表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/96

脇差し

 武士というものは、刀を二本腰に下げております。


 飾りで二本下げているのではなく、長い方の刀が折れたり、曲がったり、欠けたりしたときに短い方の刀、脇差(わきざ)しを抜いて戦うというスペアの役割があります。


 合戦の場合、それは全く事なり、長い日本刀は殆ど役に立ちません。何故ならば、武士は硬い鉄の鎧を着ていますから、日本刀で何回切っても切れないからです。


 相手を打ち取るには、脇差しで鎧の隙間を狙って刺す必要があります。


 そのため鎧武者との戦い方とは時代劇よりももっと泥臭く、息のかかるような接近戦が多く起きたと言われています。その際に使用されるのは長い日本刀ではなく、短い脇差しなのです。


 実は私の鎧は既に脇差しをさげておりまして、これがまたいいのです!


 冷鉄という名前の海外のメーカーが作ったトレーニング用の木剣なのですが、商品名ボッケン、材料は樹脂。これを持ったとき、その玩具みたいなチャチさがまた可愛い!と思い腰にさげました。

 外歩くときに本物だと捕まるからです。しかし、これがまた鎧についていると本物に見えてくる!!おかしいな!ははは!


 僅かに反りをもった刀身は、先に行くほど細くなり、刺しやすいようにデザインされています。持ち手の鮫皮と負い紐の捻ったものが汗をかいた手でもすべらず、また、血がついた手でも滑らないのです!

 またこの曲線が……若いおなごのようでいいじゃないか。

 

 なんということか。私は日本人に生まれながらこれを握ったことがなかったとは。何10年、何百年と磨き抜かれた伝統の形。日本人による日本人のための刃物。


 みんなこれ買った方がいいよ!ちゃちいけれど、本当に打ち取る形をしとる……。手に持った感覚が本物に近い。Amaz○nさんで6千円くらいです……おすすめです……。


 しかも私は設計者なのだった。しかも、刀匠を知っている。


 実はこの日本、鎧を作る人は減ったけれど、日本刀鍛冶もまた、減っていた。世界で一番切れる刃物が今まさに消えようとしていた。


 金を落とさんとならん!!素晴らしい仕事に敬意を払って脇差しを一本打ってもらいたか!!


 今晩は設計終わるまで寝れん。

 火がついてしもうた。


 我が鎧はこれを望んでいたということだろうか。


 やはり、格好がつかんものなぁ。偽物ではなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 近距離戦、ほんの隙間を防ぎさえすればいいのが大鎧 説明を見て納得。鎧で防ぎ、自分の得物は攻撃にだけ使う。 馬鹿げた大きさの野太刀がありますが……あれも、奉納品だけじゃないと言われても、納…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ