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 泣き止んで落ち着いたゆうくんを今度はオンボロ橋という今にも落ちそうな吊り橋が待ち受けていました。


「ほ、ほんとうにここをとおるの?」


 所々に穴があって、油断したら吊り橋が丈夫であったとしても落ちてしまいそうです。


「ここを通らねえと、ドングリ池に行けねえけど?」

「大丈夫ー、落ちたりしないって」

「ボ、ボクも怖い…」


 アライグマとリスは平気そうですが、青ざめているクマにゆうくんもつられます。


「クマのおにいさんも怖がってるよ!」

「大丈夫だって、お昼に食べたぽてち?をくれたら手をつないでてやるからさ」


 ヘビはちゃっかり気に入ったらしいお菓子を要求しています。


「う、うん…」


 ゆうくんは根っこ広場での恐怖も残っていて疲れています。

 そんなゆうくんにコマドリが歌を歌い始めました。


 ~♪~♪~♪


 それはゆうくんにとっては聞いたことがない歌だったけれど、コマドリの美声に心が癒されます。

 他の動物たちも同じ思いのようです。


「どう?落ち着いたかな?」

「うん…ありがとう、トリのおにいさん」


 ヘビと手をつないで、ゆうくんはゆっくりと橋を渡り始めました。


「ううっ…やっぱりこわい…」

「後ろにもいますから、大丈夫ですよ」


 振り返るとキツネの優しい笑顔があります。


「ありがとう、キツネのおねえさん」


 その優しさはお母さんを思い出すものでした。

 家を出てから数時間しか経ってないのに、無性にお母さんに会いたくなります。


「おかあさん…ぼくをしんぱいしてくれてるかな…」


 その呟きに動物たちは、ゆうくんはもう大丈夫だと感じたのでした。






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