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異世界で神さま、はじめました  作者: ツヴァイ
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報い

「ん?んん~?ほ、お主なかなかの美形よな?」


 は?誰が?いや、俺しかいないけど…え?裸おっさん両刀使いなの?いや、そんなん言ってる場合じゃない!?俺の貞操?の危機じゃないか!!?

 い~やぁ~、裸おっさんのがなんかヤヴイ!一段と膨張…ゲフンゲフン…止めて、近寄らないで!!なんか顔怖!?とくに目がヤヴイ!!?

 てか、裸おっさんの目腐ってね!?いや、むしろ俺の目が腐る!!!だから止めて!!近い!!目が血走ってる!!鼻息荒い!!

 こんな時こそ“声”助けて!!SOS!!!


【御愁傷様です】


 助けろよ!!!裸おっさんに迫られたくないよ!!裸お姉さんなら歓迎だけどな!!!


【神力:性別反転】取得


 グッジョブ!!お姉さんカモン!!いや、おっさんだからお姉さまになるのか?


 スキルを使った瞬間裸おっさんは眩い光に包まれた。光が消失して現れたのは、


美女


 裸おっさん改め、裸お姉さんは唖然。そりゃそうだろうな。いままであったものが無くなって、無かったものが出てくるんだもんな。

 胸が大きく裸お姉さんが身動きする度に揺れる。キュッと締まったくびれから曲線を描くお尻、そこから伸びる長い足。裸おっさんの面影は何処へやら。立派な美女になった裸お姉さんが混乱している隙にシーツで拘束して大きな寝台に転がす。ぶるんぶるん揺れてる。何処とは言わない。



【ステータス】

名前    :ロドリゲス・コメルシアンテ


種族    :人間


性別    :女


レベル   :35


年齢    :42


状態    :混乱


職業    :コメルシアンテ国国王


攻撃力   :148


防御力   :93


魔法攻撃力 :698


魔法防御力 :567


運     :3



 ロドリゲス運低っく!?


「何をする!」


 ふむ。裸お姉さんの口の中に千切ったシーツを突っ込んでおく。

 転移をして奴隷商人の屋敷の俺がいた部屋に侵入する。ついでに部屋の調度品なんかを回収していく。粗方回収し終わり、そっとドアノブを回してみる。なんの抵抗もなく回る。俺がいなくなったので鍵を掛ける必要がなくなったんだろう。

 廊下へと出るとマッピングを展開する。この時間帯だから密集している人は多分、寝てるんだろう。寝てるであろう人達がいる部屋へと入ると部屋にいくつも等間隔に置かれたベッドがあり、人相の悪い男6人が寝ている。

 男達が起きないように転移ゲートで運ぶ。全員運び終えると俺も一緒に王の寝室に戻ってくる。あと、必要なのは、


【神力:幻影】取得

【神力:催淫効果】取得

【神力:催眠術】取得


 男達にスキルを使用する。寝ている男達に蹴りを入れて起こす。


「あんたらの恋人のキャシーがおまちかねだぞ」


 勝手に裸お姉さんの名前を決定。だって裸お姉さんの名前がロドリゲスっておかしいし。

 俺の言葉でこちらを向いた男達に指を指して裸お姉さん、もといキャシーに意識を向けさせる。

 視線を向けられたキャシーは顔面蒼白で震えている。

 男達6人の目が血走り、興奮の為か息が荒くなっていく。太めの男がベッドの上に上がり、キャシーの足を取ると舐め出した。

 足の指一本一本を丁寧に舐める太めの男は、恍惚の表情をしている。


「!」


 太めの男の目は幻覚で最愛の恋人に見えている。そんな男の濁った目はうっとりしたように熱を持ち、キャシーの滑らかな肌を蹂躙していく。

 今度は痩せぎすの男が裸お姉さんの顔を持ち上げて無理矢理口づけし始めた。

 すると残りの男達も甘いものに群がる蟻のように一斉に裸お姉さんの体を奪い合い始めた。


「やめ…ん…」


 制止の言葉は発される事はなく、男の口の中へと消えていく。

 男達は思い思いにキャシーの体を弄る。遂に一人の男がキャシーの誰も受け入れた事が無い場所へと侵入しようとしている。


「やめ…本当…」


「大丈夫。俺は君を愛している。だから一緒にたくさん子供を作ろう」


「誰が貴様…」


「俺も」


 もう一人の男はキャシーの後ろへと回り込んで足を持ち上げる。


「!」


 それを横目に俺はまた転移ゲートを開く。


「や…痛い!痛い!痛い!いあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 男達がキャシーの中に強引に分けいったようだ。特に感慨も無く、奴隷商人の屋敷に舞い戻った。


「主人は留守なのは知ってるんだよね~」


 無人になった屋敷をスキップしながら奴隷商人が溜め込んだ調度品や金品を全て浚っていく。鼻歌を歌いながら回収した金貨は結構な金額になった。この金は王宮に監禁されていた女性達に渡そう。うん。

 全ての金品を奪ったので狂宴を演じているだろう王の寝室に帰る。


 戻った寝室はまさに狂気の一言だった。6人の男達と一人の女とが絡み合っている。その様が蛇を思わせた。一匹の雌の蛇に群がる雄の蛇が我先にとのたくり、絡んでいるように見える。


 7人が乗ったベッドは大きく軋み、キャシーは6人に汚されている。虚ろな目で男達の動きで揺れる虚空を見詰め、男達のされるがままになっている。


 なんか生まれ変わってから俺の性格が変わったような気がする。目の前の事象に関心が薄くなっていっている。


 でも、今回は仕方ないよな。だって、女性達にした事を分からせる為にやっているんだし、これで多少は女性達の気持ちが分かったんじゃないだろうか。

 無理矢理強要される情事という名の凌辱がいかに愚かで浅ましいか。


 こいつは、その結果にも責任を取らなかった。ただ、自分の欲を満たすだけの道具として女性達を扱った。これは、その報い。

 このまま誰とは知れない男達の子供を孕んでしまえば、女性達の意趣返しになるだろうか?そんな暗い考えばかりが浮かぶ。


 男達は、何度目になるか分からない欲を放つ。あれから大分経つ。キャシーの全身は男達欲で汚れていた。


「……あ……う……」


 涙を流しながら、誰かに許しを乞うような視線をさ迷わせる。

 女性達もきっとこんな気持ちだっただろう。夫に恋人に婚約者に親に。

 体を無理矢理開かれる屈辱は俺には分からない。ただ、気持ちの伴っていない行為は俺には看過できない。


 暫く、これを続けるか。そうと決まれば、こいつらの食事だな。俺がロドリゲスに変身して用意させよう。

 んじゃ、変身。いや、変☆身☆!ちょっと、やってみたかった。後悔はしている!!誰も見てないけど!やっぱり恥ずかしい!!


【狂気の沙汰ですね】


 コメント頂きました!!嬉しくねえ!!見られていた!!もう、踞ってしまうしかない!!!


【ロドリゲスの姿ですがね】


 そうですね!!良いじゃないか!!俺は俺だ!!外側はロドリゲスでも中身は俺なの!!


 ま、いいや。執事なり、侍従なりを捕まえるべ。何処かな?


 重い扉を開け、扉の横に立っていた衛兵に声を掛ける。


「食事を頂けますか?なるべく沢山欲しいです」


 俺の言葉を聞いて、衛兵が離れていく。扉を閉めて、椅子に座り男達の行為を眺めるでもなく眺めていた。


 軋むベッドの上で絡み合う男女。実際は男しかいないけどな。

 しかし、誰一人脱落しないな。普通は体力がいると思うんだけどな?え?全員体力バカだったの?


「陛下、お食事をお持ちしました」


 扉の叩く音と女性の声が聞こえたので、そっと扉を開くとまだ若い女性がカートと一緒に立っていた。

 彼女はメイドらしい。茶色の髪に茶色の大きな瞳の可愛らしい少女で白黒のシックなお仕着せを来ている。

 よく見ると僅かに震えているのが見える。多分、怖いんだろうな。今の俺の姿はロドリゲスだしな。


「ありがとう。自分で運ぶから」


 そう声をかけてカートを自分で運ぶ。扉を閉める時に見えた彼女の表情は呆然。

 いつもだったらロドリゲスに呼ばれていたんじゃないかと思う。

 またロドリゲスに無理矢理抱かれる覚悟で来ていたのだろう。ま、中身俺だから有り得ないけどな。


「ご飯ですよ」


 ベッドへと声を掛けるが、休む事無く男達は動き続けている。スキルの催淫効果を切れば良いのか。


【神力:催淫効果を切りますか?

YES or NO】


 イエス。すると絡み合っていた男女が一気に甘い雰囲気になり、キャシーにベタベタし始めた。


「腹の子はきっと俺の子だ」


「…………」


 キャシーの薄い腹を愛おしそうに髭面の男が撫でている。それに反応したのが、痩せぎすの男。


「いや、俺だろ」


「いやいや、儂の子だ」


「お腹空いたな」


 そこですかさずカートを押して男達の前に食事を並べる。男達は一瞬俺の顔を見て、ギョッとしたが、直ぐに恋人へと興味を移していく。

 ぐったりしたキャシーに手ずから食事を与えたり、口移しで飲み物を与えたりしている。その甘い雰囲気に胸焼け気味の俺だったが、耐えた。誰か耐えた俺を誉めて!!

 だって乱交してた奴等がいきなり、リア充で私達幸せです!みたいな空気出すんだぜ!!やってられっか!!こちとらその欲求さえ無いんだぞ!!枯れてんじゃねぇぞ!無いんだ!露程もなっ!!泣いてないぞ!!賢者や魔法使い通り越して神様だぞ!!嘆いてなんかないもんね!!!目から滲み出したのは、あれだ、あれ、ヨダレ!ヨダレなんだよ!くっそ!!ヨダレが目に染みる!!


「ふう、食った食った」


「美味しかったかい?」


「………」


「照れてるんだな、可愛いな」


「腹が膨れたんなら、風呂に入れば?汚れてんぞ」


 俺が風呂に入るのを促すとキャシーの男達の欲で汚れた体を一瞥する。確かにそうだ、と言うように頷くと風呂に入るべくベッドから降りてきた。








読んでいただき、ありがとうございます。

なんか暗い。

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