エピローグ
「おお!召喚が成功したぞ!
なんと可愛らしい……聖女様。」
この王都で1番の城の王座の広間で、ひときわ大きな魔法陣が描かれていた。
それらを囲むようにたくさんの魔法使いの力を注がれ光ったあと黒髪、黒目のスーツを着たあどけない感じをしたふわふわとした髪をポニーテールにした可愛らしい雰囲気のOLと場に相応しくない女がそこに座り込んでいた。
「ここは……どこ……」
スーツを着た女は周りを見渡し、キョロキョロしてる。
王座に座る王が、ニコニコとしながら
「ここはアレベール王国、魔法使いの王国。
あなたは聖女として選ばれたのだ。
どうか「瘴気」を払い、この国を支えて欲しい。」
女はキョトンとした顔から輝くような顔になる。
周りを見渡し、小さな声でこういった。
「『ドキドキ♡魔法使いと不思議な恋』に転移しちゃってこと?え!嬉しい。」
その言葉を私は聞き逃さなかった。
女は突然キラキラした顔を青ざめさせた。そして周りを勢いよく見渡す。
そして立ち上がり、大きな声を出す。
「あの!!!!!女の子!小さな女の子が!一緒に来たはずなんです!私下に落ちる瞬間慌てて小さな女の子を抱きしめてしまって!」
その言葉に王は困惑した顔をしている。
そう周りには数々の魔法使いしかいないのだ。この空間に小さな女の子が入ればすぐに気づくだろう。
「そのようなものはおらんが……聖女ではないと元の世界に返されたのだろう。」
その言葉に女はほっとした顔をしている。
その後王と会話を続け、魔法使いの中ひときわ目立つ見た目の王に似た男を紹介され赤面しながら去っていった。
『ドキマホ』のゲーム攻略者なのだろう。
数々の魔法使いが役目を終え、おのおの去っていく姿を眺める。
ヒソヒソ話声が聞こえる。
「魔力カスなあいつなんでここにいるんだろうな?この世界では魔力少ないやつは人権ないのになー。」
「保護者の魔女が、召喚にかかわるから連れてこられたそうだよ。いーよな!」
「なんでギルドもクビにならないんだろうな。」
私宛の悪口を聞きながら、師匠を探す。
私は小さな女の子は元の世界に帰れなかったことを知っている。
その小さな女の子は
魔力ゼロのままこの世界にとどまっているのだから。