新婚旅行
新婚旅行である。
東にある島国に旅行で訪れたレインは、すっかり温泉が気に入ってしまった 。
元日本人である美月も温泉好きだ。
この異世界にも温泉があると聞いて、新婚旅行にやってきた。
元々は商家の持ち物だった温泉付きの別荘を手に入れたレインは、季節はずれの別荘地で人目がないことをいいことに、分霊の奇跡を乱用して、別荘を住み心地のいいものに作り替えた。
「チートすごい。」
色々隠さなくなってきたレインに、美月は遠い目をして海を眺めて癒やされることにした。
ある日。
アリスとの騒動が一段落したレインは、新婚旅行を美月に提案した。
色々と思うところがあるのだろう、表面上は取り繕っているが、たまに塞ぎ込んだ様子を見せる美月に、気晴らしになれば、と考えたのだ。
いくつかの候補の中から、山もあって海に囲まれている島国にしたのは望郷の念が消えきらないこともあったのかもしれない。
まあ、何より温泉である。
いつでも好きな時に温泉にはいれる幸せ。
建物は海の近くにあり、浴室の窓を開ければオーシャンビュー。
漁村に足を伸ばせば、海鮮食べ放題。
しばらく滞在することにしたので美月は最近知り合った聖女の少女、オーレイアに手紙を書いた。
温泉最高、遊びに来てね。
端的な内容はそれであり、受け取ったオーレイアはヒースクリフと目を合わせて、しばらく音信不通の自由な旅にでることにした。
オーレイアは美月に返信した。
ごっめーん!ちょっと遠い旅先だから行けそうにないかも。
2人きりでゆっくり楽しんでね!
ヒースクリフはレインに返信した。
あんたらの惚気けに疲れ果てたので、こっちもいちゃいちゃする旅にでます。
探さないでください。
返信を受け取ったレインと美月は、仕方ないので、日がな一日いちゃいちゃした。
次の長編「人魚姫は真珠の涙を流すのか」に繋がるエピソードでした。
おまけの番外編まで読んでくださり、ありがとうございました。




