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Hot brid  作者:
1/1

一巻 出会い

温暖化って知ってる?

今、世界問題になってるやつだよ。

―もし、未来が、酸性雨が常に降っていて、気温を40℃超えてたら、


君たちは、どうする?



2050年9月1日。

外は、雨が降っている。

打ち付けられる建物は全て溶けていく。

その中に、一つだけまだ形を保っている大きなビルがあった。

そのビルは、打ち付ける雨に抵抗するかのように雨をはじき返していた。

その不思議なビルから、一人の女が出てきた。

足元まである、フードのついたボロボロのコートをはおり、目にはゴーグル。身長はスラッと長く、表情はコートとゴーグルでよくわからない。

その女は、溶ける雨の中に足を踏み出す。

コートに雨が当たる。

しかし、コートは雨に抵抗し、溶けない。

それに怒るかのように、雨は激しさを増した。

その事に微動だにしない女は、静かに歩き出した。

土のぬかるみに、女の足音ができる。

雨は、水溜りに跳ね返り、女の足に飛び散る。

ブーツは、薄く穴が開いていた。

しかし、女は足を止めなかった。

その女は、止まった。

周りの瓦礫と同じように溶けている瓦礫の下に、ボロボロの女の子が倒れていた。

瓦礫がうまく、女の子に重なっていた。

まるで、その女の子を庇っているかのようだった。

女は、静かにそれを見ていた。

しばらしくして、女は瓦礫をどけた。

静寂の中に、ガラッという大きな音が鳴り響いた。

女は素早く女の子を抱きかかえ、コートの中に隠し、足早にその場から去っていった。



パチッ。

女の子―足立 雀は目を開けた。

ガバッと起き上がる。

額から、お絞りがすべり落ちた。

真っ暗で、肌寒い部屋の中に雀はいた。

ベットがやっと置けるほどの広さで、ベットからトビラまでは、大人の歩幅一歩分の幅しかなかった。トビラは、開けられるか、開けられないか。ただ、トビラは外開きのようなので、関係がないみたいだった。

雀の身体には、たくさんの包帯が巻いてあった。下半身は布団で隠れているが、包帯で真っ白なのは目に見えていた。

頭が、クラクラする。

雀は額に片手を当てた。

不安定な頭を、その手で支える。

と、

ガチャ

トビラが開いた。

真っ暗な部屋に光が差し込む。

その眩い光と共に現れたのが、女だった。

逆光で、容姿が見えない。女と断定するのも、難しかった。

ただ、腰まである長い髪の毛だけは、鮮明に見えた。

「まだ、起き上がらない方がいいぞ」

低くもなく高くもない、澄み渡った女独特のきれいな声だった。

女は、ベットに腰掛けた。

腰掛けたあと、女は雀の額を人差し指で押した。

「あ」

不安定な頭を押され、雀は簡単にベットに倒れこんだ。

ポフッと軽い音を立てた後、雀は真上に現れた顔にビックリした。

とても、整った顔立ちだった。

少しつりあがった黒眼に見合った、スラッとした輪郭と鼻。

綺麗で艶のある長い黒髪。

全てが機械で作られたかのような、一点の狂いもない顔だった。

その素晴らしい顔の女は、

「君、自分の名前がわかるか?」

と訪ねてきた。君、という呼び方をされたのは、生まれて初めてだった。

「雀―足立 雀」

「足立 雀?・・・・変わった名字だな」

「よく言われる」

女は、軽く笑った。笑った顔も、整っていた。

「君、もしかしてさ、住所がB地区114―59。家族構成は父、母、弟の四人家族。誕生日は9月15日のてんびん座。A型の女の子。違うか?」

「なんで知ってるの?」

女は鼻をフンッとならし、

「覚えてるんだよ。いろいろあってな」

そう言って、雀の真上から消えた。

「で、身体の調子はどうだ、雀。酸性雨に少しとはいえ当たってたからな。痛むだろ?・・・あと、そのキズ、一生キズになるぞ。」

女の声が、少し離れた場所から聞こえる気がする。さっきまで近くに女の声がありすぎたからかも知れない。

そこでふと、雀は思った。

「ねぇ、名前、なんて言うの?」

「は?」

雀は、女の方に指先を向けた。

女が驚いたような顔で雀をみた。唐突すぎて、ビックリしたのだろう。

「ね、名前は?」

「汐梨」

「え?」

「名前」

「汐梨?」

「そ。し・お・り。わかった?」

名前と顔と言語がことごとく合っていないと雀は思った。

その後、汐梨は白くてドロッとした薬を持ってきた。

「しっかり、全部飲めよ。不味いだろうけど」

そう言って、口の中に流し込んでくれた。

不味い薬を飲み終わった後、汐梨に笑われた。

薬をいやいや飲む雀の顔が面白かったらしい。

雀がふくれっつらをしていると、汐梨は、悪かった、明日も来る、そう言って、部屋を後にした。

そしたら、急激な眠気が襲ってきて、

寝た。



「おはようさん。よく眠れましたか?」

朝置き一番、汐梨の顔が目の前にあった。

「・・・・何、そのしゃべり方」

「うん?何か、おかしいか?」

「うん、おかしい。だって、出会ってから男みたいな言葉遣いしかしてないじゃん。」

汐梨は鼻をフンッとならし、

「それは失礼致しました、皇女」

と、皮肉を言った。

雀と汐梨が出会って一ヶ月が経過した。

雀はまだ立ち上がることはできないが、上半身を起こすことはできた。

「今日は、上半身の包帯を取りに来た」

「へ?とっていいの?」

「なんで?だめなわけ?」

汐梨の綺麗で透きわたった瞳は、まっすぐに雀を見た。

その眼はまるで、バカにしているかのようだった。

―してないんだろうけど。

「で、とっちゃだめなわけ?どうなのさ。とってほしくないなら、とらないけど」

「あ、ううん。とって」

汐梨はわかったと頷いて、上半身の包帯を丁寧にとっていってくれた。

雀の素肌が、あらわになっていく。

キズは、治っていた。しかし、傷跡は生々しく残っていた。

雀が自分の身体を見つめていると、赤い何かが飛んできた。

バサッとベットの上に落ちたそれを広げてみると、ボタンのついた、シンプルな作りをした、真っ赤なパジャマだった。

「君の裸見てても、おもしろくないし」

「裸じゃない」

「裸みたいなもんだろ。・・・・早く着ろよ。君みたいな発展途中の身体なんて見ても、なんの得にもなんないんだから」

雀は、先ほどとは違う意味で身体をまじまじと見た。

「・・・そうかな」

「そうだろ。あーもう。早く着ろって。そんなひんそなモン、見せんなよ」

「ひんそって何が」

汐梨の唇が、薄くめくれる。嫌味ったらしい、笑い方だった。

「全部が」

雀はその言葉を聞いて、ふくれっつらでパジャマを着た。

ボタンを留め、着終わった後、汐梨の身体をまじまじと見る。

「な、なんだよ」

汐梨の身体は服でほとんどわからない。

しかし、その整った顔立ちに見合った身体つきをしているのぐらいは、わかった。

ジロジロ見ている雀を見ていた汐梨は、雀の顎を優雅に掴み、雀の顔を自分の顔の真正面に持ってきた。

「変態行為は、もうお終い」

「変態行為じゃない」

「人の身体をジロジロ見るのは、変態行為と同じ」

雀は、反論する言葉もなく、うっとつまった。汐梨の目に見つめられながら言われると、まるで裁判にかけれらた、容疑者の気分になる。

「そんなにおれの身体見たいか?じゃ、いい事を教えてやろう」

「いい事?」

「教えてほしいか?」

「うん」

汐梨は、雀の身体に、人差し指を突き立てた。そして、

「君みたいな傷跡のない、綺麗な身体さ。おれは君らみたいに弱くないからな」

あざけ笑った。

「君らみたいに?」

汐梨は鼻でフンッと笑い、

「君らは弱いだろう?」

と、吐き捨てるように言った。

「君、その辺で人間が倒れてたら、どうする?」

「話、急に変わったね」

汐梨はフイッと横を向き、うるさいと言った。汐梨にしては、かわいい動作だった。

「質問してるんだ。答えろよ」

「え?・・・・そりゃ、助けるけど」

「他人でもか?はっ、おせっかいだな」

「なんで?」

「そいつを助けて、もしそいつが死んだら、君は墓でも作って埋めてやるのか?」

「・・・・」

「もし、そいつが目覚めた時、君は一生そいつの面倒を見きれるのか?」

「・・・・」

「こんな食料、水すらまともに手に入らない状況で、君はそいつを養っていけるのか?」

「・・・多分、無理・・・」

汐梨は、鼻で軽く笑い、

「だろう?」

と、更に笑った。それは、雀をバカにしているような、不気味な笑いだった。

「この世界じゃ、他人を気にしていたら生きていけないんだよ。・・・・ま、こんな世界が嫌なら、過去にでも戻って、温暖化を止めてくるんだな」

「そんなことしない」

「は?」

「そんなこと、しない。過去を見るんじゃなくて、未来を見る。未来で、昔の世界を取り戻す」

「はっ。んなこと、無理に決まってんだろ。もしかしたら君は、明日死ぬかもしれないんだから」

「そんなこと、わからない。っていうか、汐梨も明日、死ぬかもよ」

「かもな。でも、こんなトコでおれは死なないよ。目的を果たすまではな」

「目的?」

「ま、気にしない方がいい。聞いたら、身体だけじゃなく、心まで傷つくからさ」

「え?ほんと?」

「保障する」

そして、汐梨はフッと笑った。



汐梨は、ボロボロのコートをまとった。

そこは広いホールで、老若男女を問わないたくさんの者がいた。

その者たちは、真ん中にある、細長いテーブルの上にのったご飯をトレーに取っていた。

ホールは円状になっていた。天井は丸みをおび、天使などの鮮やかな画が書いてあった。側面にはトビラがあり、一つは大きなトビラ、もう一つは中ぐらいのトビラ、その他は、壁にずらりと並んだ小さいトビラ。大きなトビラの外は、真っ暗だった。小さいのは、どうやら個人の部屋に繋がっているようだ。中は、地下に降りる階段があった。汐梨は、そこに入っていった。

階段を降りる。汐梨の足音は、なかった。警戒心が常にあるため、気配共に、音を出さないのだ。いや、出せないのだ。

そのままの状態で階段を降りきった。

そこは薄暗く細長い廊下だった。

突き当りには、更に地下に続く階段があった。廊下の両側には、ホールと同じような個人の部屋に繋がっているトビラがあった。

そこを、汐梨はまっすぐ進み、しばらくしたところのトビラを開けた。

「あ、汐梨。おはよう」

そこには、雀がいた。

まだ歩けない雀を、汐梨はちょくちょく訪ねる。

なぜかは汐梨自身にもわからない。

ただ、毎日訪ねるのが、習慣になっていた。

「おはようさん。ほれ、今日の薬。ちゃんと全部飲めよ。残したら、ただじゃおかない」

「うん、わかってる」

汐梨あっそ、と言ってそっぽを向いた。

そして、コートを翻し、出て行こうとする。

「あ、汐梨」

ふと、雀が汐梨を止めた。

汐梨はゆっくりと振り返る。

そして、問う。

「何?」

「どこかに行くの?」

「まあ、そんなもんかな」

「どこに、行くの?」

「?外だけど。なんで?」

「外?」

「・・・・なんで、そんなこと、聞くのさ?」

「あ、あたしも連れて行ってほしいなぁって」

汐梨の目が、見開かれる。

予想外の言葉だったのだ。

だが、返答は、もう決まっている。

「無理だ。歩けもしない奴を、連れてはいけない」

雀のめから、雫が流れ落ちた。

それは、涙だった。

目を真っ赤にして、雀は泣いていた。

ただ、汐梨から目は離さない。

静かに、泣いていた。

汐梨は、それを、表情一つ変えないで、見ていた。

「外に、行きたいの・・・」

雀から、かよわい小鳥のような声が発せられた。

「外には、あたしの両親と弟がいるはずなの。だから・・・」

「ふん。そんなの、死んでるに決まってる」

「なんで?あたしは生きてるのに」

「君は、運が良かっただけだよ」

そして、汐梨は上を見上げた。

雀もつられて上を見る。と、

「ばかはみる!」

ふいに汐梨が雀の顎を掴み、クイッと元の位置に戻した。そして、

「君は知らなくていい」

雀は、汐梨の目をまっすぐに見た。

まだ、真っ赤な目。涙も、止まっていなかった。

その瞳が、まっすぐ見ていた。

汐梨もまた、目を逸らさずに雀を見る。

雀の眼は、光を帯びていた。

その光が、汐梨の目に深く突き刺さる。

汐梨の目が、見開く。

こんな光を宿した奴は、今まで見たことがなかったからだ。

涙目の中に見える、眩い光。

とてもじゃないが、酸性雨に打たれ、その痛みを身をもって痛感した奴の光ではなかった。

今、泣いている奴の目でもなかった。

それは、希望という名の光だった。

今まで会った奴らは全員、失望という名の光しか宿していなかった。

雀のように、希望などという眩い光は、宿していなかった。

その光に、汐梨は捕まった。

―なんだ、この眼は?

目を、逸らせない。

―なんだ、この光は?

汐梨の身体が、震えだす。

かすかな震えではあるが、確かに震えていた。

―なんなんだ、こいつは?

汐梨の手が、雀の顎からすべり落ちた。

雀はそんなこと気づかないかのように汐梨を見る。

―やめてくれ。そんな眼で、おれを見るな。

そう、叫びたかった。しかし、声が出ない。

―限界だ。もう、やめて・・・・

おかしく、なりそうだ。

意識がとびそうになる。

クラッとする。

―やめて、やめろ・・・・!

「汐梨?ちょっと、汐梨!!」

雀の声で、意識が呼び戻される。

雀はもう、泣いていなかった。

心配そうに、汐梨を見つめていた。

雀の光を見てから、一度も動けなかった。

久々に、希望という名の光を見たからかも知れない。

しかし、それだけではなかった。

―恐怖

それは、汐梨が抱く数少ない感情の一つで、汐梨が最も恐れているもの。

恐怖は、昔から嫌いだった。

感情という、無駄な物を捨てた日から。

恐怖だけは、捨て切れなかった。

怒りと、冷酷は、捨てなくてもいいと判断した。

だから、今でも持っている。

しかし、恐怖は不必要だ。

だから、捨てたかった。捨てたいのだ。

なのに、捨て切れなかった。

それが、こんな所で仇となるとは・・・・。

汐梨が黙っていると、

「ねぇ、汐梨」

雀が問いかけてきた。

「なに」

かろうじて、答える。

「どうして、外に行っちゃだめなの?」

汐梨は見つめてきた雀の視線から目を逸らした。

「外は、危ないからだよ。酸性雨が降っていて気温も高い。普通の人間じゃ、生きてられない」

「じゃ、なんであたしは助かったの?」

「運がよかったんだろう」

――いや、違う。

「希望という名の光が、助けてくれたんだろ・・・・」

「は?汐梨、頭大丈夫?」

雀が、汐梨の額に手を伸ばす。

汐梨はそれを、反射的に避けていた。

「汐梨?」

「と、とにかく、おれ以外は外に出ちゃ大変なことになるんだ。だから、外出は禁止だ」

「なんで、汐梨は大丈夫なの?それと、おれ以外って、誰かいるの?」

「はぁ?居るに決まってるだろう?」

「だって、今まで汐梨以外としゃべった事、ないもん」

――確かに、そうだ。

この部屋には、汐梨以外の者は出入りしていない。

いや、それよりも、他の奴らは、雀に興味すら抱いていないのかも知れない。

「ま、いるっちゃ居る。おれの同士一人と、おれが助け出した老若男女の者が大勢」

「汐梨が助けた?・・・・あ、もしかして、今からでかけるのって・・・・」

「外にいる奴らの救出のためさ」

「汐梨、他人を気にするなって、あたしに言ったよね?なのに、なんで汐梨は他人を気にしてるのさ」

「違う。別に、気にしてるわけじゃない。これは、宿命みたいなもんだ」

「宿命?」

「まあね。・・・・知りたければ、おれの同士に聞け。もう、歩けるんだろう?」

「同士?・・・わかった。歩けるけるから、行ってみる。名前は?」

汐梨は、クスッと軽く笑った。

「“軟弱”って言えば、わかるさ」

「へ?」

汐梨は、雀から背を向けた。

そして、トビラをあけて、外に出た。

トビラを、ゆっくり閉める。

瞬間、口を抑えた。

恐怖で、うずくまりそうになる。

しばらく汐梨は、そのまま立ちすくんでいた。



雀は、階段を上がる。

まだ少し足は固いが、歩くのに支障はない。

ゆっくり、ゆっくり、最後の一段を上った。

そこは、広いホールだった。

円状になっていて、天井は丸みを帯び、ところどころはげてはいるが、子供の天使が美しく舞い上がっている。

壁には、等間隔に並んだ、同じトビラと、真正面に大きなトビラがあった。

雀は、一歩前にでた。

ホールに居た全員がそれに気づき、雀を見た。

雀はその目線に気づき、足を止める。

ホール内が、静まりかえった。

そんな空気内に、

コツコツ

という足音が鳴り響いた。

その音は、まっすぐに雀の方にやってきた。

「歩けるように、なったんだ」

声と、靴音の主は、男だった。

汐梨と同年代に見える。

もちろん、自分とも同年代に見える。

雀と同じ長さの、首筋まである黒髪と、

雀と同じ、大きくクリッとした目。

しかし、雀とはどこか違う、男独特の目だった。

その目は、透きわたる黒目。

雀は、いいなぁ、と思った。

もちろん、雀も黒眼ではあるが、汐梨のように綺麗ではないし、この男のように大きくもない。

二人のように、透きわたっているわけではない。

中途半端な目だ。そう、思っていた。

男は、ラフな格好をしていた。

真っ白の半袖シャツを着て、丈の長いジーパン。裾の方は長いため地にこすれるのか、ボロボロだった。

「あの、あなたが“軟弱”とかいう・・・・?」

「なっ!それ、誰から聞いた?」

「え?・・・・汐梨だけど」

「糞!あいつ、また余計なことを・・・・!」

バンッ

大きなトビラが、勢いよく開いた。

そして、すぐに閉まる音が聞こえた。

「まぁまぁ、そう、ほえるなよ」

大きなトビラの奥から、見えないが透きわたったきれいな声が聞こえた。

姿形を見なくとも、声だけでわかった。

ゆっくり、振り返る。

やってきたのは、汐梨だった。

ボロボロのコートから滴り落ちる液体は、床を溶かしていく。

汐梨もまた、ラフな格好だった。

丈のながいジャケットをはおり、前を開けていた。下からは黒い服が覗いていた。

ズボンは、裾をブーツに入れていた。

汐梨、が、ゆっくりこちらにやってくる。

男が、ほえる。

「汐梨!お前、余計なことばっかり他人に教えるなよ!」

「いいだろう?全員仲間だと思ってるなら、君の全て、知ってもらっても構わないじゃないか。仲間に、隠す必要はないだろう?」

「ざけんな!」

汐梨が、男の真正面にいつの間にか立っていた。

汐梨は優雅に男の顎をつまみ、上にクイッと向けた。

「凛怒、ほえるな。おれは疲れてるんだ。帰ってきて、ワァワァ騒がないでくれ」

汐梨は、微笑んだ。綺麗だが、目は笑ってない。笑っているのは、口元だけだった。

そして、汐梨は凛怒の顎から手を離した。それと同時に、凛怒が訪ねる。

「で、外の状況はどうだった?」

「生存者は、あいかわらずなしだ。・・・・死体は、ごろごろ転がっていたけど」

「あ〜やっぱ、もうそろそろ生存者なんて、いないかなぁ。あれから、二年も経ってるし」

「ああ」

「・・・・・ま、とにかくおつかれさん。疲れてんだろ?部屋で、寝てくれば?」

「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」

汐梨は、そういうと優雅に微笑み、おやすみと言って、壁の側面にあるトビラの一つに、入っていった。

そこから、しばらく物音が聞こえていたが、やがて、静かになった。

「ねぇ」

雀は、口を開いた。静寂を破るような、そんな音量だった。凛怒は、雀の方を静かに向く。

「なんだ?」

「汐梨の、同士、なんだよね?」

「ま、そんなんじゃないの」

「じゃあ、汐梨の宿命って知ってる?」

「宿命?・・・・えっと・・・」

凛怒は、考える素振りを見せながら、黙った。

ちらっと、汐梨の部屋を見る。

そして、長いながい、息を吐いた。

「宿命ねぇ・・・・。あれの、ことかな?」

「あれ?」

「ああ。それでよければ、教えるけど」

「うん、教えて!」

「わかった。宿命っていうのは、多分だけど、外の人間の救助と、外の生物の排除のことだと思うんだ」

「なんで、それが宿命になるわけ?」

「それは・・・・。それは、最初から説明した方がいいかもな。・・・・聞く?」

「うん」

「わかった。だけど、後で後悔しても知らないぞ」



地球温暖化が本格的に始まったのは、丁度二年前。

その、更に三年前に、日本国では奇妙な実験が行われていた。

その名を、

――地球温暖化対策人間作成実験

進行していく温暖化を止めるための人間を作る実験。

温暖化を止めるための、最後の手立て。

その実験対象は、十二歳以下の男女大勢。

最初は全くと言っていいほど、成功しなかった。全員が、“失敗作”となってしまったのだ。

失敗作と言えば、響きはまだいいが、実際には全員が“死んだ”ということなのだ。

その“失敗作”は親の元に帰ってくることはなかった。

そんな死にゆく子供達のなかで、実験に唯一成功した、いわいる“成功作”がいた。

それが、汐梨と凛怒、それと男一人、女一人の計四人だ。

この四人は、気温五十度まで耐えれる体、酸性雨に打たれても、すぐに回復する、超高速再生能力。いわいる、治癒能力。

超人的な体を手に入れたこの四人は、日本国の命令どおりのことを、確実にこなし、温暖化を止めようとしていた。

そんな時だった。

温暖化のせいで覚醒、凶暴化した生物――

温暖生物が現れたのは。

従来の生物とは全く違い、凶暴で、頭が良く、戦闘能力が非常に高かった。

そんな温暖生物に、日本国は何か打つ手がないか考えた。

考えているうちに、温暖化は、どんどん進行していく。

そうして、追い詰められた日本国に、魔がさした。

――また、実験を行おう

という、魔が。

実験の名前は、地球温暖化対策人間から、

温暖生物対抗人間と称された。

まず、最初に実験の対象として見られたのが、

汐梨達、四人だった。

身体を更に改造され、傷ができ、痣ができ、時には苦痛で悲鳴をあげ――

生き残ったのは、汐梨と凛怒、それに、後から同じように改造された、三人の男と一人の女、計六名。

この六人には、悲しんでいる暇すら与えられなかった。

日本国の命令どおり、温暖生物を排除する。

それ以外のことは、ほとんど全て、禁じられた。

そして、やがて――

汐梨と凛怒以外、仲間は全員いなくなった。

そんな時、汐梨と凛怒も参加しなければならない、国での大きな会議が開かれた。

二人の目の前には、見たこともない果物と、その皮をむくためのナイフがおかれていた。

会議が、始まった。内容は、

温暖生物対抗人間作成実験の再開。

人口が減るため、一時中断をしていた、あの恐ろしい実験を、再開しようというのだ。

そんな会議に、何故二人が呼ばれたのかはわからない。今、考えてみると、止めてほしかったのかも知れない。しかし、今となっては、聞くことができない。全員、この世から消え去ったのだから。

凛怒は、この内容を聞いた後、隣に座っている汐梨を見た。

汐梨は、ただただ、下唇を、強くかみ締めていた。そして、手も、しっかり握り締めていた。怒っているのかと思えば、

目から、いつもは現れる感情が、消えていた。

何も、なかった。汐梨の綺麗な眼球に、何も映ってはいなかった。

目の中に、いつもはあるはずの光が、

消えうせていた。

汐梨は、目の前にあった、煌びやかに、しかし不気味に光るナイフを手に取った。

凛怒は、瞬間的に嫌な予感がした。テーブルの下に、しゃがみこむ。

それと同時に、汐梨が動いた。まるで、凛怒が座り込むのを待っていたかのように、動いた。

そっと、凛怒はテーブルから顔を出す。

そこから見えた景色は、汐梨が、先ほどのナイフを持って、優雅に、そして、華麗に男達を切りつけている、残酷な世界だった。

一人の男が、凛怒の前に崩れ落ちた。

しばらく呻き、動いていたが、一つの言葉を最後に、動かなくなった。

――バケモノ

男が倒れたときに飛び散った血を拭いながら、凛怒は、蒼白になった。

さらに、もう一人、その男にかぶさる形で倒れてきた男も、もがく。そして、呻く。

「イタい、イタい。誰か、誰か・・・・・助けてくれ。あの、あの、バケモノを止めてくれ・・・・・!」

凛怒の目の前が、薄暗くなった。

汐梨の影が、凛怒に、重なったのだ。

その汐梨が、冷笑を顔に浮かべる。

「痛いか?・・・・・今、あたしが楽にしてやるよ」

汐梨は、恐怖で顔をひきつる男の首筋に、華麗に刃先を滑らせた。

男の首が、凛怒の前に転がり落ちる。凛怒は、悲鳴をあげた。顔を、手で覆う。そこに、男の首から噴出した血が、べっとり付く。その手を、誰かの足に蹴られる。顔から、ネトっとした手の平が離れる。

「ちゃんと、見とけよ。これが、現実さ。・・・・・現実から、目を背けるな。それに、今からがおもしろいんじゃないか」

「・・・・汐梨、狂ってる。・・・・・大丈夫か?」

「はっ。狂ってなんかないさ。正気だよ」

「・・・・・違う。汐梨が、気づいてないだけだ。・・・・絶対、狂ってる。保障、するよ」

汐梨は、返り血でべとべとの顔を、凛怒から逸らした。同時に、目線も逸らされた。その目線は、まだ生きている男達に向いた。男達は、蛇に睨まれた蛙のように、止まった。まったく、動かなくなった。

汐梨は、血でべとべとになったナイフを、手からすべり落とした。そして、足元にあった、まだきれいなナイフを足で踏みつけた。そのナイフは、空を回りながら飛ぶ。それを、汐梨は取った。

そして、一度、舐めた。舌から、鮮血が流れ出る。

「いい、切れ味じゃあないか。」

冷笑を、浮かべる。

ゆっくり、ゆっくり歩を進める。果物が、踏みつけられ、飛び散る。男達の顔が、蒼白になった。

「やめろ・・・・。やめろ、来ないでくれ・・・・。」

男の内、一人が呻いた。その声は、汐梨に届いていただろう。しかし、汐梨は、足を止めない。

汐梨が、口を開く。

「あんたらみたいな、腐った考えをしてる奴らは、あたしが・・・・いや、おれが全員殺す」

汐梨が、ナイフを横にはしらせた。

部屋中に、男達の悲鳴がこだまする。

カランッ

汐梨の手から、血だらけのナイフが落ちた。

「汐梨・・・・」

汐梨が、振り向いた。

血で真っ赤になっていた。

凛怒は、テーブルから這い出した。

汐梨の目を、真っ直ぐに見る。

その目の中は、昔のような光は宿っていなかった。

変わりに、復習という名の光が、宿っていた。



「そんなことが、あったんだ・・・・」

「ああ。それからだ。汐梨に、感情が全くと言っていいほど、なくなったのは。俺は、あいつが可哀想だと、思うよ、本心から。俺だって、同じ目にあってるけど、それでも、あいつの方が、俺の何百倍、可哀想だと、思う」

雀は、頭がクラッとした。貧血だ。

「な、気持ち悪くなったろ。・・・・・寝て来いよ。まだ、ましになると思う」

「・・・・・ありがとう」

小さい声で、雀は、呟いた。凛怒は、軽く雀の背中をさすった。



汐梨は、凛怒に促されるままに、部屋に入った。

雀が傍にいたということは、昔話でもする気だろう。

汐梨は、奥に進む。

そこには、たくさんの資料と本で足場がない部屋があった。

本は高く積み上げられ、資料は、カーペット状態だった。

その資料のカーペットを、踏みつけてベットに向かう。

カチャ

何かを、ベットの傍で踏んだ。下を見てみると、足の下にナイフがあった。汐梨は、軽く舌打ちをし、足を器用に動かす。

ナイフは、空を飛び、汐梨のポケットに、すっぽりきれいに入った。

それを確認し、汐梨は、ベットに倒れこんだ。

ボフッ

ベットに、気持ちよく沈む。浅いが、気持ちの良い眠りが、汐梨を誘う。

それに、汐梨は身を委ねた。

まぶたが、ゆっくり下りてくる。

一瞬の闇が、汐梨を包みこんだ。

その闇はすぐに消え、代わりに色彩が現れた。それは、灰色だった。

――曇り空だ

今にも、雨が降り出しそうな灰色が、空を支配している。

ふいに、後ろから声がする。

「この空が見れるのも、もう最後かも知れないんだ。しっかり、まぶたに焼き付けるといい」

若い男の、意味ありげな声。自分は、振り向かなかった。と、

ポツポツ

雨が、降ってきた。そこで、また一瞬の闇が現れる。

そして、今度は白い色彩が現れる。

体中が痛い。

耐えられない。

悲鳴が、自然とでた。

もがこうとするが、手足が拘束されているのか、動かない。

目を、見開く。

――たすけて

唇が、勝手に、そう動く。

闇が、また身体を包みこむ。

一息つくと、それが合図かのように、人影が見えた。

闇の中に、白い人影がある。ぼやけて、見えにくい。話し声も、聞き取れにくい。

全てが、はっきりしない。

自分は今、誰の前にいるのか。

わからないぐらい、はっきりしない。なのに、目が、耳が、その人影から離れない。

と、はっきり聞き取れた声が、一つだけあった。

それは、汐梨が生涯一生、忘れることができない物。数少ない、捨て切れなかった記憶、会話の一部分。ほんの、一部分。

「あたしの分まで――

       

                       生きて


「姫乃!」

飛び起きた。

何かを掴もうとした手が、空気を掴む。

静かな部屋。

外からも、中からも音がしない。

皆、床に就いたようだ。

――ということは、真夜中

「姫乃・・・・・」

汐梨は、何も掴めなかった手を、強く握り締めた。

脳裏に、一人の少女の笑顔が、浮かぶ。

それと、同時に、あの声が響く。透きわたった、きれいな、少し高めの声。

――あたしの分まで生きて

汐梨は、静かに立ち上がった。

そして、音もなく、部屋から出て行った。



寝むれない。

凛怒の声が、耳に残っているからだ。汐梨の過去を語っているトキの、凛怒の声。

いや、声じゃない。

内容だ。寝れない理由は、内容なのだ。決して、声じゃない。

――汐梨の、過去。

怖かった。何故か、自分のことのように思えてくる。

雀は、ゆっくり立ち上がった。

トビラを開けて、部屋から静かに、なるべく音を立てないように、出る。

長い長い、廊下がある。

右の階段は、上に上がる階段。

左は、行ったことがない。

――左に、言ってみよう。

ふと、そんな事を考えた。

左は、左の下りの階段を、そっと降りる。それを、永遠と八回、繰り返した。

すると、九回に、少し違う空間があった。大きく、立派なトビラ。

雀は、そのトビラの取っ手を引っ張ってみる。

重いトビラが、ギイッと重い音をたて、開く。

冷たい風が、頬を指す。

中に、入る。

そこは、きれいな星が瞬く空間だった。

外のように新鮮で気持ちの良い風が吹き、夜空のような月明かりと瞬く星たち。

ここは・・・・

「プラネタリウム・・・・・」

呟く。

と、同時に、風が吹いた。

目の端に、チラッと艶のある、きれいな黒色の髪の毛が映った。

その方向に目を向けると、

汐梨が居た。

段差に、腰掛けて、星を見ている。

いつもくくっている髪を、今は下ろし、なびかせている。

白いカッターが、風が吹くたびに、バタバタという音をならす。

美しい、絵画のようだった。

その絵画が、振り向く。

「雀・・・・」

風が、吹いた。

汐梨のきれいな髪が、風になびく。思わず、みとれてしまう。

「どうした?」

「あ・・・・。眠れなくて」

「それで、探検でもしてたら、ここに付いたってわけか」

「うん」

汐梨が、笑った。

プラネタリウムの月明かりのせいで、いつも以上にきれいだ。

雀は、汐梨の隣に腰掛けた。

ただ、汐梨の顔をまともに見ることができなかった。

――自分は・・・・

「自分は、おれの過去を知ってしまってもよかったのかって、思ってるだろう?」

「な、なんでわかったの?」

「さっきから、おれと目を合わそうとしない」

沈黙が、二人を包む。

雀は、自分のひざをじっと見た。

――本当に、良かったんだろうか

自分は、汐梨の過去を聞いてしまって、よかったんだろうか

と、ふいに汐梨に横から押された。

「わっ」

倒れる。仰向けになった雀の上に、汐梨がうつぶせに被さってくる。

人間独特の、あたたかさ。

――ああ、汐梨って、人間なんだな

そう、思えるような、あたたかさ

「ロボットだと、思ったか?」

「へ?」

「思ったろ。作られた人間だから」

「・・・・少しだけ」

「はは。おれだって、人間だよ。ただ、ちょっとだけ、中身を改造されただけさ。わかるだろ?」

「うん。・・・・暖かいね」

汐梨が、雀の髪を撫でた。雀は思わず、汐梨に抱きついた。

「雀?」

――温かい

そう思った瞬間、心の底から、熱いものがこみ上げてきた。

それは、目から、涙となって出てきた。

止まらない。止められない。

「どうした?」

「・・・・・汐梨は、辛いって思ったこと、ないの?」

「は?」

「自分の過去を、辛いって、悲しいって、思ったこと、ある?」

「雀、もしかして、おれのために・・・・・・泣いてる?」

「うん」

汐梨が、瞬きする。綺麗な瞳が、見え隠れする。

「・・・・・相変わらず、甘ちゃんだな、君は」

「なんて言われてもいい。ねぇ、悲しいって、思ったことないの?」

汐梨は、わざとらしく考えるふりをした。

「・・・・・ないって言ったら、嘘かもしれないな。でも、そんなあからさまに思ったことは、ないかな」

雀は、汐梨に、強く抱きついた。まるで、お母さんに抱きついている子供のようだ。

「・・・・・汐梨が、可哀想だよ・・・・・」

それ以上の言葉は、発せなかった。

・・・発せられなかった。

汐梨は、雀の頭を無造作にかいた。・・・・・かき回した。

「な、なにすんのさ!」

「安心して眠りな」

「へ?」

「・・・・おれの過去を知って、君は辛いかも知れない。だけど、おれは、君に聞いてほしいと思ったんだ。一瞬でも、そう、思ったんだ」

「・・・・うん」

「なんでか、わからないけどな。・・・・・だから、君は、気にしなくていいのさ。おれが聞いてほしいと望んだんだ。」

「うん」

「おれのために、泣かなくてもいいんだよ」

「うん」

「わかったなら、いいんだ。じゃぁ、安心して眠りな。なんなら、寝れるまで傍にいてやるぞ?」

「うん」

「・・・・・本気にするなよ。冗談のつもりだったんだけど」

「うん」

「・・・・・・君は、うんしか言えないのか、っとに。まぁ、いいよ。さぁ、寝な」

「うん」

雀は、汐梨に潤んだ瞳を向けた。

逆光で汐梨の表情は伺えない。

けれど、優しく微笑んでいるように思えた。母親が子供に向けるような、そんなやさしい微笑みを。

それを見て、眠たくなってくる。

雀は、まぶたをゆっくりと閉じた。



汐梨は、寝息をたてている少女を見る。

かわいい寝顔。

何度も、見てきた。その度、かわいいという感情にかられる。

そして、愛おしいという感情に。

それはきっと、似ているからだ。

自分が過去に、一度だけ、ひと時だけ、愛おしいと思った少女と。



 ――姫乃


始めまして、槍咲 雫です。

皆様の目の前に、この小説があることを、とても光栄に思います。

また、続きも投稿するつもりですので、よろしければ、そちらも読んでいただけると、嬉しいです。

簡単ですが、これで終わりとさせていただきます。

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