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冬に死んだ女  作者: ツヨシ
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平凡な女子大生が殺されたのは、冬だった。

古明地と言う名の女だ。

細い路地の一番奥にある下宿先の安アパートの前で。

住民以外は誰も来ないような場所だ。

死体を見つけたのも郵便配達員だった。

撲殺で、頭が完全に割れていたそうだ。

その後、近くの小川で凶器と思える金属バットが見つかったが、しばらく流水にさらされていたそれには、犯人の特定につながるようなものはなに一つ残されていなかったと言う。

もともとは安アパートの住人の一人が外に置いていたものだが、持ち主は犯行時間には工場で働いており、本人はもとより同僚たちの証言もあり、完璧なアリバイがあった。

そのほかの住人も全て業務中で、平日の昼間と言うこともあって、古明地以外社会人である全員にアリバイがあった。

そう言ったわけで、警察は鴨志田の所属する映画サークルに目をつけてきたのだ。

サークルには殺された古明地もいた。

そしてサークルには殺された女子大生、古明地のことをよく思っていない人が数人いた。

まず川北。サークルの主催者で、年齢は三十代後半。

彼は古明地に好意を寄せて年齢差も省みずに古明地にちょっかいを出し、見事にふられていた。

そして宍戸。古明地や鴨志田と同じ大学生だが、これまた古明地に、手ひどいふられ方をしたそうだ。

そして四十代後半の女性である、宮古。

映画サークルと言えば「あの映画おもしろかったね」「あの映画、感動したよ」という会話が中心となるはずだが、宮古は違っていた。

とにかく名作、大作を問わず、すべてにケチをつけるのだ。

宮古の言いたいことは、みんなわかっていた。

あの映画、この映画にケチをつけられる私ってすごいでしょう。と言いたいのだ。

ただマウントを取りたいだけ。

だから映画につけるケチも、みなが「はあっ?」というような訳の分からない内容だった。

ようするに宮古は、いつでもどこでも自分が中心でないと気が済まないのだ。

もちろんサークル仲間からは本人の思惑とは逆に、煙たがられていたが。

そして宮古が一番気に入らないのが、古明地だった。

主催者の川北、それに宍戸に気に入られていたからだ。

川北も宍戸も、ふられた後でも古明地に媚びを売っているような態度をしていた。

裏では二人とも、くそみそに言っていたのだが。

そして、「どすこい」と「エイリアン」。

どすこいもエイリアンも女子大生だが、あだ名のとおりの容姿で、なかなかに個性的だった。

女優やグラビアアイドルとまではいかないが、平均よりは明らかに容姿もスタイルも良い古明地には平均以下の彼女らは、完全に負けていた。

おまけに明るくて柔らかい性格の古明地とは違い、二人とも陰気で陰湿だった。

当然男受けなどいいはずもなく、その反動で古明地のことをよく思っていなかった。

自分たちのことは全て棚に上げて。

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