表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/96

ドライブ

私は、煽り運転をされるのが楽しみである。

 このような人も少ないと思うが、ついつい想像してしまうのだ。

 後ろから煽り行為をして来た車が自分の車の前に横付けして進行を妨害する。

 そして運転席のドアが開いて怒鳴りながら運転手が下りてくる。助手席からも人が下りてきて2対1だ。手にはバットのような武器を所持して、日本語らしい言葉を怒鳴り散らしている。


 私にはその言葉の意味が理解できなかった。ただ、感情をぶつけているだけのようなその言葉は鼓膜を揺らすが言葉として認識できない。程度があまりにも低く、本を読まない教養の低い人間だと知れた。

 それもそうだろう。相手が自分よりも大きいと想像する脳みそが足りていない。相手が、好戦的で毎日4時間も筋トレして筋肉痛にならない異常体質と知らない。

 そして、全身を鎧で固めた人間だということを知らない。


 ドアを開けて降り立った私の足はガチャリと石を踏んで金属音を立てた。馬の腹を蹴るための金具がくるくると回って、それに呼応するように手の中でフランジメイスが鈍い輝きを放つ。


 圧倒的質量。絶対的攻撃力。そして鋼鉄の壁のような防御。


 相手は戦うこともせず、すぐに車に逃げ帰って鍵を閉めた。

 エンジンが唸りをあげるが、パーキングに入っているのか、車は前に進まない。その間にも騎士はズンズンと近づいてくる。


 その冷たい鉄仮面の奥ではギラギラとした殺し屋のような目が輝き、口からは蒸気のように荒い息が漏れ聞こえてくる。


 振り上げられたメイスは確実に車の強化ガラスをとらえて粉々にくだけ散る。


 鎧を着ながら車にのると、ついね、こういう妄想にとらわれるのだが、誰も煽ってこないので平和な世界である。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ