アマテラスオオミカミ
仕事をしていてふと、アイディアが浮かんだ。次の鎧のアイディアである。
それは丸鏡を冑の飾りに用いたもの。
鏡、それは古来より神様の拠り所となる器である。
三種の神器と言えば、教育を受けた日本人ならば聞き覚えがあるのではないだろうか。その中の一つだ。
その鏡に関係する神様がいる。
天照大神である。この日本を隅々まで照らす太陽の神様だ。
この神様にはこういう伝説がある。
優しい天照大神がある日、ぶちギレて洞窟に籠った。すると世界は闇に包まれ数々の禍に見舞われた。
これは大変なことになった、と、日本中から神様がより集まり、知恵を絞った。天照大神を外に出さねばならない。
知恵を絞った神様達は、洞窟の前で楽しそうにはしゃいでみせ、それが気になった天照大神を誘い出すことに成功する。
この際出てくるのが鏡である。天照大神は、鏡に写った自分の姿を見て、皆が楽しそうに笑って見ていたものが、実に美しい姿をしていることを知る。もっと見たいと進みだしたところを捕まえられて世界に光が戻るのだった。『もう、籠られてはなりません』何て言われて。なんか可愛い方だ。
神様は自然のものを尊ぶ。故に、鉄と石で作られた『鏡』に写った歪みなき自分の姿を見たことがなかったのだ。
神の姿を写した入れ物。つまり、天照大神の御神体には鏡が用いられる。
八百万の神様の最も上の人がこの天照大神様である。
八百万というのは、数が八百万というのではなくて、途方もない数と言う意味。しかもこの神様達は、巨木や、苔むした岩、名のある山の神など多岐にわたる。その神様のなかで一番偉いのだ。
しかも、一般人が信仰することすら許されなかったため、貴族階級の学をもった人でさえ、天照大神がどこにまつられているのか、どんな姿であるのか分からなかったほどだった。
私は、この神様を兜にのせるのだ。何と恐れ多いことだろう。でも、こんなにたのもしい存在はいない。私は、この神様の力を借りよう。
天照大神は女性なのだ。日本の女性の神様の特徴は嫉妬深く、力強い。そして、何かを産み出す能力を持った神様だ。本物の男は女性からしか産まれない。
誰かの手を借りて作ろうとは思わん。材料は買ってきた。そして幸いなことに。
私は、設計者だ。物を産み出す人間だ。




