面接に
私の本業は、産業用ロボットの設計者なのだが、あるときふと思った。もっとでかいものつくりたい。
数百億円くらいのやべーやつ作りたい。
設計者はわりと潰しがきくというし、どこも人手不足で転職の求人が多くあった。
ので適当に選んだ会社にメールを送るとすぐに返事が来た。
面接受けませんか。服装は自由です。
ふーんて感じ。私の場合、ちょっと変な人なので、まず最初に気にするのは、会社の社風のことだった。もっというと、私が自分で鎧を作るようなことをしていても引かない会社がよかった。
エントリー用のページの備考欄に趣味のことを書いたら、面接時に着て見せて欲しい!と返事があった(原文ママ。ビックリマークつき)
東京に会場があった。待合室には人が一杯いてむんむんとしている。緊張は別にしなかった。というよりも、どこで着替えようというのが一番心配だった。
コスプレの常識として、トイレで着替えてはいけない。なぜならトイレから別の性別の人が出てきたら怖いでしょう? そういうことが起きるので、ふつうはちゃんと登録をして着替えるのです。じゃあどうしよう、ということだった。
しかたなく部屋のはじっこで着替え始めると、みんなチラチラ見てくるのだった。
なんやおまえら。お前らの祖先だって着てたんやぞ。
しかもそのうち女子がいきなり「いや、いや」とか言い出してドン引きをしている。
そうか怖い人もいるのかと思って壁の方を見ていると、いきなり背中側をツンツンされた。
怖くて声が出そうになる。無視すると、今度はもっと強く叩かれた。東京の人間はこういう人もいるのか?マジ?こわい。
喧嘩や!と思った。まあ、普通に痛くもなんともないですけど。
「私!この会社には!思い入れがあって!」
なんかいきなり話し出された。どういうこと?と思っていると、これが、面接の一環だと思った人がいたようだった。
いきなり鎧を着た人がいる。では、どうするのかを観察するテスト。
そうだそうだと人々がぞろぞろ集まってきて囲まれた。
「いや、ちがくて。私も面接を受けに来たっていうか……」
「社長さんですか!?」
「いいえ違います」
なんか仲良くなった人とラ○ン交換などをする。受付の人もドン引き、面接には落ちたけれど知り合いが増えた。なんか作ってと言われた。何かって何だ。




