メリークリスマス
皆さんメリークリスマス。
我が家にもサンタが来た!!
という訳で、今回は新しく仲間になった「骨断ち包丁」のご紹介です。
名前からも想像できる通り、包丁の形をした刃物です。タイミング、出会い、全て完ぺきでした!
これ、私がつけた名前ではなくて、もともと名のある刃物なのです。超かっこいい。
実は物凄く分厚くて、厚みが6.5mmもあるんです。一般的なキッチン包丁は1~2mm程度。厚み6.5mmとは、一般的な日本刀とほぼ同じ厚さなのです。化け物です。しかも作られた経緯が『獣の骨を断ち切れる包丁を作って欲しい』との要望に答えたからだとのこと。そうなるべくして生まれた個体。倉庫で眠っているにはあまりにもおしいではありませんか。
これ位大きければ山でもきっと通用することでしょう。包丁だから、くいっぱぐれなさそうでゲン担ぎにもよさそうだった。実際、鍋を背負っていた武将も言うというし、食って大事だ。
私がこの包丁を気に入ったのは刃渡り24.5cmの大迫力プラス、実際に鹿の大腿骨を粉砕しても全く刃こぼれしなかったという点。その見た目は、剣鉈と日本刀と包丁の間の子みたいな姿だ。
骨は自然界でかなり固い物質で、物質的に骨を構成するカルシュウムは金属の一種。だから日本刀でも欠けてしまうので腕のいい武士は、骨の隙間、軟骨を狙って切っていたらしいのですが、この「骨断ち包丁」全くそんなの気にしません。
骨なんて砕いてしまいますから。当然肉もスパスパです。
イノシシの毛皮をぶち抜いて胸骨を貫通し、心臓まで達する正に剛刀。
体の大きな私と鎧にはぴったりな組み合わせ。
よく、身の丈に合った刃物を持てと言いますが、私の場合、体が大きくて、普通の日本人向けの設計だと軽すぎたり、小さすぎたりして問題があります。そこで海外メーカーの無骨な業物を探していたおり、この包丁に出会いました。
これは、日本人が日本人のために作った化け物です!!
重さ680グラムもあります。500ミリペットボトルよりも重く、切っ先が長いので、もっと重く感じます。
いいじゃないか。ええ。気に入りました。
しかもなんと、これを作った人は動画サイトに試し切りの動画を上げていたのでした。実際に鹿の骨を叩き切る動画で、凄まじいい威力です。でも、こういうのって、動画用に作ったいいやつを使って撮っているんじゃないのって思うじゃないですか。
私も疑いました。
ですが、刃物には人間と同じように固有の姿というのがあるんです。指紋のような物で、一本一本その特徴は違います。この骨断ち包丁の場合、焼き入れの際に出来た文様が身に浮かんでいるのですが、それが全く動画の物と一致しました。
私の手元に来たのは、その骨を木っ端みじんにした化け物そのものでした。きっと作った方は何本もこの化け物を作っていないのです。恐らくテストも含めて数本、その内の一本です。
しかもこの刃物、日本刀と同じ「棟」を持っています。
痺れます。持っていて嬉しいです。はっきり言って”当たり”です。人と同じ物を使っていても何も面白くないですから。しかもこれは鍛造品。良い物は高い。でも作った人の魂が入るってもんです。相当こだわって作られた物です。「棟」は刃物にとって無くてもいい物なので、ほとんどの鍛冶屋さんではつけていません。余計に手間がかかるからです。つまりこれがあるということは、量産品ではありません。
この製作者は、海外製のやっすいナイフと骨断ち包丁を打ち合わせて勝負させました。すると、やっすいナイフは切り裂かれてめくれ上がり、ぐちゃぐちゃになってしまいます。それでも骨断ち包丁は小さなカケを起しただけ。
相手は合金鋼。人が科学で近年作り出した代表格です。それを食い破る日本人に鍛えられた鋼。嬉しいじゃないですか。
やっぱり私は持っているようです。この素晴らしき出会いに感謝を。皆さんにもいい出会いのあらんことを。




