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中二病円卓会議 ― 闇と光の狭間で ―  作者: 南蛇井


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31/35

終幕 ― 「静寂の余白」

朝焼けの光が街の端から端まで染め上げていく。

割れたガラスにも、崩れた屋上にも、

すべての傷跡に黄金の光が流れ込み、世界はまるで何事もなかったかのように息を吹き返していた。


——そして、光が頂点に達した瞬間。

世界は、静かに幕を下ろすように暗転した。


音が消える。

風も止まり、鳥の声すら遠ざかっていく。


やがて、薄闇の中に浮かび上がる一つの光景。

そこは、かつて彼らが集った“円卓会議室”。

整然とした机と椅子。壁にかかる時計は止まったまま。

誰もいないのに、どこか“つい先ほどまで誰かがいた”ような温度だけが残っている。


テーブルの中央には、一枚の白紙カード。

黒封筒の破片の上に、静かに置かれていた。


風もないのに、そのカードがわずかに震え、

表面に金色の粒子が走る。


光が線を描き、言葉になる。


『世界は、定義され続ける。』


その一文は、まるで“誰かの意思”がまだそこに在るように、

淡く脈動していた。


静寂。

けれど、その静けさは死ではない。

むしろ、“次の呼吸”のための一拍の間のようだった。


窓の外を見ると、奇妙なことが起きている。

朝焼けの光が再び淡く滲み、

空の色が少しずつ――夕暮れに戻っていく。


時間が巻き戻っている。

現実と幻想の境界が、また溶け始めている。


だが、恐怖はない。

それは滅びではなく、“続き”の気配。


円卓の上のカードが、最後にもう一度だけ光を放った。

その輝きはまるで、誰かが微笑んだような優しさを宿していた。


——そして、再び、世界は静寂へと沈む。


「……世界は、終わらない。定義され続ける限り。」


誰の声とも知れぬその呟きが、

無人の会議室に、微かな残響を残して消えていった。

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