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五分前仮説のブランニューワールド  作者: 幾楽あくた


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未来シコウのチートデータガール 49


 ざばっ! 水面を突き破って飛び出すかの如く、子供達が宙に躍り出た。


「わっ!?」


 ハジメはぎょっとする。唐突に液体になってしまった少年少女たち。死んでいないと確信するのに瞬き一回。彼らが水ような何かになったと結論に至るに三度の瞬き。魔力的マーキングの完全排除。万が一にも逃した時のための追跡。液体を一滴たりとも漏らさないようにする器の作成。これらを同時にする為の魔法を作り上げようと思考を切り替えた途端に液状になって床の溝を這っていた子供たちが空中に打ち出されたのだ。驚きもする。


「――っとと」


 しかしそこはそれ。ハジメは即座に魔法の構成を編み直す。空気を柔軟な被膜で覆うような魔法。

 形状被膜。

 範囲半径五メートル。

 強度布。

 彼らが宙に浮き、床に落下するまでの一秒未満に広げられた魔法のクッション。

 ばふっと間に合い、子供たちの体は地面との激突を免れた。


「……静夜君が何かやったな? さては」


 さすがに冷や汗をかいたハジメは何となく確信する。どのような魔法の攻撃を受けたかは推察するしかないが、その攻撃をした人物は、無力化されたのだ。だからスライム状になった子供達は復活した。床に広がった状態から元の形状に戻ることでの床と反発し合った結果、ああして子供たちを乱暴に宙に弾き出したのである。


 こんな現象は、マホレコでは見たことがないので想定外も想定外だった。

 それを即座に静夜は無力したという訳だ。世界が想定する力の欠片も引き出せていない静夜は、しかしハジメの想定をはるかに上回る対応力を持っているのだろう。そのうえで、ターゲットを一斉に液状化させる魔法を使える程の敵に、有効打を与える事が出来る手段もある。


 本当にあの人、何者だろう。

 もしかしたら転生するよりもしていない今の方が余程この世界の創造主たちを驚かせているのではないだろうか? 


「すごいな」


 手放しで称賛するほどには、すごいと思う。話を聞いた時は静夜のすごさは解らなかった、ただ、話していた内容を全部本当に実行していると理解するにつれて彼の苛烈な凄さが際立ち、ハジメはこれを尊敬するのだった。

 と、それはそれとしてだ。差し当たって今はここからの無事脱出がするべき行動である。


「……ヘル。おいで? ん……? ヘル? 怒ってないけど、今すぐ来ないと今から怒るよ? それとも、待機している子たちに替えてもいいんだけどな?」


 魔法を意識した言葉で呼びかけると一瞬の間。わずかに抵抗するような気配もあったが応答としては即座の反応を感じる。直後には白い猫が低い空中で実体化してトトっと足音を立てて着地した。


 なーぉ。


 魔法生物は即座にハジメの足に体を擦り付ける。頭からごりっと始まり、首、体にお尻に尻尾まで。全力で甘えて許しを請うように。こんなにあざとくされると、もうハジメも嘆息しかできない。

 そうして一旦しゃがみ込むと、ぴたりと動きを止めた白猫モドキのヘルの頭に手を伸ばす。

 メアはまだ媚びを売り続け、そして少し怯えている。耳を水平にしたいわゆるイカ耳状態で、ハジメからの沙汰を待つかのようにその場から動かない。逃げないだけ一応ハジメに対して誠実なのだろうとは、思う訳である。


「もう、君達はいったい静夜君にどんないたずらしたんだい? 静夜君が何も言ってこないし怒ってなさそうだったから許すけど、ほどほどにしなよ?」


 魔法生物と言えども猫の見た目。甘い裁定になるが仕方ないと思う事にする。

 そして本題を命じる。


「この子達を守るんだ。できるよね?」


 有無を言わせぬ圧力ではあるが、決して声音を強くせず、音程は柔らかなものを意識する。

 そもそも本当には怒ってはいない。なかったにはしないが問い詰めない。そんな気持ちで呼びかければ、メアの様子は随分変わった。

 ここは名誉挽回のチャンスだとメアが目を瞬かせる。


「私が先に行って危険を排除する。君はこの子達を守りながら後からついてきて? もうパスは壊したから何事もない筈だけど、この子達に何も悪い事を起こさせないでね? ……よし、いい子だ。任せたよ」


 出来るだけ穏やかな笑顔の表情を作ってみせて、ぷかぷかと宙に浮く子供たちをぐるりと見まわす。気絶しているが目に見える魔力や生命力には乱れがない。脳にダメージとかではなく単なる睡眠や酸欠による意識の喪失だと信じたい。

 一瞬の不安がよぎるが、これに返答するように、白い猫の青い瞳が輝く。

 ふわりとヘルの体から魔力が広がるのがハジメには視えた。そしてその魔力の柔らかな光は子供達を包み、彼らの中に浸透していく。ハジメにフィードバックされるのは子供達の健康状態だ。異常な血糖値と体脂肪率こそ気になるが、彼らが今『直ちに問題がある状態』ではないという情報がハジメを安心させる。

 大丈夫、子供の脳に支障はないよ。ヘルの気持ちとともにハジメは理解した。子供たちはまだ、まったく手遅れではないと。任せて、もしもの時も、ちゃんとボクが直してみせるよと。


 それを受け取り、ふふっと笑う。治すが直すなあたり、君たちだなぁと思うけど。

 ありがとうね。


 ヘルの耳と尻尾と髭がピンと嬉しそうに広がったのを確認して、ハジメは改めて気持ちを切り替えリラックスする。


「さて、っと?」


 建物全体を満たした魔力の濃度を上げる。

 広がれ私の魔力。

 用意するのは、ついさっき液状になった子供たちを探索する為に考案した魔法である。

 たかが建物一つと地下の広場だけ。見逃すわけがない。

 今、この建物はの内部は全てがハジメの口の中の様なものだ。髪の毛一本の揺らぎでも感じ取れるように魔法を構築した。


 範囲。建物全体。

 効果。一定速度以上の移動物体把握。

 指定。時速一キロ以上の物質及び残留気配。

 方法。霧状魔力の触覚化。


 これがハジメが意識し、カスタマイズした魔法である。呪文を唱えればもっと効果が得られるだろうという予感があるのだが、ハジメが今即興で編み出した魔法である。呪文なんてものは考えていない。都市全体なら唱えるかもね。小さく小さく口の中で。


 こうしてこれから向かう先にいる存在の気配を感じ、その芸術的なまでの禍々しさを肌で理解した。

 

「静夜君って本当に不幸体質みたいな感じだな――ん? ……おやん?」


 その気配があるのはしかし、本来は静夜がいるとは思えない場所だった。

 ハジメが開けた床の穴から二人は飛び降りてきたわけだが、そこを静夜一人で登る事はおそらく不可能だと思われる。

 でも、静夜の気配は確実に穴の向こうにあると感じるのだ。

 どうやったらあれほど悪質な悪霊たちに憑りつかれるのかわからないが、だからこそ、地上で待ち構える唯一無二の厄の気配は静夜のものだと思う訳である。

 

「……いや、まぁ静夜君だしね」


 考察を放棄しながら歩を進める。途中、開きっぱなしのドアを覗き込むと、硬い地面に横たわるコロコロとしたフォルムの子供が一人。 

 揺さぶっても起きないのでどうするかと数秒悩むが、問題解決は追ってきたヘルによってもたらされた。

 ヘルは子供たちの体全体に薄い膜をかぶせて、外皮を作り、その外皮を動かすことで子供たちを疑似的に歩かせていた。浮かべる事の方が簡単そうだけれど、たぶん見栄えが悪いとハジメが難色を示すと想像してこの方法を選択したのだろう。


 そうしてハジメは再び先行する。一分ほど遅れてヘルがついてきているのを感じているが、徐々にその距離を詰めているのはバレバレだ。彼はどうやらハジメに対して過保護を発動させたいらしい。

 別に彼らに心配してもらわなくとも平気だと思う反面、彼らのその気持ち自体はかわいらしくて好ましいので苦笑いで許すのであった。


 そうしてハジメは何事もなく、元来た道の行き止まり、光が差す穴を見上げた。


 ――ピッ。


 音にすればそんな音。空気を誰にも気づかれずに切り刻んだ音だ。空気のついでに天井も切られて、ぱらぱらと落下していく。

 天井がすっかりなくなり、不自由に落下して、一か所に積み上がっていく。数秒もしないでそれは、螺旋階段がせり出す柱を構成した。水道管や、ステンレスの作業台やガスコンロなどなど、キッチンだったものを踏みしめて登っていく。

 

「あ、やっぱり静夜君でよかったんだ」


 階段を上り切ったハジメは、床のない、元は厨房だった部屋を一周見まわしてからそう言って笑顔を見せる。

 あきれた様子で絶句する静夜は大穴となった厨房のぎりぎりの部分にある、カウンターテーブルの上に座っていた。

 格好つけて頬杖を――と思ったがへとへとになって動けなさそうで、一歩間違えば崩れ落ちそうな体を支えているだけの様だった。顔とスタイルがあきれるほどに良いと、何をやっても様になるが、ともすればナルシストに見えるのだから桁違いのイケメンは何とも損な役回りである。


「……どうしたんだい、それ?」

「いきなりぼこぼこに殴られちまってね。いやぁ油断しちまったよ」

「……殴られてそんな風に服が穴だらけになるんだね」

「あいつのパンチやばかったな」


 静夜の高そうなティーシャツはズタボロで、乾いた血がしみ込んでいる。からからに乾いて、残さず全体が黒褐色に染まってしまっている。もとよりそんなデザインの洋服だったと言われたら案外納得してしまいそうだし、もはや上半身裸になった方がよほど健全な見た目である。

 それにだ。

 すんっ。と嗅げば何かが焦げた臭いもするし、呪いのような気配も酷く濃くなっている。あとは汗の乾くにおいもほんのりと。いったい何をどうしたらあの短い時間にこの有様が完成するのだろうか? 汗も血もそんなに早く乾くものではないはずなのに。


「じゃあ静夜君をそんな目に合わせた秦飼は?」

「おっと。それな。わり、逃げられちまった」

「……ふーん?」 


 目を細め、ハジメは一歩踏み出す。そこには床がないのだが、螺旋階段の横幅が伸びて、ハジメの体を支えてくれる。つかつかと進み、一直線に静夜の目の前へ。ハジメの通った道筋には瓦礫で出来た橋が出来上がっていた。


「おお、すげぇな」

「……」


 おどける口調でびっくりする様子を見せる彼をじっと見る。


「とはいえだ。二度と悪さできねぇ程度にゃやり返してやったぜ。もうガキが被害にあうこたぁねぇよ」


 無言の圧力に耐えかねて、静夜は目をそらして苦笑いする。きっと、これ以上言ったところで答えてくれないだろう。これは本当のことかもしれないし、本当ではないことかもしれない。

 静夜は秦飼に深手を負わせたのだろうか? 二度と悪さが出来ないと断言できるほどに?

 二度と悪さが出来ないというのは、それは果たして怪我を負わせたのだろうか? それよりももっと強い言葉は当てはまらないのだろうか?

 静夜よりも明らかに戦闘能力が高いだろう秦飼を指しての言葉と考えるとなおさら判断に困ってしまう。


 しかし、それを真剣に考えると――どっちでもいいかと、ストンと思えてしまった。

 

 ハジメの思う色々で、一番最悪なのはきっと、静夜が見栄を張っていて、秦飼が無傷で逃げて、またどこかで子供たちを食い物にするという未来だ。それはもう二度とないと静夜は断言するし、その断言を信じるくらいには静夜の事は信用している。


「お、そっちもうまくいったみたいだな」

「ん? あ。うん」


 背後に意識をむければハジメが建てた柱、その螺旋階段を子供たちが登ってきていた。先頭には白い猫モドキのヘル。ハーメルンの笛吹を彷彿とさせるような子供の列を作っていた。


「おっと、さっきの坊主も見っけてくれたんだな?」

「あ、その子? 床で寝てたよ。頭ぶつけたみたいだけど」

「助かったぜ。助けたぁいいがぶん投げちまったからな」

「あ、床に寝てたよ」

「……あん? そりゃまだ寝てんのかい? 気絶……か? 操って歩かせているのかい?」

「洋服が動いて中身は洋服に合わせて動いているっていうイメージさ。ヘルがやってくれているんだけど、人を操るってなんだか感じがよくないかもね」

「!?」

 

 ハジメの後ろでヘルがヒゲと瞳孔を広げて驚愕した。

 ごめんね。ちょっとわるい冗談だったね。君に助けられた。

 内心で謝っておく。


「頭を打ってたみたいだけど、投げたっていうのは?」

「それしかなかったんだよ」

「だよね。それしかないくらいに戦ったのは解かるよ。あ、あの子ももちろん問題ないから心配しないでね」


 穴だらけで破けた血まみれの洋服を、文字通り身にまとい、ひどく疲れた様子。怪我こそ見受けられないが、それは静夜が特別だからだ。こんな状態になった時の静夜はきっと余裕なんてなかっただろう。


「で、静夜君自身の体は大丈夫かい?」


 大丈夫とわかってはいるのだが。

 服の穴の位置、切り裂かれた部分、魔力の残滓。どれも人体急所――なぜ人体急所なんて知っているのか不思議でならないが――が的確に攻撃されている。解っていてもついつい心配する言葉は出てきてしまうのだった。


「おうよ。ごらんのとおりだ」

「御覧の通りだったら大問題だらけだよ」

「こりゃ失敬」


 想定内の反応に即座にクレームをつけ、ハジメは静夜を半眼ジト目でねみつける。


「怪我はもう治っちまった。やられっぱなしだったが、まぁその程度ってな」


 誤魔化すように苦笑する静夜だが、無事とわかれば逆に不満が沸き上がる物である。


「これでも結構心配したんだけどな?」

「あー……心配してくれてありがとよ」


 その顔や、服の隙間から覗く肌はつやつやした卵肌。血糊がなければ静夜が五体満足である事は一目瞭然だ。それでも疲労した様子が隠しきれていないのだから、彼の精神的疲労はよほどの物だったのだろう。

 けれど、そんな風になっているのになんでもなかったかのように言う姿は、心配していた分だけ反比例して不満を想ってしまうのだ


「静夜君さ。その見た目で何事もなかったっていう風にするの無理があるよ?」

「……そうか? 結構皆納得してくれんだけどな」

「皆がおかしいか静夜君がおかしいか、どっちがいい?」

「へへっ、どっちだったらいいんでぇ?」


 自分が何をしたかなんて絶対に話したくないという意思表示に見えるその惚けた笑い。


「ああもう! せめてその洋服だけでもなんとかしようよ。ヘルっ! 服作れ――ない! 裁縫はっ!?」


 受け入れるにしても、こんなにヘトヘトになるまで頑張った人を、血まみれの汚れだらけの格好で放置するのはあまりにも居た堪れない。

 ハジメが巻き込むようにして連れてきて、でもその巻き込まれた静夜がハジメの知らない所で事件を解決してくれたのだ。その上で、ありがとうとも言わさせたくないかのように『逃がした』という報告までされたらモヤモヤと心に何かが積もっていく。


 不満をぶつけるのはお門違いなのはわかるのだが、感情が色々と整理できてなくて八つ当たりのように静夜の服の汚れ成分を分解する。

 ハジメが光触媒の要領で静夜を清め、その間にヘルが静夜の服の穴を繊維単位で結び修復していく。物の一分もしないで静夜の服は白さを取り戻し、穴もほとんど目立たなくなった。そして褒めてほしそうなヘルは今は思考の外である。


「おー。こりゃすげぇな。正直電車に乗れねぇんじゃねぇかと思ってたところだ」

「そんなんだから異世界の精神体が呪いに変質するんだよ」

「あー、あー……考えてみたらちげぇねな」


 納得したように静夜があっけらかんと言い、不要な心配がたぶん余計なお世話と自覚して、それが結局憎まれ口になってしまうハジメは憮然とするのである。

 そんなハジメの様子を見て静夜は表情を緩め、困り顔のように笑う。


「さってと。さっさとこっから引き上げようぜ?」


 カウンターテーブルの上で立ち上がった静夜が、服を両手でパンパンとはたけば、洋服から元は血だったものが埃のように浮き立ち、ぱらぱらと落ちていく。


「甘咲のおかげで今年の被害者って奴は出ずに済んだんだろ? お手柄引っ提げてお前さんを門前払いした警官にドヤ顔決めてやろうぜ」


 キメ顔を作った静夜はカウンターテーブルの向こう側に飛び降りて、数歩歩いてから立ち止まる。ハジメはもう何も言えない気分になって後を追う。

 ヘルが操る少年少女がカウンターテーブルを乗り越えるのにとんでもなく苦心したこと以外、もう何も起きなかった。


「あーあ、腹減っちまった。甘咲、飯食いに行こうぜ?」

「……いいね。どこでもいいよ。今日の主役は静夜君だ」


 こうして、推定犠牲者百名を超える猟奇殺人事件に、一旦の幕が下りる。


 監禁されていた十二人は由来不明の食物を摂取した事による内臓へのダメージ、初期の糖尿病、心的外傷など、様々な障害を負っていた。それでも直ちに命に問題はなかっため、短期の検査入院をするにとどまった。

 また、尻拭いは任せろというだけの事はあり、静夜の尽力により二人は親元ではなく身寄りのない子供たちを受け入れるする団体へと保護される運びとなった。異世界人でないならば、能力的な利権を考慮に入れなくてよくなる分、随分融通が利くらしい。


 子供達の今後を考えると、この出来事は人生に大きな影を落とす事になるだろう。

 

 そんな心配をするハジメだったが静夜は『それを何とかするのがプロだから大丈夫』と妙に自信がありそうにいった。どうやら強制的に記憶を失わさせるなんて恐ろしい物に心当たりがあるらしい。どこかで聞いた事がある気がしたが、その正体はあまり深堀するべきでもないだろう。


 そして犯人である秦飼速人の行方は知れず、即日の内に全国に指名手配となった。特殊能力と資格を持つハンターたちが生死を問わず追いかけると聞かされている。きっと、たぶんだがもう秦飼の足取りはつかめない事になるだろうけれど。

 食人倶楽部の会員名簿は発見されたが、その捜査は難航するだろうとは静夜の談だ。一部、強力な権力者か、あるいは危険人物が関わっていると予想される。ハジメは憤慨したが、静夜はそんなものだと諦念の様な事を言った。


「一周回って肉食いたくなっちまったよ」


 そんな事を言って静夜は妙に肉の割合が多いハンバーガーをもりもり食べて、いつの間にか支払いを済ませてハジメにもおごってくれていたのはまた別の話。


 こうしてこの気分の悪い物語は終幕を迎えたのだった。



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