小さな巨人
現在、ネット通販で買える刃物にはろくなものがなかった。
事実、なんでも売っていることを謳った販売大手でさえ、何ページ更新しようと屑ばかり、あれでは突き立てて横に捻っただけで折れてしまうだろう。
申し訳ないが、私に言わせれば、あれらは消耗品、一晩もてばいいというような製品で、大量生産、大量消費が当たり前となった現代の掃き溜めのような場所だった。
そのナイフを見つけたのはオークションでのことだ。当時私は主武装となる槍が折れた時の予備を探していてたまたまそれにであった。
「なんだこりゃ。なんでこれがある?」
自分の目を疑った。それは二年前、必死になって探して、ついに見つけることのできなかった物だった。作者はなんのこともないように、さらりと説明文を書いていた。
『使い勝手のいいナイフを丈夫にしたかった』
私はなにも言えず落札した。
ナイフなのだが、それはずっと昔に無くなっていたはずの物だった。いや、正確にはあるにはあるのだが、細々と作られ、警察や軍隊向けに下ろされるだけで日本には入ってくるはずのないもの。
刃物の殺傷能力は、刃の長さで決まるのか。それはちがう。危険な刃物とは、簡単に隠せるサイズで、人の命を刈り取ることに特化したものだ。その6インチあまりの刃渡りは立派にその仕事をこなすが、それ以外の仕事が全然できない。
人殺ししか能のない刃物というのがこの世界にはあるのだ。大好きそういうの。
私はこの手の刃物を他に2本所有しているが、そのどれとも違う。ずっと探していた一本だった。
どういうものか見たければ、レインボーシック○シージ、サッチャーの紹介ムービーを見てくだされ。あれである。コスプレでも持っていけるようにシリコンと樹脂で複製する。
だって、そんなの持っている鎧武者って考えるだけでワクワクするじゃん?
手首の辺りからスチャッと抜いたりしたら濡れてしまうよ。




