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終幕 ― 「永遠の余韻」
廃ビルの屋上に置かれた円卓は、夜の風に揺れる一枚の黒い羽根とともに、次第に遠ざかっていく。
その下には、無数の光が瞬いていた。
ビル群の窓、信号、街灯、車のヘッドライト。
まるで都市そのものが、星空の裏側に浮かぶ“もう一つの宇宙”のように。
BGMが静かに流れ始める。
――《RE:DEFINE - HORIZON MIX -》
ピアノの音が、夜風に溶けるように響き、
その旋律に重なるように、微かなノイズと電子の鼓動が重なる。
映像はさらに引き、街全体がひとつの“円”を描く。
その形はまるで、会議室の円卓のようだった。
やがて画面が暗転する。
音だけが少しの間、残響のように響き続ける。
そして、完全な闇。
静寂の中、黒背景に浮かび上がる一行のテキスト。
『To be continued... ― 黒き月の夜に』
文字が一瞬、かすかに光を放ち、
その光が画面いっぱいに滲む。
やがて――消える。
再び訪れる静寂。
だがその暗闇の奥では、確かに“次の物語”が息をしていた。




