テンキヨホウ
昨日のあれは、・・・何?
木坂くん、好きな人、・・・音葉じゃ・・・。
真友はぼーっと考えていた。
「有岡」
「へっ!?」
思わず変な声を上げた真友を、木坂は笑うと、こういった。
「提案なんだけど。有岡、遊園地いかね?」
「え?」
「この前、バスケ大会で優勝したろ。賞品として、「有名テーマパーク」のチケットが当たってさ。ペアチケットなんだけど、・・・有岡は、応援来てくれてたから、誘いたいなぁって思ってて」
木坂は「どう?」とたずねた。
「うん、行きたいっ!・・・あ、でも・・・」
「え、どうかした?」
「その日、天気予報は雨だったような気がする・・・」
そう。その日は雨になりそうです、天気予報士が言っていたのを真友は思い出した。
「じゃあ、てるてるぼうずでも作るか」
「えっ、・・・坂君、も、・・・信じてるの?」
「あったりまえだろ!てるてるぼうずのおかげで、俺の遠足に運動会、家族旅行、遊園地、すべて救われたんだからなー」
「す、すごーい」
真友はパチパチと拍手した。
「じゃ、今日の放課後俺んち来いよ!ティッシュならいっぱいあるし」
「・・・あ、・・・えと・・・じゃ、じゃあ、・・・おじゃまします」
真友の顔が赤くなった。1回行ったことはあるけれど、それは寝ていて家の様子を見ていなかったし・・・。
「よっ有岡!」
「木坂くん!」
「入れよ。上の正面が俺の部屋だから、座ってて」
「は、い」
真友はきょろきょろした。
きれいに片付いた玄関に、階段上がるときにちらっと見えたリビング。廊下も、全部がきれいだった。
「木坂くん家、きれいだね」
「有岡が来るから急いで片づけただけだよ。いつもはこう、もっと、ぐっちゃぁーーーーって感じ」
はいこれ、スーパーのお菓子だけど、どうぞ、木坂は言った。
『えー、5日後に、大きな雨雲が接近し、大荒れとなるでしょう。では全国の予報です・・・』
「・・・やっぱ雨だな」
木坂は言った。真友もうん、とうなずく。
「ま、このてるてるぼうずさえあれば、へっちゃらだろ!」
紙を丸めて、木坂は言う。木坂はもうすでに3個作っていた。
「木坂くん早い」
「昔っから作ってたしな。・・・ところで、これ、調理室に飾っていいか?」
「へ?調理室?」
真友は首を傾げた。
「1回でも飾った場所に飾ると、晴れねーんだよ。・・・って、うちのお父さんがお話作ったんだけど、信じちゃってんだよな俺」
「へえ、そうなんだ」
「ってわけで、調理室今から行くぞ!」
「うん!」
木坂と真友は走り出した。
「こんぐらい、か」
木坂はてるてるぼうずを取り付けると、「イェーイ」といった。
「うん・・・」
真友は視線を感じていた。
その視線は・・・音葉のものだった。




