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「おい、まだ寝ぼけてんじゃねぇの?」

横からナズナがひょいとアリスの腕を突いた。


「寝ぼけてないってば!」

アリスはむっとしながらも、わざと大げさに腕を振り払う。


「ほらほら、昨日のあのドジの話、もうみんなに広め──」

「やめて!」

思わず笑いながら、ナズナの口を手で押さえた。


前ならただ“嫌なやつ”にしか思えなかったはずなのに、

今はその軽口すら、少しだけ心をほどく感覚があった。


そんな二人を横目に、ツクモが静かに口を開く。

「今日から、組み合わせを変える。

 アリスはミオと組め」


「え?」

アリスは思わず聞き返した。


ツクモは淡々と続ける。

「同じ相手とばかりだと、見える景色も偏る。

 次はミオから学べ」


ナズナがすかさず口を挟む。

「はいはい、つまりアタシはお役御免ってわけね」

わざとらしく肩をすくめるが、その表情は少しだけ笑っていた。


「別に捨てたわけじゃない」ツクモは軽く首を振る。

「お前たちはもう大丈夫そうだ。だから、次の段階だ」


アリスは少し戸惑いながらも、

ナズナの横顔を見て「……うん」と小さくつぶやいた。

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