっていい、とそっと体を支える手に身をゆだねる。ゆっくり息を吐いて、吸って、そう、上手。優しい声に耳を澄まして、ネリスがメイドを呼ぶ声に瞳をゆるりと動かした。


「俺は、今の教会を正しいと思えない。信仰心が篤い人間が自分を守るためだけに誰かを犠牲にするなんて間違っている。君を守るために君が欲しい。だから、こうして婚姻を申し込んだ」


 都合のいい夢だ。慌ただしい足音が集まってくるのが聞こえて目を閉じる。ネリス・ユーフィネイトという求婚者は現れなかった。ただの夢だ。過去を否定されたアリエル・イオノーラが作り出した願望であり、この世には実在しない。一体いつから夢を見ていたのだろう。また教会へ行かなければならないだろうか。


「また来よう、アリエル嬢。天使とも悪魔とも違う瞳を持つ君に」


 だって誰もアリエルに前世があるなんて信じなかった。受け入れなかった。ただの人の子で、ぐるぐる回る魂の輪廻の最中にうっかり目覚めてしまっただけだなんて、最終的にアリエル自身も否定した。元日本人のアリエルの前世は悪魔なのだ。悪魔に違いない。

 だから、こんなにも壊れた心が切なく軋むなんて、それが許されるなんて。


 幸せになれない元日本人のアリエルにはきっとこの先、生涯訪れない。


 ♢


 結論から言うと、ネリス・ユーフィネイトという男は実在した上にいつの間にか父親を懐柔して外堀を埋めまくっていた。怖い。

 口説いている途中だと好奇心で一杯の瞳を煌めかせながら、そのくせしっかり令嬢が好きそうな花束やアクセサリーを手土産に訪れてくる。それがいちいちアリエルが好んでいるものを選んでくるから受け取ってやってもいいかな、なんて気持ちになる。情報の出所を考える。怖い。


「ネリス君があれほどアリエルの幸いを祈っているとは思わなかったよ。まぁ……彼の立場はそれなりに、かなり、深刻なほどに微妙だが、お前の結婚相手には悪くないと思っている」

「貴族の父らしからぬ物言いですわ、お父様」

「あれで教会とやりあってなければなぁ……条件はいいのになぁ……」

「貴族らしからぬたそがれ方ですわ、お父様」

「だがアリエルもまんざらでもないのだろう?」


 父のその言葉にぐっと思わず息を詰まらせた。

 そうなのだ。完全にほだされ始めている。目覚めてしまった全く違う価値観の中で、心を壊してやっと馴染んだこの世界で、もう心を壊す必要はないと優しく囁いてくれたから、その優しさに壊れたガラスが優しく継ぎ接ぎされる感覚を覚えてしまったのだ。都合のいい夢だと彼が訪問して帰るたびに自分に言い聞かせて、けれど確実に増えていく足跡がネリスという青年を確実にカタチにしていくものだから、彼の訪問を待ちわびるようになってしまったのだ。彼の前では、アリエルは笑える。ふいに顔を出す前世の振る舞いも、すぐに悪魔の仕業と言われて教会に叩き込まれるなんてこともない。ただ、そのままのアリエルを受け入れて、見てくれている。


──天使とも悪魔とも違う瞳を持つ君。


 その言葉がどれほどアリエルを救っているかなんて、きっと彼は知らないだろう。


「……でも、お父様。だからこそ、彼にとってわたくしは不足でしょう」

「アリエル……」

「悪魔に好かれた娘です。彼はユーフィネイトの名を抱く身であり、神学者でもある。けれど彼の立場がわたくしとの結婚で揺らぐことくらい、分かりますわ。彼の訴える論説が、悪魔の囁きに惑わされたと言われない保証はないのでしょう?」

「安心してくれ、既に何度か言われている」

「いつからいらしてたのです!?」


 父と話しているところをいきなり後ろから話しかけられて、アリエルは飛び上がらんばかりに驚いた。突然現れた本人は礼儀正しくごきげんようなどと父に挨拶などしている。こちらを向いて差し出された花束は今日も愛らしくて、思わず受け取って顔を近づけてしまった。にんまり、なまあたたかく見守る父の視線にはっとする。


「お父様!もしや図ったのですね!?」

「ごきげんよう、アリエル嬢。ちなみに君に出会う前から悪魔祓いの打診は受けている──もちろん、祓われるほうで──だから、折り紙付きだ。何も問題ない!」

「問題しかない」


 ちなみにこの会話の中で父は腹を抱えて笑っていた。目の前にいるのは信心深い異端児と悪魔に気に入られた娘であり、もしこの婚姻が進めば全教会に喧嘩を売るような問題夫婦が生まれることになるのだが、果たして父は分かっているのだろうか。それとも娘の幸せに全振りをしたのだろうか。いずれにしてもイオノーラの家に泥を塗るしかないのでは?いつかの父のようにアリエルは頭を抱えたくなった。


「大丈夫だよ、アリエル」


 そんな不安も見透かしたようにネリスは微笑むと、アリエルが座るソファの足元に跪いた。彼の瞳にはいつだって好奇心と、未来への展望と、未知への希望が渦巻いている。その瞳に魅入られたのは、悲しい哉、アリエルの方だった。ああ、認めよう。どんな風に転んでも泥は被るし不幸になると思っていても、アリエル・イオノーラは彼に惹かれてしまっていた。


 特別美しい顔立ちでもないし、どちらかといえば奇特な行動で全てを台無しにしている御仁である。アリエルとしてはもっと穏やかな人が好みだし、おしゃべりな人はむしろ好きではない。前世の影響かはさておき、華やかな見た目の自分だけの王子様にだって憧れたし、こういった展開でよく読んだ、とにかく甘やかして溺愛してくれるような人を求めていた。それなのにである。


 多分、おそらく、九分九厘の確率で自分は好きなのだ。目の前にいるのは天使でも悪魔でもない、ありのままの人間だと信じてくれる、目の前の青年が。恋を追い越した安堵が、アリエルの心を射抜いている。


「今日は返事をもらいに来たんだ。そろそろ君は俺を知ってくれただろうから」

「……私は平穏に暮らしたいのです。悪魔に好かれた娘だの、もう疲れてしまったの」

「君のそれが悪魔でないことを俺が証明しよう。教会は俺が変える。だから結婚してくれ、アリエル」

「それはともに戦ってくれと言っているのと同義ですね」


 本当に、不幸になるとわかっているのに。

 アリエル・イオノーラはネリス・ユーフィネイトの手を取ってしまったのだ。


 ♢


「いやアリエル嬢は悪魔に好かれていますよ。悪魔の名を吐いたのでしょう?」

「聞き違いという線もあるだろう。そのうえアリエルだぞ?」

「天使の名を語ることすら烏滸がましいでしょう。論外です。ユーフィネイト殿、貴方の考えが個性的なのは存じておりますが流石に結婚相手はちゃんと考えたほうがよろしい。そうでなければ貴方を破門するしかなくなります」

「そうか、ではここは一応君の顔を立てよう。ところで偶然金色の丸いお菓子(わいろ)がここにあるんだが」

「いやあアリエル嬢ほど貴方の結婚相手にふさわしい女性はいないですね!」


 そういえば彼がどうやって異端審問も悪魔祓いも避け続けていたかを聞いていなかった。今知った。とんだ物理である。目の前でぴかぴかに輝く金色の小山が移動していく様を正直ドン引きしながらアリエルは見つめていたし、こんなにも手のひらがくるくる回る教会の窓口も初めて見た。そのうえたがいに慣れた様子である。怖い。

 アリエルの気が変わらないうちに婚約の公示をと駆け込んだ教会で、教会の気が変わらないうちにと結婚が決まってしまった。あれよあれよという間に結婚の日取りまで決まってしまって、正直めまいがする。まるでかの有名な無声映画(トーキー)のように、早回しの皮肉のきいたコメディでも見ているかのようだった。一つ物事が決まるたびに黄金色の山がテーブルを右往左往するのだから当然である。


「まさかとは思いますが以前からこのような取引を?」

「信心深さを証明するのにこれほどわかりやすい目安もあるまい?」

「まぁ、物は言いよう」

「処世術と言ってほしいな」


 ある程度の正直が美徳な前世を経験したアリエルからすればとんだ茶番である。もちろん、この世界に貴族として生まれ落ちたアリエルとしてはこれくらいのことはまぁ、最悪、万が一、億が一、あってもおかしくはないと思っていたけれど、実際目にするとこんなことで人生の大事な局面が回っていいのかと頭を抱えたくなった。と、いうか実際抱えた。めまいも起こした。具合も悪くなった。現在地は帰りの馬車の中だが、揺れでさらに気分が悪くなってしまって一時停止してもらっている始末である。いや、普通自分の異端さを見逃してもらうために猶予を金で買ったりしない。アリエルの常識はまだ間違っていないはずだ。


「ところで君の発したという「ニホン」という単語について聞きたいのだが」

「具合が悪いのが見てわかりませんかね」

「ではこうしよう。君!冷たい果実水を買いに走ってきてくれ!」

「君!ではない。いえ冷たい飲み物はありがたいのですが」


 やっぱり結婚は早まったかもしれない。一抹の後悔を胸ににじませながらふとネリスを見ると、少年のように歯を見せて楽しそうに笑っていた。これから妻になろう女性に無茶を強いておきながら何を笑っているんだと文句も言いたくなる。とりあえず一つ、鋭く睨む視線を投げつければはは、とまた楽しそうにネリスは笑った。


「なんなんですか」

「君は俺に容赦なくものを言ってくれるから会話が楽しい」

「は?」

「そういうところだ。なぁ、アリエル。君は結婚を早まったかもしれないと思っているだろうが──俺はもう君と夫婦になれてよかったと思っている。君もだろう?正しくあれと自分を律することをしなくても、君と俺の正しさは似通っている。こんな奇跡はきっと後にも先にもない」

「私は貴方に正しさを感じていないのですけれど」

「さぁ果実水が届いたぞ!我らが主と出会いに乾杯!」

「聞け、話を」


 あぁ、本当に滑稽だとアリエルは息をつく。本当にうんざりしてきているのに、具合も悪くてクッションがあれば投げつけてやりたいくらいなのに、その一言がすべてを救う。救われてしまう。それを撥ね退けられるほどアリエルは自分を強く持っていないし、強く持っていた自分は悪魔祓いで壊れてしまって、残っているのは正しくあろうとしたアリエルの残骸だけだ。だから、どんなに言葉が悪くなっても、うんざりしても、呆れても、許してしまう。恋は道化。恋は盲目。安堵と理解に目が眩んだ、性質の悪い熱病。不幸が確定した結婚。


 何度も自分を罵って、アリエルは果実水を口にした。胸が鳴るほど甘酸っぱかった。



 さて、人は環境に慣れるものである。


 結婚から早数年。わずか数年。結婚と同時にネリスはユーフィネイトを継いだし先代ユーフィネイト卿はアリエルの存在を受け入れたし嫁入りはつつがなく、極めて平穏に完了した。それはいい。最悪の展開を回避したから、まだいい。


 おそらくユーフィネイト卿も突飛な発想の息子を持て余していたのだろう、なんせアリエルと顔を合わせた時目が死んでいた。義母の目も死んでいた。嫁姑問題が勃発する前にものすごく同情されたし、結果としてアリエルもネリスもそろって腫れ物扱いで、彼らは爵位を息子に継がせるとあとは我関せずと言わんばかりに領地に引っ込んでしまった。気持ちはわかる。今も領地でのんびりと暮らしながら時折聞こえる息子夫婦の醜聞に胃を痛めているのだろう。

 なんせ、アリエルとネリスは結婚後、通算四度目の破門の危機を天よりまばゆい小山で回避したところである。繰り返す。結婚後四度目の破門の危機である。回避方法はテーブルの上を移動する金の小山である。なんなら二回目くらいには慣れていた。人間の環境適応の速さ怖い。


「今回も無事に回避したな。さすがアリエルだ、経験を積むたびに敬虔な信徒のふりがうまくなっている」

「ふりって言いました今?」


 一応今も敬虔な信徒のままなのだが。夫もそうであるはずなのだが。

 結婚後もネリスは精力的に持論を展開し続けたし、教会は彼の意見は異端であり悪魔の囁きに耳を貸してしまった愚かな男という姿勢を崩さなかった。結婚したことでいよいよこれは完全に排除しなければと思い立ったのだろう、悪魔祓いを通り越して破門からの処刑を、なんて声も高まっていると聞く。外に出ないアリエルには聞こえないけれど、走り回るネリスの耳に地響きのような非難が届いていることは想像に難くない。


 結婚してネリスが最初にしたことはアリエルの話を聞くことだった。ただ、否定も肯定もせず、少年のように好奇心に満ちた瞳でアリエルの前世の話を聞いたし、心に刷り込まれた悪魔祓いの恐怖でひきつけを起こす度にただそばにいて手を握ってくれた。日本の話、飛行機の話、自動車の話、機械の話、ほかにも、たくさん。

 ただ、話を聞いてくれた。6歳のころに箱に押し込められて、手足を畳まれ胴を折られた小さなアリエルと、その前世を、しわくしゃになって折りたたまれた紙を優しく開くよりも慎重に、扱ってくれた。だから、もうそれでいい。


 神はアリエルを救わなかったけれど、ネリスはアリエルを救ってくれた。


 明日破門とされて、明日処刑されても、それを金で延長しているだけの停滞した日々であっても。ただ話をする以外夫婦のようなことは何一つとして存在していなくても。まるでこの荒波の中で生まれた静かな日々を守るために戦友のように肩を並べていても、それでいい。それでいい恋を夫にした。夫には相変わらずうんざりしているし、クッションを投げつけているし、うるさくて口にパンを詰め込むことも増えたし、最近は口が悪くなってきた。それでも。


 幸せになれない元日本人のアリエルは生涯、この平穏を忘れないだろう。


 ♢


 本当の崩壊は前触れもなくやってくるのだと今身を以て知っている。

 冬の川は冷たい。走り続けた足は擦り切れて痛いし、川底の石で足が切れて、さらに痛む。いばらの道をゆくとか、身を切るようとか、それが的を射ていた比喩表現だったことを一周回って感心した。


「すまない!ついに破門されたうえに異端審問で有罪になった!処刑は10日後だ!逃げようか!」

「すべてが事後報告。逃げるお金もありませんよ」

「あぁ、だからこのまま行こう!」

「今から!?」


 大体こんな経緯である。もうアリエルは驚かないけれど驚いた。いつかこんな日が来ると理解していたけれど、その時は潔くすべてを受け入れるつもりだっただけにこの期に及んでも生きようとするネリスのバイタリティに正直引いた。ドン引きしている間に足に丁寧に布を巻かれ、いつの間に用意していたのか頑丈なブーツを履かせられ、手をつないで屋敷を飛び出し、気づけば川を渡っている。本当に意味が分からない。本当に勘弁してほしい。彼のほうがよほど熱にうなされている。


 主よ、先陣を切る夫はなぜ大笑いをしながら冷たい川を進んでいるのでしょうか。


「ネリス様、」

「もう少しで中州だ、アリエル。そこまで着いたら少し休もう。強行軍になってしまってすまないな」

「ネリス様、」

「大丈夫だ、あとのことは父上たちに任せてある。いつかこうなると予測していた。そういう商売を選んだからな、ユーフィネイトにもイオノーラ家にも悪いことをしたのが心残りだったが」

「ネリス様、」

「もう少しだアリエル、というか川冷たいな!?立ち止まったら本当にし──」

「違うの!」


 なぜ、彼はこんな瞬間まで眩しく生き生きとしているのだろう。アリエルは最初から絶望していたのに。生涯幸せになることはないと諦めていたのに。


 ネリスだけは、アリエルが諦めることを、諦めてくれない。


 思い出せば、出会ってから鮮やかな記憶ばかりだった。そう、記憶の奥底に沈めた──コントのようなやり取りばかりしていた。ネリスが突飛なことを口にするたびに諫めて、それをネリスが笑って、アリエルが仕方なさそうに肩の力を抜く。そんな繰り返しの日々ばかりだった。うんざりもしたし、クッションは投げたし、口にパンは詰め込んで、口は悪くなって、手足をつねって、だというのに、ネリスは少年のようにずっと笑っていた。誰に向かって?──アリエルに向かって。


──アリエルの前で、ずっと、彼が笑顔だったことに突然気が付いた。


 いや真剣な顔ももちろんすることはあったけれど、それはいったん置いておいて。

 今もそうだ。冷たい川の水にガタガタ歯を鳴らしながら、それでもこちらに向ける瞳は煌めきを失わずにただまっすぐにアリエルを見つめている。しっかりと手を握ったまま、中州の手前でびしょぬれのドレスを水にさらしたまま突っ立っているアリエルを待っている。再びアリエルが口を開こうとしたとき、不意に彼の視線が険を孕んで後方に向いた。釣られて振り返れば武装した自警団が十数人こちらに向かって馬ごと走ってきているのが見える。逃亡がばれたようだった。急かすようにネリスが手を引いて、けれど中州に上がった瞬間にその場にへたり込む。震える体を立て直そうとするけれど、つられて転んだアリエルを抱き起す力も湧かないようだった。何をどう考えても、勝算はもう、ない。もうないのに、彼は手を離さない。


「ネリス様、どうして、」


 聞きたいことが山ほどあって喉が詰まる。あらゆるどうしてが詰まった視線を投げかけると、またくしゃり、瞳が煌めく。死を受け入れているくせに、その輝きはちっとも失われることなくアリエルを映している。


「そりゃあ、一目惚れしたからさ。惚れた令嬢がずっと自分を押し殺しているものだから、ほら、俺はこういう──偽りない生き方をしているから──自由になってほしかった。もともとそういう考えはあったが君を見て確信した。神と天使と悪魔だけで物事を測るなんてもったいないってな」

「自由、に?」

「君と話すとき、楽しかったんだ。ああこれが前世の君だろうって、片鱗が感じられるとき君が自由になったようで本当に幸せだった。幸せで、さぁ──」


 背後から近づく水飛沫がどんどん大きくなってくる。怒声、馬のいななき、鎧と武器がこすれる音。もう感覚のない指に力がこもる。最後の息吹を焼き付けようとするように、アリエルは夫の声に耳を澄ませた。ああ、本当に不幸な人生だった。二人そろって不幸の底にいて、自分を殺して、それでも、それでも、彼はその地獄に花を降らせていてくれたのだ。


「ここじゃなきゃ幸せになれたかなって、思ったんだよ」


 こんな、しあわせな最期があってたまるかよ。

 幸せになれない元日本人のアリエルは、最後の最後に確信した。


 この出会いは、どんなに不幸せな未来が待っていたとしても、誰よりも幸せだった。


 ──暗転。


 ♢


 目を覚ました時、両目は涙で濡れていた。


 なんだか大昔のヨーロッパ物の、壮大な夢を見た気がする。寝る前にたまにはオペラでも嗜んでみようかなんてかっこつけたせいだろうか。誰に?もちろん、今を生きる自分にだ。

 今の時代、指一本で様々なジャンルの動画を見られるというのは文明が行きついた頂点であると感じている。これがいいな、とサムネイルで選んだ最初は圧巻の歌声に聞き入ったもの、展開が今の価値観にはどうにもそぐわなくて途中から退屈になってしまって、荘厳な音楽を聴くだけの作業となった。どうも顔は全部同じに見えるし、化粧は濃いし、古めの動画だから画質は荒いし、何を言っているのか全然聞き取れない。そうやって見ているうちに、おそらく寝落ちたのだろう。

 体を起こせば、するりと肩からブランケットが滑り落ちる。と、ドアが開く音がした。


「起きた?……泣いてる?そんなに感動ものだった?寝てたのに?」

「うるさいな」


 なんだか夢の中で聞いた声がする。

 そう、悲劇的な夢だった。夢の中で、どこかの映画の主人公と同じ名前の娘が不遇な幼少期を送って、束の間の結婚生活の果てにあっけなく死ぬ夢だ。結局娘は不遇なままだったし、人魚姫よろしく泡どころか最悪な死に方をしたし、なんなら夫も死んだ。それなのに、不思議なことに、娘は最期笑っていたのである。


「毛布ありがとう。ねぇ、君の博識な頭脳に聞きたいんだけど、アリエルって知ってる?」

「アニメの方?天使の方?」

「天使?」

「いるよ、全部が全部天使じゃないけど、割とその名前はよく出てくる」

「じゃあナアマは?」

「それも天使。堕天使って説もあるけど。なんで?」

「夢に出てきた。主人公がアリエルで、でも体の中にナアマって悪魔がいた?らしい」

「なるほど、インスピレーションを刺激されたわけだ」


 カチ、とつけたタブレットの画面にはとっくに終わったオペラの名前が真っ黒な画面に浮かび上がるだけだった。そんな壮大な話をしていたっけ?とあらすじを読む隣で、彼が持ってきたココアを飲む。柔らかい茶色の液体に、そういえば夢の中の夫の瞳もこんなふうに柔らかい色をしていたなと思いだす。こんなふうに、柔らかい髪をして、こんなふうに、やわらかい瞳で、こんなふうに、からかってきて。

 そこまで考えて、気づいてしまった。なるほど、インスピレーションというのは馬鹿にできない。とはいえ夢というのはどうしてこう、予想だにしない方向にねじれて出力されるのだろう。


「いや、全然壮大じゃないよ、というか悲劇だ。ねぇ、なんでそうなったの?」

「昔君が話してくれたことが蘇ったんじゃない?」


 私の名前は天木理奈。順番を入れ替えて、リナ・アマキ。頭とお尻がうまく発音できなかったらまさか堕天使になるなんて彼も両親も、それこそ神様だって思いもしなかっただろう。


「なんだか機嫌がいいね?」

「いや、本当にあの世界じゃ幸せになれなかったなって」

「……もったいぶられると気になるな。夢の内容教えてよ」

「いいよ、君も出てきたからね」


 ほら、だって知っていたんじゃないか。世界が神様と天使と悪魔しかいないなんてありえないことも、日本も、あれもこれも、なんだって。


 夢の中で惹きつけてやまなかった煌めく瞳の正体も、目の前にいるんだってことを。


テーマ:転生、不遇、求婚、ロマンス、シェイクスピア、ガリレオ・ガリレイ。


転生系テンプレ不遇令嬢ロマンスを書こうとしたら真面目に考察をしすぎてアクロバティック着地しました。どうして。

ラブ1・コメディ8・闇1でお送りしました。とても楽しかったです。とても楽しかったです。


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― 新着の感想 ―
いきなり川を渡り始めたのにはびっくりしましたが、夢の中だったのですね >こんな、しあわせな最期があってたまるかよ。 わりとこの一文、なんかかっこ良くて好きですよ 素敵な話をありがとうございました
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