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妖精の子守唄  作者: のく太
19/22

再会の地下通路 2

 深い井戸をゆっくりと降りた。

 底にたどり着くと、人一人が苦労して通れそうな横穴がある。

 ペイジは突っかかりながらも、ようやく通り抜けた。

 横穴を抜けた先に、昨晩見た幻影と同じ通路があった。

「間違いない。ここだ……」

 ペイジの言葉にフレデリアが泣きだしそうな声を上げた。

「ここに、ローディがいるのね」

 ようやく会える……長い、長い時間を要してやっとここまできたのだ。

 はやる気持ちを理性で押さえつけた。……もし、ここにクローディアがいなければ、また振り出しだ。

 グイグイと服を引っ張るフレデリアを、ペイジは一度抱きしめた。

「少し落ち着け」

 耳元で(ささや)くと、フレデリアはあからさまに苛立った表情になった。

「私は落ち着いてるもん」

 頬を膨らませるフレデリアの頭を撫でると、ペイジは後ろを歩く二人に振り返った。

 呆れ顔のクロナ。少し羨ましそうな表情のシスリナ。

 この二人もなかなかわかりやすい。

「罠があるかも知れない。気をつけろ」

 ペイジの言葉に三人は強く頷いた。


「不思議な灯りですね。これも魔法でしょうか?」

 壁に備え付けられた松明が煌々と輝いている。

 炎のように見えるが、近づいても熱は感じられない。

「魔法具の一種かもね」フレデリアが興味深そうに見ている。「今では失われた技術も結構あるみたいだし 、案外貴重な物かも」

「金目のものなのか?」

 クロナの問いにフレデリアは首を傾げた。「どうだろ、こういった類の物は、貴重すぎて価値がつかない場合もあるから」

 好事家ならともかく、一般人には不要なものだろう。確かに灯りとしては便利だが、得体の知れない物ゆえに、思いもよらない危険もあるかも知れない。

 クロナは後ろ髪ひかれる思いで松明を諦めるのだった。

「あったぞ!」

 しばらく歩いた先に、紋章が刻まれた大きな扉が見えた。

「この先に、ローディが……」

 祈るように指を組むフレデリア。大きく深呼吸をしたペイジは、クロナと共に扉を押し開けた。


 重い音を立てて扉が開かれた。

 その向こう側は広場のような空間になっていた。

 球体の天井にやはり見たことがない照明が辺りを照らしている。

「ローディ?」

 フレデリアの声が響き渡る。だが、返事はない。

 何度もフレデリアが名前を呼んだ。だが、望む返事は返ってこない。

「そんな……」

 崩れ落ちそうになる体をシスリナが支える。

「まて、何かあるぞ」

 ペイジは広場の中央に何かが刺さってあるのを見つけた。

「あれ、ローディの剣じゃない?」

 フレデリアはシスリナの手を離れると、小走りに近寄ろうとする。

「待て、フレア!」

 剣に手が届こうとした瞬間、その周りを円を描くように紫色の蝶が飛び立った。

妖精の輪環(フェアリーサークル)!」

 蝶がフレデリアを包み込む寸前。ペイジはその腕を引き寄せた。

「大丈夫か?」

 フレデリアが頷く。だがその表情に余裕はない。

 直後に背後で轟音が鳴り響いた。

「クロナ!シスリナ!」

「あぶねぇ……こっちは大丈夫だ」

 振り返ると、二人を閉じ込めるように地面が盛り上がり、まるで鳥かごのように包み込んでいる。

「ペイジ……」

 フレデリアの震える手がペイジの服を掴む。

 飛び交う蝶の向こうから聞こえる擦れる金属音。甲冑の騎士は、ゆっくりとその姿を現わした。

駄文にお付き合いいただき、ありがとうございます!

またよろしくお願いします!

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