終幕 ― 「闇の再起動」
闇が、世界を飲み込む。
朝の残光が消え、画面がゆっくりと黒に溶けていく。
——そして、微かな雨音。
静寂を破るように、ぽつり、ぽつりと降り始めた冷たい雨。
場面は、夜。
濡れたアスファルトがネオンの光を映し、赤と青の幻想を滲ませている。
ビル群の中で、ひときわ高い廃ビルの屋上。
風が鉄骨を鳴らし、旗の切れ端がはためく。
その中央——
かつて彼らが集った“円卓”が、再び姿を現していた。
錆びた床の上に、重々しく存在する黒い円卓。
椅子は五脚、きっちりと配置されている。
まるで“次の会議”のために、誰かが準備したかのように。
しかし、そこに人影はない。
風だけが出席者のように、椅子の間を吹き抜けていく。
雷鳴が遠くで鳴った。
その閃光が一瞬だけ、円卓の中央を照らし出す。
——そこには、一台の古びたスマートフォンが置かれていた。
液晶は割れ、画面にはかすかなノイズが走っている。
それでも、確かに“何か”が映っていた。
薄く光る文字列。
『会議ログ:Re:define/続編準備中』
次の瞬間、画面がフッと暗くなり、
モニターの中で小さな“黒い羽根”がひらりと舞い落ちる。
風が強く吹く。
雨粒が円卓を叩く音が、どこか懐かしいリズムを刻んでいた。
——世界が再び、目を覚まそうとしている。
そして、その夜の闇の底で、
誰にも見えない“通知ランプ”がひとつ、赤く点滅した。
【次回会議:黒き月の夜に再開】




