研修
行きたくない、行きたくないと思っていたら、なんと新人研修を受け持つことになりまして、大丈夫かなと思う。
私、変な設計しかしていない。なんなら、鎧の設計を仕事の合間にこっそりやっているような人間だった。
案の定である。研修にて自分の個人領域の図面を呼び出してきて「これはこうやって書いたら良いんですよー」なんてやっていたら、私のバカ、おもいっきり違うフォルダを開いた。
名前はテストファイル。ここに構想したあれやこれやが入っておりまして、画面いっぱいに鎧の図面が。
あ、終わった。
焼き入れ硬度まで指定した図面が、3Dモデルの斜指図まで添付されて、どういうことかというと、添付つきのイラストありで、もう、どう見ても終わりです、ありがとう。
新入社員は優秀な大学出の秀才で、当然図面を読めるだけの能力持ちであった。アババババ。何しろ、私は後輩君に「剣道やられてるんですか?」などと飲み会にて聞かれる始末であるのでもう、どうしようかなという感じだ。
会社の寮の庭で鎧を溶接して作ってたので、課長にも「会社の名前が入ったところでそういうことされると変な会社だと思われる」と釘を刺されているし、もう、脇汗びっしょりだった。
ついでに、私はあまり人前に立つのが得意じゃなかった。
そんな状況であるのに新人君は目をキラキラさせて「わぁ!こんな商品もあるんですか!」って
違うよ。これは私の趣味だよ。ともいえる分けなく、「これは特殊機なんですよ~汗」何て言って逃げた。
私の専門はロボットと話していたからギリギリ逃げられたと思うよ。きっと大丈夫と思うのだがな。ガハハ。
ちょっと元気出た。また鎧頑張りたい。今日のご飯はジェルの10秒飯です。もっといい設計が出来ますように。そして、ボロを出して変な先輩だと思われませんように。ああ、私はヒーローになるのだ。道はまだまだ長いのだ。




