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中二病円卓会議 ― 闇と光の狭間で ―  作者: 南蛇井


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33/35

終幕 ― 「“招集”のメッセージ」

夜の街に、雨の匂いが残っていた。

廃ビルの屋上で、静かに眠っていたスマートフォンが——突如、震えた。


ブルルッ……ブルルルッ……。


その微かな振動は、まるで心臓の鼓動のように闇を震わせる。

画面が光を帯び、ノイズを走らせながら、ゆっくりと文字を浮かび上がらせた。


『次回会議:来年、黒き月の夜に再開』


その一文が、夜の静寂を切り裂く合図となった。


***


同じ瞬間——。


◆ 真夜:

夜更けの部屋。

机の上のノートPCがスリープから目を覚ます。

メールの通知音。画面に、あのメッセージが浮かぶ。

彼はしばらく見つめ、ゆっくりと息を吐く。

「……やっぱり、終わってなかったんだな。」

指先が、再びキーボードへ伸びる。


◆ 赤城:

放課後の教室。

生徒たちが帰った後、黒板に残る「黒翼団」の落書きをぼんやり見ていた。

そのとき、スマホが震える。

表示されたメッセージを見て、彼は思わず笑う。

「はは……“団長”の出番かよ。」


◆ アオイ:

深夜の作業机。

ペンを走らせる手が止まり、スマホの光が原稿用紙を照らす。

彼女は静かに呟く。

「“黒き月”か……タイトルにいいかもね。」

そして微笑むと、再び線を引き始めた。


◆ 白石:

誰もいない夜の職員室。

ノートの山の間で、古びた携帯が小さく震える。

白石は画面を見て、ゆっくりと眼鏡を外す。

「来年か……ふむ、課外授業には丁度良い。」

その声は、どこか嬉しそうだった。


***


再び屋上のスマートフォンに戻る。

雨は上がり、夜空の雲が裂ける。


雲間から——黒い月が、静かに顔を出した。

その光を受けて、スマホの画面が再び明滅する。


『議題:次なる世界の定義について』


風が吹き、画面の光が闇に溶ける。

それはまるで、次なる“円卓”の招集を告げる灯火だった。


——そして世界は、また静かに、動き出す。

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