第5章 真理 ― 「汝、なぜ夢を見るのか」 4.真理の啓示 ― 「Re:define=再生の儀」
静寂の中、アオイがそっとポケットに手を伸ばした。
指先に触れたのは、一枚の白いカード——『Re:define』。
先ほどまで銀色の文字が刻まれていたはずのそれは、今やまっさらな白紙となっていた。
彼女はそれを円卓の上に置く。
すると、不思議なことに、空気が震え、紙面に黒いインクが滲み出すように“言葉”が浮かび上がっていった。
『中二病とは、想像し、傷つき、なお夢を見る者の名である。』
その一文が刻まれた瞬間——
白紙は眩い光を放ち、会議室全体を白い輝きが包み込む。
床の中心に、円を描くような光の輪が出現する。
白い円環。
それは“再定義”の象徴であり、幻想と現実を結ぶ新しいゲートだった。
ミスターXが、その光の中に歩み出る。
光と影が彼の体を溶かし、粒子のように空へ舞い上がっていく。
「ようやく……名前を得たな。」
「俺は“恥”でも、“病”でもない。」
「——“想像”という名の生き物だ。」
その声は穏やかで、どこか嬉しそうだった。
彼の輪郭が完全に光の中に溶けると、円環は静かに脈動を止め、
残されたのは柔らかな白光と、四人の呼吸音だけ。
真夜が呟く。
「……これが、“再定義”か。」
アオイは微笑んで答える。
「ううん、たぶん“再生”。
だって想像は、何度だって生まれ変わるんだよ。」
光がやがて薄れ、外の夜明けが差し込む。
その光は、まるで——
彼らの心に再び“夢”が宿る瞬間を、祝福しているかのようだった。




