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ヲタッキーズ163 元カノ戦隊

作者: ヘンリィ
掲載日:2023/12/24

ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!

異次元人、時空海賊、科学ギャングの侵略が始まる!


秋葉原の危機に立ち上がる美アラサーのスーパーヒロイン。

ヲタクの聖地、秋葉原を逝くスーパーヒロイン達の叙事詩。


ヲトナのジュブナイル第163話「元カノ戦隊」。さて今回は、人類至上主義者によるスーパーヒロイン殲滅計画が発覚。ヒロイン達に戦慄が走ります。


しかも、懸命の捜査の末に突き止めた計画の首謀者が、ヲタ友のママと判明した時、既に運命のガス弾頭付きミサイルは電気街の夜空へと発射され…


お楽しみいただければ幸いです。

第1章 元カノ戦隊"ミレン5"


ミユリさんが丸鶏を焼いてる…"雷キネシス"でw


「何度見ても飽きないわ。ミユリ姉様の"雷キネシス"って光線の色が美しい。もうアート!」

「紫の光は高貴(ノーブル)の証。いつもエレガントな姉様にはピッタリょ」

「その姉様のTO(トップヲタク)"が、何でヨリによってテリィたんなの?」


余計なお世話だw


御屋敷(メイドバー)のバックヤードをスチームパンク風に改装したら居心地良くて常連が沈殿、回転率は急降下でメイド長(ミユリさん)はお冠だw

ましてや今宵は、勝手に身内でクリパー(Xmas女子会)やってる。ミユリさんはキメ技ポーズの必殺光線でローストチキン焼いてるし←


女子会だけど僕は…みんなの元カレなので御招待←


「私から話すわ!私がソレとなくスーツの凄さを持ち出す」

「コスプレショップの器用な誰かが作ったのって?」

「提案してるのは私。だから、私から話すw」


僕は戸惑う。


「おいおい。何の話だょ?」

「元カノ同士で秘密はマズいって思うの」

「だから、今カノの姉様には打ち明けようと思うんだ。"元カノ戦隊"のコト」


"元カノ戦隊"?何ソレ?美味しいの?


「何だか知らないけどダメだ。却下。今夜は僕からスゴく大事な話がアル。邪魔すんな。そっち系の話題は禁止だ」

「スゴく大事な話?まさかXmasイブにプロポーズ?らめぇぇぇ!テリィたん、ソレこそ絶対ダメょ。私達、もう待てないし」

「みんな、どーしたの?」


げ。ミユリさんだw


「だ・か・ら!ミユリさんのローストチキンさ!な?」

「YES!姉様、ローストチキンは焼けたの?私は去年のXmasパーティで姉様のローストチキンのトリコになったわ!」

「伝統を感じました!田舎のおばあちゃんが作るお節みたいに…」


ココで"潜り酒場(スピークイージー)"のドアがノックされる。


「あけましてXmas!」

「ダバス博士?!ご無沙汰です!」

「まぁ。コチラがミユーリのたくさんのお友達?」


入って来たのは、銀髪に太腿も露わな占雲術師w


「私の大叔母さん。育ての親ょ」

「どうも。ダバス博士」

「イラザと呼んで」


僕は、このイラザが大の苦手。何しに来たンだょw


「素晴らしい占雲術師だそうですね。やっとお会い出来ました。ところで、占雲術って何ですか?」

「え。テリィたんたら、イラザ大叔母さんに気がアルの?」

「何でそーなルンだ?あり得ナイっしょ」


ところが、元カノ達は容赦ナイw


「見て!テリィたんが言い寄ってるわ!」

「ミユーリの育ての親だから仲良くしたいだけょ。点数を稼ぐつもりね。つまり、テリィたんはミユーリが好き。私には、わかります」

「はいはい。わかったわ、大叔母さん。じゃみんな席について。ダバス家の伝統は、食事の前に順番に感謝の言葉を述べるの。OK?じゃ誰から始める?」


全員(半分はメイド服w)が一斉に立ち上がるw


「じゃあ私が」

「いや私ね」

「待って。私でしょ」


混乱?を制して、僕が口火を切る。元カレ特権だw


「僕は、先ずミユリさんに感謝を伝えたい。僕は、理解ある推しに恵まれた。ソレはミユリさん、君だ」

「キャー!」

「待って。私からも一言。私達も姉様に感謝してる。いつでも親身になってくれた。姉様に出会えて世界1ラッキーょ」


満面の笑みを浮かべて、立ち上がるミユリさん。


「じゃ私ね。感謝したいコトがいっぱい。私が、こんなにありのママでいられたコトは、今までにナイわ。ソレには理由があってね。ソレは…その理由は…」


突然カウンターの上に赤い稲妻が走る!目の前の空間に切れ目が走り"光のBIGBANG"が起き、鼻血を噴くメイドが…


"リアルの裂け目"だ!突然現れ、忽然と消えるw


「…秋葉原のクリパーって、いつもこうなの?」


第2章 殺人蒸気"ペスト"


パーツ通り地下にあるSATO司令部。


「コチラ、コンピューター衛星"シドレ"です。"秋葉原マンハッタン"で"マイクロ級リアルの裂け目"発生。ブルーのレッドの4」


南秋葉原条約機構(SATO)は、アキバに開いた"リアルの裂け目"から降臨スル脅威に対抗するために結成された秘密防衛組織。

僕の推しミユリさんが率いるスーパーヒロイン集団ヲタッキーズは、SATO傘下の民間軍事会社(PMC)で、僕がCEOを務める。


僕は、レイカ司令官にボヤく。


「昨夜は"潜り酒場(スピークイージー)"にリアルの裂け目が出現しちゃって大騒ぎだった。まぁお陰で去年ほどじゃないけどクリパー、盛り上がったけど」

「全部"シドレ"でトレースしてたわ。"マイクロ裂け目"が発生したのね。原因は?」

「マルチバースの誰かがミユリさんのローストチキンを食べたかったンだろ」


"シドレ"はコンピューター衛星。この"シドレ"が"裂け目"発生を探知スルと直ちにSATO全ステーションに急報。


「今、時空の亀裂を作る粒子をスキャンするシステムを開発中ょ。完成すれば"裂け目"の発生を予測出来る」

「そしたら、SATOで"リアルの裂け目"予報をやるスタートアップでも立ち上げて儲けよう…さあXmas休暇は終わりだ。リリアの狙いは何だ?」

「リリア…またの名を"紅き死の頭巾(ずきん)"ね」


リリアは、ヲタ友のママで、マルチバース制服を企む悪の女幹部。マリレはヲタッキーズメンバーで"時間ナヂス"だ。

"時間ナヂス"は、1945年、陥落寸前のベルリンからタイムマシンで秋葉原に脱出して来た"最後の大隊(ラストバタリオン)"の連中。


あ、彼女は国防軍でナチじゃナイょ念のため。


「恐ろしいことを企んでルンだろーな」

「リリアは、悪企みが大好きだから…娘のスピアは知ってるのかしら」

「僕が確かめるよ。何ならリリアの盗聴とハッキングも頼んでみるけど…いいや。やっぱり、直接会って答えを引き出すのが1番だな」


レイカ司令官は半信半疑。因みに、彼女は月面基地時代のカラダの線がモロ出る銀ラメのコスモルック&紫ウィッグだ。


今となってはレトロフューチャーw


「テリィたんに出来るかな?」

「おいおい。僕はSF作家だぜ?次作のためのリサーチとか何とか話して、聞き出してみるょ。僕だってやる時はやる(やらない時はやらないがw)」

「そうね。じゃお願い」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


御成街道架道橋の下。地下にある"闇のゲーセン"。


「テリィたん、何のリサーチ?私、次の作品に登場スルの?」

「うん。まぁな。時代の旗手とその母親って設定さ」

「私と母親の関係なんて、リサーチしても面白くないわょ?」


そう逝いながら、早くも舞い上がってるスピア。

彼女はハッカーで僕の"元カノ会"会長を自称w


「適当に美談にしてくれて良いけど、私は期待ハズレの娘だった。母とは衝突ばかり」

「どんなコトで?ハッカーになったコトとか?」

「ママは、私のサイバー屋商売とは無関係ょ。私が世界征服路線からドロップアウトしたので」


急につまらなそうな顔になるスピア。地雷、踏んだかなw


「だょな!スピアは、アキバに貢献したいっていつも話してたょな。もう自慢の娘だろ?」

「だと良いけど。ねぇ大事なハッキングがあるの。リサーチは今度にしない?そしたら、スク水がトレードマークになった理由とか歌っちゃうけど」

「(知ってるょソレw)え、そっか。じゃ」


僕を笑顔で追い払ってから、スピアはスマホをとる。


「あ、ママ?何なの?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


手ぶらでSATOに帰れないので"スーパーヒロインカフェ"に御帰宅スル。メイドが全員スーパーヒロインのカフェだ。


「おかえりなさいませ、TO(トップヲタク)様。何かお飲みになる?」

「no thank you」

「ごゆっくり。貴方、常連なのね。お酒の代わりに私はどう?」


セーラー戦士系のコスプレだが、実際の"覚醒パワー"がテレパスかもしれないから、対テレパス用ヘッドギアを被る←


妄想を読まれたら恥ずかしいからなw


「光栄だけど…でも、別の"推し"を探してる」

「あ、そう。私、貴方にTOになって欲しかっタンだけどな。残念」

「どの道、僕はハズレさ…あ、あれれ?」


ロングスカートの"赤頭巾ちゃん"がお出かけして逝く。

アレは…後を追う僕のいたテーブルの下に蒸気のボンベw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「赤頭巾ちゃん、こんな夜に…」


人影の無い地下アイドル通りで声をかける。振り向いた女の顔は…リリア?あ、と思った時には壁に叩きつけられてるw


「何者?SF作家?あ、テリィたんか!」

「職業まで良くわかったな"紅き死の頭巾"!」

「だって、頭に描いてアル!」


僕のヘッドギアには"SF writer"の文字w


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


"スーパーヒロインカフェ"。さっきまで僕のいたテーブルの下にボンベが隠されている。

やがて、赤い蒸気が噴き出し店内に満ちるや、ソレを吸った人々がバタバタと倒れて逝くw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


一方、裏通りで、僕が"紅き死の頭巾"にボコボコにされていると、激しく咳き込みながら、ヒロイン達が逃げて来るw


「早く逃げて!」

「何だ?どーした?」

「スーパーヒロインが全滅よ」


僕を口説いたセーラー戦士もバッタリ倒れてピクつくw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


SATO司令部メディカルセンター。


「僕なら元気だ。片手で1000回は腕立てが出来る」

「口から回復するトコロがさすがだけど"スーパーヒロインバー"で浴びた物質が外に広まったら大変だから貴方は隔離します」

「え。隔離?そんな殺生な。問題はどんな物質を浴びたかだょな」


仲良くなったナースとか会えなくなるのかなw


「一体何が起きたの?」

「だから、話しただろ?モノホンの紅き死の頭巾を見かけて、外まで追っかけたら逆襲されて闘ったらアッサリ負けた。そしたら、カフェからヒロイン達が大勢逃げて来て…みんな死んだ」

「小学生の作文みたいな報告ありがとう。でも、紅き死の頭巾を追ったからテリィたんは無事だったのカモ」


頭をヒネるのは、万世橋警察署のラギィ警部だ。

横で相槌を打つのはムーンライトセレナーダー。


僕の推しミユリさんが変身してるスーパーヒロインだ。


「バーにいたスーパーヒロインは、全員死亡しました。他の腐女子は平気だったのに…パワーに"覚醒"した者だけを狙う武器なんて初耳です。大叔母さんの力を借ります。ヒロイン生物学が専門だから」

「占雲術師だったっけ?ま、確かSATOの科学顧問もやってたょね?犯人は逃げる。早く捕まえないと」

「待って。ムーンライトセレナーダーは外には出せない。スーパーヒロインが狙い撃ちされてるの。貴女も待機ょ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


御成街道地下の"闇のゲーセン"。


「わびしいわね」

「Xmas時期のサイバー屋ナンて、こんなモノょ」

「働き過ぎだわ」


スピアのブースをママが訪れる。

ママの正体は"紅き死の頭巾"w


「やけに優しいのね。いつも露骨に私を養子扱いするのに。ママはいつも兄さんを可愛がってた」

「そして、貴女は父親ッ子」

「嫉妬してるの?」


女親と娘の微妙な会話だ。男子には理解不能w


「悪くとらないで。私は子供を平等には愛せない。でも、スピアのコトも愛してたのよ。私なりにね」

「そうなの。ま、親子で社交辞令の交換はこの位にしましょ?今度は何を企んでるの?」

「あらあら。久しぶりに連絡をくれたから仲直り出来るかと思ったけど無理みたいね」


母親は溜め息をつく。


「SF作家が嗅ぎ回ってる。ヲタクのくせしてヤタラ鋭い時がアル。ママを調べてるわ。いったい何なの?」

「想像もつかないけど」

「ウソだわ」


アッサリ断言するスピア。


「あら。どーして、そう思うの?」

「ママが私を愛してるナンてウソに決まってる。でも、今日は会えて良かったわ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


SATO司令部メディカルセンター。僕とムーンライトセレナーダーは、廊下を挟んで向かいの部屋に"隔離"されてるw


マジックハンドで差し入れの人生ゲームを楽しむ。


「最悪だょ」

「お気の毒です」

「僕の番だけど、代わりにルーレット回して」


ミユリさんがマジックハンドで器用に回すw


「残念。監獄行きだそうです」

「既に監獄だし」

「直ぐに出られますょムクレないで。私のコト、好き?」


小首を傾げて上目遣い。ミユリさん、勝負に出てる?


「もちろん!大好きさ!」

「いいえ。別の意味の好きです」

「別の好き?何だろう?」


ミユリさんは、鉄格子越しに僕を見つめる。


「イラザ大叔母さんが話してました。テリィ様が大叔母さんに親切なのは、気がある女子の親族から点数稼ぎをしてルンだと」

「鋭いな。で?」

「私と…セックスしたいですか?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


SATO司令部。レイカ司令官が話してる車椅子にゴスロリの女子はルイナ。秋葉原D.A.(特別区)大統領の補佐官を務める超天才。


「レイカ、テリィたんの容体は安定してるわ」

「良かった」

「でも、間違いなく"ウィルス"に感染してる」


え。スーパーヒロインじゃナイのに"感染"?


「ヲタッキーズに伝染は?」

「ガス化したウィルスに直接触れなければ問題ナイわ」

「そ。一安心ね」


しかし、車椅子のゴスロリ女子は顔を曇らせる。


「テリィたんの血液中のウィルスを分析したトコロ、結晶性シアン化水素が検出された」

「結晶性シアン化水素?アウシュビッツで"最終的解決"に使われた毒ガスじゃナイの!なぜソレを紅き死の頭巾が?」

「ミユリ姉様。私、クリパーで"リアルの裂け目"が出現した時、鼻血が出てしまって…そうか、アレは私の血をゲットして、中に入るためだったのね!」


ヲタッキーズのマリレが話に割り込む。


「中に入る?何処の中に入るの("入るヒットラー"なんちゃって)?」

「北極要塞です」

「北極に…要塞がアルの?」


全員がマリレを凝視スルw


「YES。第3.5帝国の」


第3章 第3.5帝国"北極要塞"


1945年、ベルリンが陥落した時、ナチスの多くは南米へ、あるいは南極へ、さらには月の裏側まで逃げたとされる。

しかし、ソレらは全て欺瞞であり、実際は北極の氷の中に眠る浮遊大陸へと逃げたのだ。あらゆる"超科学"と共に。


マリレは"北極要塞"に入る。


「パイパ大佐、何があったの?」

「マリレ少将、北極要塞に侵入者あり」

「どこ?誰?」


空中を浮遊スル脚のないロボット"パイパ大佐"の回答。


「侵入者は貴女。破壊します」


"パイパ大佐"の目から出た赤い光線を浴びて吹っ飛ぶマリレ。直ちにロケットガール装備で空中戦を挑んで撃墜スル。


残骸と化した大佐の赤い目から光が消える。

代わりに現れたのはチョビ髭のホログラム。


「こんにちわ"気狂い電卓"さん」

「久しぶりだな、マリレ。ベルリン以来だが、何が知りたい?」

「"プロジェクト・ペスト"って?」


澱みなく回答が流れ出る。


「"プロジェクト・ペスト"は、帝国防衛プラン。ウィルス兵器システムだ。帝国防衛のために開発された」

「"気狂い電卓"さんがウィルスを作ったの?」

「蒸気省と軍事ギルドによる共同プロジェクトだ。スチーム以外のパンカーを攻撃するウィルスの開発が主眼。"ペスト"があれば、侵略されても敵だけを殺せる。帝国とスチームパンカーには無害だ」


マルチバースの何処かと話が混線しているようだ。マリレは頭の中でスチームパンクをスーパーヒロインに置き換える。


「でも"気狂い電卓"さんの仕事は、世界征服でしょ?」

「スチームパンカーが世界を征服スル。"プロジェクト・ペスト"は、完璧な兵器システムだ」

「そのシステムが…紅き死の頭巾の手に渡ったw」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


再びSATO司令部@アキバのパーツ通り地下。


「リリアは"ペスト"の製法を"気狂い電卓"からダウンロードして盗んだ。つまり、紅き死の頭巾は"ペスト"を作れる」

「スチームパンク以外のパンクスを殺せる兵器ね?」

「テリィたんはDNAが近いから感染したのかしら」


北極から戻ったマリレの報告を聞く。


「で、ルイナ。テリィたんは回復する?」

「今は免疫が戦っているけど、治療薬が見つからなければ危ないカモ」

「ねぇルイナ。貴女は超天才ナンでしょ?ウィルス関係のデータをダウンロードして来た。だから、必ず治療法を見つけてょ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


その夜の"潜り酒場(スピークイージー)"。


「そう…ねぇミユーリ。私に話があるんでしょ?」

「ないわ」

「ないけど…溜め息をつくのね。貴女は隠し事が下手」


カウンターを挟んでミユリさんをからかう大叔母さんw


「違うの、イラザ大叔母さん」

「テリィたんに関係あるコト?いつも、貴女は彼の話をしてる。なぜ私に話せないの?」

「話したら、大叔母さんは失望スルかなって」


控えめに探りを入れるミユリさん。


「貴女が秋葉原のメイドになったから、挙句スーパーヒロインに"覚醒"したから、私が失望スルとでも?」

「私に普通の人生を望んでた?」

「貴女の秋葉原のお友達が普通に見えると思う?私は、貴女達を見ていて"普通"が1番だなんて、ちっとも思わなくなった。ミユーリ。貴女は、スーパーヒロイン。特別な子ょ。いつも頑張ってる。だから、どんな貴女でも、私はミユーリを愛してるわ。さ、おいで」


温かいハグ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


万世橋(アキバポリス)に捜査本部が立ち上がる。


「"闇のゲーセン"より断然眺めが良いわ。だって、窓があって外には景色が見える」

「隣のビルの壁だけど?でも、私達が守るべき街(の一部w)が見えるって、モチベUPょね」

「地下に潜る前、私の部屋からも街が見渡せた。家の明かりや首都高を行き交う車…でも、結局私には何も見えてなかった」


スピアは、ママのために警察の動きをスパイしに来ている。警部のラギィは、ソレを承知で彼女を迎え入れているのだ。


「私、自分の両親は善良だと思ってた。でも、知れば知るほど見えてくるの、ホントの姿が。あの人の娘であるコトが恥ずかしい」

「ご両親も、それぞれの景色を守ろうとしただけょ」

「世の悪人は、全員がそう思ってる。私の両親は、秋葉原に死と破壊をもたらした」


ラギィは首を横に振る。


「ご両親が秋葉原にもたらしたのは"貴女"ょ」

「そんな…きっとルイナ達が治療法を見つけてくれるわ」

「そうね。とにかく"プロジェクト・ペスト"の阻止が最優先ょ。紅き死の頭巾を止めなきゃ!」


その時、捜査本部のモニターに突然ルイナの顔のドUPが出現!署のモニターをラボからハッキングして話に割り込むw


「"ペスト"をガス化スル方法がわかったわ!溶剤を見つけるの。地球で使えるのはアイソトープ4540…え。何、テリィたん?」

「ソレって神田花岡町にある1000万ボルト系の原子力"変"電所で炉内生成される奴か?」

「YES。テリィたん、アイソトープ4540が紅き死の頭巾の手に渡ったらお終いょ。ウィルスが広まり、スーパーヒロインは秋葉原から死滅スル」


ラギィが叫ぶ。


捜査本部(パレス)から全ユニット!神田花岡町へ!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


神田花岡町の第3新東京電力 花岡町"原子力"変電所。


「止まれ!武器類を放棄して投降しろ!」


ゲートのセキュリティが銃口がラッパ型に開いた音波銃を一斉に抜く。迫り来るのは…死んだハズのスーパーヒロイン?


ゾンビ?いや、死体に電極を接続しリモートで操られてるw


「ゲートを突破された!地下のコントロールルームへ退却スル…ぎゃ!」

「おい、どーした?応答しろ!…ん?エレベーターが降りて来る?退却して来た連中か?」

「ソイツは敵だ!ドアを開けるな!」


装甲ドアが溶け落ち目からデス光線を放つセーラー戦士が姿を現す!駆けつけた警官隊が音波銃の一斉射撃を浴びせる…


楽々と跳ね返すセーラー戦士(の死体w)w


「ダメだ!地下変電所内に侵入された!」

「コントロールルームを放棄スル!退却だ!」

「ちくしょう!歯が立たない!スーパーヒロインは何処だ?ムーンライトセレナーダーを呼べ!」


その時、破壊されたコントロールルームに消防士の1団が飛び込んで来る。彼等は消防士に偽装したSATOの特殊部隊w


「レーザーバズーカ、前へ!」


腰ダメに構えた筒から真っ白い光が飛び出しセーラー戦士の胸のリボンを直撃!さらに1発!セーラー戦士はフラつくw


「トドメだ!…離れろ、撃つぞ!」


その時、廃墟のようなコントロールルームに、突然赤い稲妻が発生、時空に切れ目が走って"リアルの裂け目"が開くw


「下がれ、アステロイダ!」


セーラー戦士が"リアルの裂け目"に倒れ込む。入れ代わりに"裂け目"からはデス光線が飛び出しラギィの胸を直撃w


「ラギィ!!」

「"リアルの裂け目"が消える!」

「警部が撃たれた!ラギィ警部、負傷!」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


SATO司令部。花岡町のモニター画像を確認スル。ムーンライトセレナーダーを囲んでヲタッキーズのエアリ&マリレ。


「結局アイソトープ4540は?どーなったの?」

「姉様、奪取に失敗したみたい。紅き死の頭巾も入手出来てナイわ。ソンなコトより姉様、テリィたんの容体は?」

「良くないわ。治療薬も見つからナイし」


マリレが口を開く。


「私が北極要塞で入手したデータにヒントがあるハズですが」

「確かにウィルスの製法と拡散方法は描いてあった。でも、肝心の治療はハナから想定してなかったみたいなの」

「スピアは?」


エアリの意外な指摘。


「え?」

「スピアのママがウィルスを合成したんでしょ?ママの仲間に聞けば何かわかるカモ」

「スピアは、スゴいショックを受けてた。とても聞けないわ」


消極的なムーンライトセレナーダー。首を振るエアリ。


「姉様。あのママは演技派ょ。人を騙すのはお手のモノ」

「いいえ。目を見ればわかるわ」

「テリィたんが死ぬカモの瀬戸際でしょ?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


結局、スピアを訪ねるムーンライトセレナーダー。

場所は"闇のゲーセン"。旧万世橋駅の地下空間。


「ムーンライトセレナーダー?珍しいわね。まさかゲーセンに遊びに来たワケじゃ…」

「頼みがアルの。スピアのお母さんを見つけたい」

「元カノの私に、今カノの貴女が頼み?」


嫌味ではなくて、全力でキョトンとするスピアw


「スピアのママは、紅き死の頭巾ょね?今回の黒幕なの」

「単刀直入にありがとう。でも、ホント?」

「マジょ。彼女は、秋葉原のスーパーヒロインを殺せる兵器システムを手に入れたの。コレ以上、犠牲者が増える前に居場所を知りたい」


すると、スピアは…明らかに不機嫌な顔にナル。


「貴女も同じね。正義を振りかざしている。貴女の、ご大層なTO(トップヲタク)もママを追い詰めた。確かにママは聖人じゃない。でも、かと言って悪魔扱いされる筋合いも無いわ。ねぇ私のコトも疑ってるのね?」

「親に幻滅するのは辛い。でも、私にはわかる。貴女は母親とは違う。彼女は冷酷で危険。でも、貴女なら同じ道を歩むコトはナイ。アキバは貴女を信じてるわ」

「ムーンライトセレナーダー、もう帰って」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ヲタクなら誰もが通院経験のアル"外神田ER"w

実は僕の転院先だが、何とラギィが担ぎ込まれる。


「デス光線をコンパクトのミラーで反射した?テクマクマヤコンかょ?悪運が強過ぎるだろ?」

「言うわね。それだけ、口が達者なら、テリィたんもガスの影響は消えたのね?」

「いや、瀕死だ。でも"新橋鮫"負傷の報に居ても立っても居られなくてさ。僕の大事な…元カノだから」


ラギィとは、前任地のNSC(ニュー新橋シティ)の頃からの知り合いだ。


「初めてテリィたんに"元カノ"と言われた時、私は絶対に違うと思った。今でも"今カノ"ナンだと。でも、内心モヤモヤしてたの。"元カノ"である自分にね。でも、コレがホントの私。今は幸せょ。だって、やっと自分自身になれたンだモノ。テリィたんは関係ナイ。大事なのは、自分がどう生きるか。だから…ありがとう」


僕は、うなずく。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


続いて、今度は僕の病室にスピアがお見舞いに来る。


「あれ?クノイチの分身の技を習得した?スピアが2人に見えルンだけど」

「そんなの習得してない。白内障が進んだンじゃナイ?」

「老化かw僕は死ぬんだろう?」


厨二モードで対応スル←


「らメェ!ソンなコト言わないで…必ず治療薬が見つかるハズょ!」

「良いンだ。どーせ今まで何度も死に損なって来た。タマには年貢を納めてみるさ」

「死ぬなんて絶対らメェ!ぜーんぶ私のママが悪いの」


スピアは涙目。厨二って需要がアルなw


「リリア?」

「違う。マリレが教えてくれたけど"ペスト"を作ったのはチョビヒゲの伍長ょ。あぁ!でも、そのせいでテリィたんが苦しんでいるなんて」

「君ってきれいだね…重荷を背負っているのに」


スピアの金髪(いつ染めたンだょw)を撫でる僕。


「気休めはやめて」

「あぁすごく綺麗だ」

「ごろにゃん」


キス。ハッカーは真っ赤になって慌てて周りを見回す。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


その日の夜。"闇のゲーセン"。


「1日の間に朝も夜も顔を合わせるナンて、まるで普通の親子みたいね」

「"プロジェクト・ペスト"のためにセーラー戦士の死体ロボットを送り込んだわね?狙いはアイソトープ。ねぇママは全ての黒幕なの?」

「あら。私に説教スルつもり?」


突っ張り合う母と娘。娘が折れる。


「…いいえ。ママの信念にも一理あるわ。必要なら手を貸す用意がアルし」

「あら。あっさりね」

「聞き分けの良い子でしょ?昔から」


スピアは、メタルのアタッシュケースを開ける。

中は、赤いアイソトープを収めたガラス容器だw


「ママの欲しがってたモノ。見直した?」

「意外だわ」

「もっと私を知るべきね」


第4章 クリスマスに赤い霧


パーツ通り地下のSATO司令部。警報が鳴り響く!


「こちらコンピューター衛星"シドレ"です。神田花岡町に放射線反応。先月、テロリスト"地球旅団"に強奪された"アイソトープ4540"由来の放射線と断定。SATO全ステーション、第1級非常体制。ブルーのレッドの4」


衛星軌道からの警告にSATO司令部は騒然だw


「例の"アイソトープ4540"が"闇のゲーセン"から動き出した!」

「マズいぞ。連中は"タイムズスクエア(ラジ館前の広場)"でウィルスをばらまく気だ」

「ガス化して大気中に放つなら最適ポイントだ。電気街全体に拡散してインバウンドも全滅スルw」


その時。司令部の全モニターがハッキングされるw


「悪夢が終わる。今宵、地球上の全てのスーパーヒロインが死ぬ。地球は人類のモノ。未来はヲタクのモノ。私は"地球旅団"紅き死の頭巾"」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


先ず"外神田ER"。


「ラギィ、逝くぞ!"タイムズスクエア決戦"だ!」

「テリィたん?ダメょ!ガスのせいでヤケになってるの?私もウィルスが…」

「死んでも構わない。だが、どーせ死ぬなら、信じる主義のために戦い、愛するアキバのために死にたい。ヲタクの手でスーパーヒロイン達の運命を変えてみたいんだ」


病棟の廊下をコツコツと歩く音。僕は振り向く。


「テリィ様は、逝かせません。ソレは、テリィ様に推された者の宿命ですから」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


続いてアキバのタイムズスクエア(ラジ館前の広場)


「こちらコンピューター衛星"シドレ"です。電気街"タイムズスクエア"に高熱源反応。正体不明の8輪重装輪車が後部ミサイル格納コンテナを発射体制に展開中。ブルーのレッドの4」

「何だアレは?」「鳥ょ!」「飛行機だ!」

「いや!"ペスト入りスーパーヒロイン皆殺しミサイル"だ!」


重装輪車横の発射管制盤の前で言い争う母と娘。


「スピア。ミサイル発射装置の(キー)を受け取って。貴女がホンキだとママに証明するのょ。この秋葉原からスーパーヒロインの脅威を一掃するの」


躊躇いなく管制盤にキーを差し込むスピア。


「私、ママの娘だから」


キーを回す。ミサイル格納コンテナから白い噴煙が噴き出して、ビルの谷間から夜空に向かってミサイルが発射される。


「遅かった?!ミサイルが発射されたw」

「おやおや。ヲタッキーズ、今頃お出ましかい?行け!死体ロボット!」

「ココは任せて!姉様はミサイルを止めて!」


タイムズスクエアに舞い降りたヲタッキーズを、セーラー戦士の死体ロボット(太陽系内外w)が取り囲む。

メイド服vsセーラー服。どちらもミニスカコスプレでヒロピンAVのクリスマス企画モノ的な豪華さだ←


「待て!ムーンライトセレナーダー、お前の相手は私ょ!」


ムーンライトセレナーダーは、発電器官が発達したヒロインで、自ら発電スル強電圧のイオンクラフト効果で空を飛ぶ。

発射されたミサイルに取り付き、外装を剥がし中の配線をショートさせるが…飛行原理不明の赤頭巾が追っかけて来るw


「待って!何で貴女も空を飛ぶの?作者は、も少し考えて設定を詰めてから飛ぶコトにすべきょ!」

「問答無用!えいっ!」

「何ょ!」


上昇を続けるミサイルを背に、悶絶しながら首を絞め合う!


「首の締め合い?ヒロピンの定番だけど、ムーンライトセレナーダーの弱点、腹パンチを叩き込めないわ!」

「上等ょ!地獄に送り返してやる!」

「アンタの言う通り、アタシは上等ょ!」


次の瞬間、ミサイルは大爆発!

夜のアキバに…赤い霧が降る。


「コレで秋葉原のスーパーヒロインは全滅だわ!」


高笑いスル赤き死の頭巾を逆さに抱え、そのママ急降下してラジ館前のアスファルトに叩きつける!

ムーンライトセレナーダーの必殺パイルドライバー!スクエアに大の字になってピクピクする頭巾w


「あぁ!ミサイルが爆発した!この赤い霧は…ペスト?」


電気街にいた者は全員、スーパーヒロインもヲタクも一般人(パンピー)も空を見上げ、降って来る赤い霧を満身に浴びる。しかし…


「おかしいわ。スーパーヒロインは死ぬハズなのに…アイソトープをすり替えたのね?ペストを無効にした!」

「そうょママ。ついでに、警察も呼んどいたわ」

「もはやコレまで。さようなら、スピア」


自爆でもスルのかと思ったら、赤い稲妻で時空を切り裂き"リアルの裂け目"に逃げ込む。逃げ足の速さは天下一品だw


「マルチバースに逃げ込まれた。追跡不能だ」

「テリィたん、大丈夫?」

「無事だけど… 僕より逃げ足の速い奴がいるナンてw」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


翌日のXmas Eveは、朝から冷たい曇天だ。


「ココは天国?」

「違うわ。ウィルスから治療薬を作るのに成功したの」

「全部ダバス博士のおかげょ」


"外神田ER"。暖かく快適な病室で僕とラギィ。


「とにかく、お互い治って良かった」

「私は、テリィたんの嫌いな大叔母さんのお陰ょ…ねぇこの前のコト、良かったら少し話さない?」

「ミサイルを止めた話か?」


意味深な目つきで僕を見上げるラギィ。


「そうじゃなくて。私達のコトょ。テリィたんが死にかけていた時…」

「あれ?僕は何かした?」

「え。覚えてナイの?」


すると、ラギィは割と明るい表情になって笑う。


「うーんヨダレ垂らしてた」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


最後のお見舞いは、僕の"推し"だ。


「ミユリさん?入って。パジャマでごめん」

「テリィ様、可愛い」

「イブの遅い時間にどうしたの?」


メイド服のミユリさん。


「仕事ではなくて…どうしてもテリィ様とお話ししたくて」

「何かあった?」

「下手したら、私達スーパーヒロインは、イブの夜に死滅していたカモ」


うーん恐ろしい話だが、その通りだw


「でも、もう大丈夫さ」

「そうだけど…つくづく思ったの。テリィ様の"推し"になれた時、ソレならソレで良いと思ったの。でも…人生は短い。だから、せめてイブは、自分をごまかしたくナイのです。つまり…キスしたい人にキスをする。私は、今、テリィ様にキスをしたい」

「僕もだ」


ミユリさんの長い黒髪を撫でながら、実は苦手なキスw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


冥王星沖。時空60万マイル。


「マスターミストレス、時空波動帯垂直跳躍に成功。本船は"ヲタクの泉"に到着しました」

「だから?」

「…第3皇女の脱出カプセルは無し」

「見つけなさい」

「時空ステルス解除。イオン航跡をトレース」

「種を滅ぼし、星を砕いても構わない。時空の果てまで旅してでも"ミユーリ"を見つけ出すのょ」



おしまい

今回は、海外ドラマによく登場する"人類至上主義"をテーマに、ヒロインの大叔母さん、ハッカーの母親、護衛ロボット、殺されてロボット化されリモートで操られるセーラー戦士、ヒロイン殲滅計画を追う超天才や相棒のハッカー、ヲタッキーズ、敏腕警部などが登場しました。


さらに、人類至上主義者とスーパーヒロインとの確執などもサイドストーリー的に描いてみました。


海外ドラマでよく舞台となるニューヨークの街並みを、すっかりインバウンドの街と化した秋葉原に当てはめて展開してみました。


秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。

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