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雨降る夜の道

異世界は、もしかしたらすぐ近くにあるのかも知れない。

れだけ走ったのだろうか。もう街明かりは遠く、辺りは暗くなっている。

何回電車を乗り継いだのかも忘れるほど遠くに着いても走り続ける少年は、名を燈志あかしといい、よわい17の高校2年生である。

此処まで遠くに来てしまうと、帰る手段も見つからない。というより、帰りたくないのだ。


その時、雨が降ってきた。雨傘を持たぬ燈志は、上着の法被を傘がわりにしてどこかへ進む。

いつもより光って見える雨の、薄い処を辿って進めば其処は鍾乳洞だった。

鍾乳洞は暗いはずだが、何故か奥が光っている。

その光に釣られるように奥へと進むと、途中に大きな空洞があった。

其の辺りはもう真っ暗で、来た道も見えず、ただ先の光が見えるだけだったので、スマホの光で照らしてやっと上は遥か遠くにあるということが分かるぐらいだ。

其処から又狭い通路を抜けていくと、漸く光が大きくなってきた。


光の中へ飛び込むように入ると、其処は見たこともない原野だった。しかも昼間になっている。ほぼ真夜中に洞窟に入ったのにこんな短時間で昼になるものなのか。

近くには沢山樹が生えており、どれも見たことがない樹であった。此処は一体何処なのか。

ふと耳を澄ますと瀬音が聞こえる。近くに小川でもあるのだろうか。

音に誘われるかのようにその方向へ向かうと、水浴びしたくなるような渓流があり、辺りには翡翠カワセミに似た鳥が飛び交っている。


突然、瀬に掛け声が響き渡った。

岩に腰掛けていた燈志は、驚いて砂利に頭をぶつけそうになった。声をする方を見ると、何人かの男たちが此方を見ていた。少なくとも、人間を見るような目では見ていない。

ツァティあり!!」

鮫のような目の狩人たちになす術もなく、燈志はあっという間に捕らえられてしまった。

此れからどうなるのか、全くわからなかった。

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