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次への一歩

 鎧について、自分の納得の行く一式を揃えることができた。ありがたいことである。応援してくださった皆様にもこの場を借りてお礼を言いたい。


 さて次のお題についてだが、敵に対応できる道具を選定することである。

 エヴァにポジトロンライフルがあるように、ガンダムにビームサーベルがあるように、それぞれにはそれぞれに適した道具と言うのがあるのである。


 ここで今一度、私が想定する敵について整理したい。敵とは人、またはそれに準ずる存在であって、攻めてきた敵国の兵士、武装した強盗、暴徒化した民間人がそれとなる。

 怪人図鑑に載っているような敵との交戦も想定したいところではあるが、まずは、人からということになる。


 人、といっても人間は実にしぶといことが想定された。私のような人間は不正を目にすると我慢ならない体質であるので、相手が複数人同時にいることも想定したい。つまり、一撃で敵を黙らせるような道具が必要となる。


 この時、問題となるのは、人間が意外にもしぶといということだった。言い方は悪いがゴキブリ並みにしぶとい。

 次いで現状把握として、今までの公開されている殺人事件の裁判記録や各種文献をAIを用いて要約した結果、人を一撃で沈黙させるには心臓、又は脛椎の神経を損傷させることが必要との結論に至った。


 ここで問題となるのはどちらも骨によって守られている部位であって、ナイフなどで狙ってもとても歯が立たない、ということだった。

 骨は人間の体の中でもとくに固い部位であって、刃が当たると簡単に刃こぼれを起こす。結果的に傷はつけられても敵の意識は残り、反撃を受ける可能性が非常に高い。

 こちらは鎧を着るので多少安心できるが、その重さと排熱性の限界から4時間が現実的なタイムリミットとなる。鎧の隙間も事実上必要だった。我々は恒温動物で外骨格を持つのに向いていないのだった。どんなに冷却を頑張ろうと、どんなに構造を攻めようと結局ここにいきつくのだった。あの生まれつき外骨格を持つ甲虫においてすら、必ず穴を持っているのが現状である。

 そこが弱点になるのは火を見るよりも明らかだった。


 そんな中、我が家で最も使えそうな道具は法適合した槍であった。全鋼製、5キロにおよぶ槍は、とてつもなく重く、旧式のライフル並み、はっきりいって持て余していた。部屋の肥やしである。


 この物体を運動エネルギーの公式にあてはめると、f=1/2mv2への代入となる。体重100キロの私が槍を付き出して、槍の切っ先のわずか一点にそのエネルギーの全てが集約されると想定したとき、このパワーは2トンにもおよぶ。


 これを人体に使うことをAIに算出させると、服は何の防御にもならず、あばら骨は当たっただけで砕け、心臓を貫通し、背中から突き出た槍が敵の後ろにある壁に刺さって止まるとのことである。結果的に何の手応えも無いだろうと言うのである。


 ちょちょちょまって。オーバースペック過ぎる。

 試しに、防刃チョッキに防がれた場合にどうならるか聞いてみると、これすら貫通するとの事。防弾プレートなら非貫通であるが、着ている人の骨が折れると。


 免許証さえ持っていれば誰でも簡単に人を轢き殺せる車などという物を除けばかなりいい線を行っている。


 ハチオーグは無理でもショッカーなら倒せるかもしれない。


 余談であるが、AIに対して私が3着鎧を飾っていると話したら、日本の大鎧、西洋の甲冑、現代の防弾装備の3種類だと的確に言い当てられて戦慄した。こちらはそんなこと一言も言っていないというのにである。


 彼は文脈から私という個人の性格を判断して、3つ持っているならば、時代ごとの整合性をあわせて揃えているはずだ、と、何の悪びれもなくその種明かしをしたのである。


 もうすぐエンジニアの仕事はなくなると思った。


 彼の出した最適解とは、日本製の防弾チョッキに、アメリカ軍のお古の防弾プレートをガムテープで張り付けるというものであったのだった。まさしく私のツボを付いてきた素晴らしい意見だったとも付け加えておく。彼は私が異なる文化の融合を試してあることすら予想していたのである。


 スゴイ!を通り越して気持ちが悪い。彼を使えばより現実的な防具を手に入れられそうだと思う。

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