人にとっては小さな悩み 人はそれをもげろと言う
久々投稿。
「何なんだあいつ!!」
ダン!とテーブルにコップを割る勢いで置く男を、俺はどうしたものかと、半眼で見た。
県外に就職し、高校時代の友人の結婚式に招待され、久々に戻った地元。
式からきっちりその後の三次会まで出て、地元でしか味わえない楽しい時間をもう少し味わいたいと思い、お向かいに住む幼なじみ(コイツも式から参加組)と実家の自室で缶ビールで四次会を始めた午前0時。
俺は早くも後悔した。
何故なら。
「あいつの体、年々好くなるから、俺のち×こは年々長持ちしなくなって、もープライドぼろっぼろじゃ!!」
まあ、酒の入った状態で、夜も遅くなれば下ネタさんが登場してもおかしくないのだが、この幼なじみの奥さんとは同じ中学校出身で、俺もよく見知った人だ。
「中もなんなの!特別なミミズが居るわけでも、数の子装備してる訳でもないのに!」
子どもと言うには大きいが、その位の頃から知っている女の人の体事情…
口が裂けても本人は漏らしてはしくないであろう話題。不可抗力でも知ってしまうとは、なかなか後ろめたい気持ちになる。
「てか、あいつらいったい日本の中にいくらの割居るの?名前は聞く割に遭った話は聞かんのだけど」
それは俺も知りたい。
「あいつの欲しがる場所は俺に取ってもイイ場所過ぎて、攻めたらこっちが保たずにイきそうになって、焦らさないでって言われるし~ぃぃい!」
ああ、そりゃぁ心身共にしんどいな。
この幼なじみの嫁さんは、中学一年の時に同じクラスで出会った。彼女は明るく活発で、クラスの女子の中でも目立つ存在だった。急にギクシャクし出すあの年頃特有の男女の橋渡し的なポジションだったから、担任にも頼りにされてた部分があったと思う。
そんな彼女は女子としての成長は遅く、中1中2の頃は小学生の延長みたいな女だったが、中3の夏、この目の前でグダグダになっている幼なじみからの告白で、カレカノとして付き合い始めた頃から急に変わり始めた。
男女の差なく全部が平等だった小学生女子から、急に雰囲気が女らしく大人び始め、もともとちょいポチャだったのに、いつの間にかスラッとして、きらきらしていた。
どこがで聞いたことある“愛されてる女性の内面から輝くような美しさ”と言う表現を初めて俺に納得させる形に体現させていた。
余談として、今にして思い出して見れば、中学の夏服でぺったんこを確認出来ていた胸は、高一の夏服ではちゃんと小振りながらも女性らしく膨らんでいたような気がする。
「年取って、出産経験して、つきあった頃みたいな体型じゃなくなったくせに!これが上司のおっさん共が年代毎のヨサなのか!?うう…魅惑のバディめっ!」
テーブルに突っ伏し文句にもなってないノロケを吐き出す幼なじみの後頭部を乱暴にかきまぜる。
そろそろ面倒くさいので寝て欲しい。
「どっかで、女は三十代から性欲が増言う記事も読んだことあるのに、長持ちせんチ×コでどー挑んでいけばええんやら…俺はどーしたらええんじゃ」
突っ伏して顔は見えないが、この酔いどれ幼なじみが心底困っている事は、長い付き合い上わかる。
確かにこんな事、同僚にも他の友達にもなかなか吐き出せないわな。
それに俺の知る限り幼なじみの異性経験は、風俗すら無しの嫁さんオンリーだったはず。
「お前さあ…他で試してみるか?」
よくわからないが、経験人数お互いのみ。と言う事は、一対一のみで何年もかけてお互いの好いところを集中的に刺激しあってきた結果ではないのだろうか。
ならば他で一度すれば、自分達の一番好いところを刺激しなくてもいい分、長い時間持つのではなかろうか。
そうすれば自信も回復。チ×コもオンリー嫁さん仕様じゃなくなって少し持ちも改善される。かもしれない。
「えー…他ぁ?」
「そー本当に自分の息子が本当にヘタレなのかを確かめてみてもええんじゃねーの?」
まあバレたら大事の諸刃の最終手段ではあるが、生涯一人ってのも、長い人生損してるよーな気もする。
綺麗な話それは素晴らしい。だがリアルはもっと色々ダーティーな訳で、人の心はもっと複雑で、本当にそれでいいの?て思ってしまう。
酔ってるし、気の知れた間柄だから何の考えもなく口にする。
多分この案にこいつは乗らない。
結婚したら以後の人生はお互いのみの貞操の約束。本当にそんなんでいいの?できんの?男の欲ってそんなでどーにかなんのら?俺の純粋な疑問。
「えー……うーんんん~」
大分べろべろになってるこいつが何処まで答えてくれるか。
「うーん…面倒~」
「なんじゃそりゃぁ」
「そりゃぁーさあぁー…下からはどんどん若くて可愛いコが出てきて、好みどストライクのコもいるよ~。…でもなぁ~色々行動する前に頭がストップかけるんよねー…理性なんかなー?で、考え出したら、やっぱ嫁さんがええんよなぁ。ヤってるときの顔なんてさぁ、やっぱキレイなもんじゃないけどさぁー…それでもその顔が見たいんよなー……よー分からんけど…やっぱりあいつがええんよなぁ…」
そのままグスグス嫁さん恋しいで泣き酒になり始めた幼なじみに俺は唖然とした。
世の中これだけの自由と誘惑、よく分からん経験人数一人は損じゃね?的な感覚があって尚、それでもパートナーだけでいい。本当にそう言い切っている人は初めて見た。
二人の人間が出会い、男女の仲になるのは比較的簡単だと思う。だがそこから夫婦のステージまで一緒にいける他人は限られていて、更にこの人だけでいいと言えるの相手に出会える人間は更に更に限られている。
今日結婚した高校時代の友達。あいつもそんな可能性を持った人を見付けたのか。
二十代の後半戦が終わりが目前に迫ってくると、人生に焦って何か形をつけようともがく一回目のタイミングだと思う。
でも、そこであれこれ頭の中でこねくり回して要らない想定までして考えて、結局タタラを踏んで前に進まず、喉元すぎて落ち着くタイプの俺はそんな悩みすら羨ましく思う。
だから心からこの言葉を贈ろう。
激しくもげろ!
尻切れ感スマンデス
気が向いたら修正するかな?