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妖精の子守唄  作者: のく太
17/22

約束

 笑いを堪えるようにペイジが言った。

「ひどい顔だな」

 その言葉に、泣きはらした目じりを釣り上げたフレデリアは、何かを口に出しかけ、ふんっと顔を背ける。

 そのままスリスリとシスリナの腕に、まるで猫のように顔をこすりつけた。

 どうやら完全にシスリナに懐いたらしい。フレデリアのほうが、ずっと年上のはずなのに。

「えと、それで、いったい何を探していたのですか?」

 口元を引きつらせながらシスリナがペイジに言った。

 ペイジは無言で、二振りの剣を並べて見せた。

 黒鞘の収められた二本の長剣……わざわざ寄り道して取りに来るほどのものには見えなかった。

 そのうちの一本をペイジが握る。「これは、過去にローディが使っていた剣だ」

 柄に手をかけ、抜こうとした瞬間、バチっという鋭い音ともにその手が弾かれた。

「人を選ぶ剣……封剣何とかとか言ってたな」

 痛かったのか、手を振りながらペイジは剣を置いた。

「剣が人を選ぶのか」

 クロナが興味深そうに呟いたが、ペイジの様子を見て剣には触れようとはしなかった。

「……魔法? なんでしょう、不思議な感覚がします」

 代わりにシスリナが、微塵も躊躇(ためら)うことなく剣を手に取った。

 そっと鞘を撫でる。目を閉じ、集中して何かを感じ取ろうとする。

「エ……アリ……アス?」

 眉間にしわを寄せながら、シスリナが感じるまま言った。「封剣エアリーアス?」

「ああ。そういえばそんな名前だったよね」

 シスリナの肩に顎を乗せていたフレデリアが応える。

「抜けるか?」

 ペイジの言葉に、シスリナが首を振った。「私には資格がないようです」

「封剣……ってことは、何か封印されているのか?」

 クロナの問いに、今度はペイジが首を振った。

「わからない。ローディが過去に仕えた王女から賜った剣としか聞いていない」

「確か、東の果ての……シルフィリアとかいう国だったかしら」

 フレデリアが補足し、ペイジを睨む。「ペイジ、まさかこの剣を返しにいこうとか言わないよね?」

「そのつもりだ」

 ペイジの言葉に、フレデリアが色めきだった。

「ちょっと待ってよ! ローディは? 必ず助けに行くって約束したじゃない!」

「……あれから何年経った? お前だって、本当は気が付いているだろう? それに、今はこの二人を安全な場所に連れていくのが先決だ」

「安全な場所ってどこよ! 東の果て? そこが安全だって保証はあるの? ペイジは二人を使って逃げているだけよ! 私はローディを見捨てない! どれだけ時間がかかっても、たとえ一人になっても、必ず見つけ出して見せる」

 枯れ果てたと思っていた涙が零れ落ちた。

「そうじゃなきゃ、私たちは、何のために今まで生き恥をさらして生きてきたっていうの?」

 泣き崩れたフレデリアをシスリナは抱きしめた。

「今のは、あんたが悪いと思うぞ」

 クロナが呆れたように言った。「俺たちは、あんたたちと行きずりで行動しているんだ。あんたたちの世話になるつもりも、お荷物になるつもりもない」

「そうですよ」シスリナもまた声を上げた。

「自分の身は、自分で守ります」

 三人の言葉に、ペイジは唸り声を上げた。

 それぞれに睨まれながらもペイジが口を開こうとした瞬間――

 シスリナの持っていた剣が光を放ち、それは目が眩むような閃光となってあたりを包み込んだ。

「かたまれ!」

 ペイジの言葉に、四人が抱き合うように身を強く寄せあった。

「な、なに? 何が起きているの?」

 フレデリアの問いに誰も答えられない。

 まるで暴風のような轟音が耳元で鳴り響いているようだ。

 ギュッと恐怖に身を縮める四人。やがて目を刺すような光も落ち着き、轟音も消えた。

「え……どこ? ここ……」

 ようやく視力が回復した四人は、まったく見覚えのない風景に戸惑った。

 大小さまざまな石や岩で造られた通路。等間隔に設置された松明には煌々と明かりが灯されている。

「なんだよこれ、触れないぞ」

 石の壁に触れようとすると、そのまますり抜けてしまった。腕まで吸い込まれたクロナが慌てて身を引いた。

「これは……もしかしたら……」

 ペイジが遠い記憶を呼び覚ます。「城にあるという、地下の隠し通路?」

「城って、どこの城よ」フレデリアが眉を顰める。「それに、隠し通路ならどこにだってあるんじゃないの?」

 辛辣な言葉に、フレデリアの怒りが収まっていないことがひしひしと伝わってくる。

「隠し通路かどうかはともかく、どうしてここに……?」

 ぐにゃり、と壁が歪む。

「またかよ!」シスリナを抱き寄せたクロナが叫んだ。「今度はなんだ?」

石の壁は四人を残して、背後に流れるように加速する。

長い、長い距離が流れたと思うと、今度は目の前に重厚な扉が現れた。

「この紋章……」

扉に刻まれた紋章を見て、フレデリアが呟いた。「どこかで見たような……」

「ローディが王様から賜ったという剣に刻まれていた紋章だ……」

ペイジが応えると、扉がゆっくりと開き始め……まばゆい光が立ち込める。

「見て、ペイジ! あれ――!」

まばゆい光の向こうで、ペイジとフレデリアは、探し求めた女性の姿を見た。

駄文にお付き合いいただき、ありがとうございます!

編集途中に一度消えました!半分くらい書き直しました!泣きました!

なので、今回はかなり雑です…ただでさえ駄文が……すみません。

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