僕の執筆道具履歴
最近、色々とあって小説執筆とWebサイト更新が滞りがちだけれど、未だに個人サイトは運営している。色々と好き勝手に弄り回してはいるものの、文芸サイトという点だけは一貫して守っている。
文芸サークルやら小説同人やら「小説家になろう」やら色々と使っているわけだが、基本的に原稿はテキストファイルで保管するかエディタその他でHTML化して個人サイトで公開するようにしている。いずれにしろ、テキストファイルという点は変わらない。テキストファイルにしているのは、これまで私は旧Mac、Windows、Linux、Macと各種OSを渡り歩いたことが大きい。
大学のサークルやオタク系同人、文学系同人に個人サイト、そして「小説家になろう」と色々な場面で小説、詩などを書いてきた結果なのだが、ちょっとその道具を思い返してみたいと思う。
私が最初に小説などを書き始めたのは、大学生になった年だっただろうか。KOKUYOの四百字詰め原稿用紙に手書きで書いて、どこかに投稿したような気がするが、題名も内容もとうに忘れてしまった。その後、大学で児童文学研究会に入り、パソコンでの執筆を開始した。最初はソフトがよくわからない上にMacだったので「Microsoft Word」で書いていた。
大学二年生になり、エディタというものが便利だと知ってフリーウェアのエディタも使い始めた。まず使用したのは「YooEdit」。これは文字数もカウントできるし何より起動がやたらと軽くて便利だった。また「クラリスワークス」も入手したが、これは縦書きが上手く使えず「ORGAI」というワープロソフトも併用した。ORGAIは小説等執筆前提のワープロソフトで原稿用紙が優れていたものの、動きが悪く止まることもあって難儀した。
とにかくこの時点で、使用するワープロソフトが多岐にわたる上に、所属していた総合書き物サークルがテキストファイル入稿を原則としていたため、とにかくエディタで書いて印刷だけワープロソフトを使うというサイクルに馴染んでいった。
大学生時代のうちに「クラリスワークス」がバージョンアップして縦書きを完全に使えるようになり、「ORGAI」はあまり使わなくなった。また「YooEdit」のバージョンアップが全然されなかったため、エディタは「JEdit」に移行した。今でも、クラリスワークスはこれまで使った中で最高の一つだ。
就職して間もなく、パソコンの調子がおかしくなって「パソコン工房」のパソコンに移行した。ここで初めてWindowsXPを使うことになった。少しの間、何やら適当にエディタをふらふらしていたけれど、結局は「Microsoft Word」と「秀丸エディタ」に落ち着いた。
秀丸エディタは本当に手になじむエディタで、黒背景がお気に入りだった。また、もう名前は忘れてしまったが、複数ファイルの検索・置換を簡単にできる検索専用のフリーソフトも入手し、膨大に文章を書いていた。
だが数年後、このパソコン工房のパソコンにジュースをぶちまけてオシャカにしてしまい、NECのパソコンに移行した。こいつはWindows Vistaの走りで動作が重く、エディタですらかくつくことすらあって悩んだ。そうしているうちに前述の検索・置換ソフトまでサポートが終了してしまった。
この頃、個人サイトはPHPやJavaScriptなどのコードも書いていた上に色々試行錯誤していたところ、文字コードの互換性で色々はまってしまった。具体的には、WindowsのShift-JIS(CP932)とUTF-8、DoCoMoの絵文字間の混乱である。その上、テスト環境としてインストールしたApacheもトラブル続きだった。
ここで私は思いたち、ついにUbuntu Linuxへ移行した。こちらでは「gEdit」で執筆して複数作品の検索・置換はgrepやsedを使うようにした。登場人物の名前を複数ファイルにわたって置換したり、漢字の表記を一括して置換したりと、sedの便利さは些末に近い文章技術の磨きに使える道具となった。
一応、こんな感じでサーバのテスト環境のトラブルもなくなり検索・置換もsedやgrepが便利ではあったが、gEditは突然異常終了することも多く、困ってしまった。
そこでMac OS XもUnix系ツールを使えるという話を耳にしたのでMacを購入した。現在はエディタに「mi」と「CotEditor」を使用し、grep、sedはプリインストール版を使用している。最近はブラウザで使える文章校正ツールや小説形態素解析のWebサイトも使うこともある。
ただ、それでも紙ベースの寄稿は原稿用紙換算だったり、下手をすると紙印刷が必要とくる。それでずっと「Microsoft Word」は手放せずにきた。しかし2017年、遂にOfficeのサポート期間が終了、新たに買うか迫られる事態となった。そこで無料の「Libre Office」を使用してみたところ、何とか原稿用紙設定が以前より使えるようになっていたのでLibre Officeを使用していくことにした。その後、Macを買い換えたのに合わせ、Mac標準のPagesに移行した。
また最近、主に他の用途だけれど、TeXShopをインストールしてLaTeXも使うようになっている。こいつはスクリプトやHTMLを書くに近い感覚があるので一筋縄ではいかないが、私の好きなテキストファイルベースなのでなるべく活用してやろうと思っている。
まだまだ不満はあるのだが、つくづく小説書きにぴったりな環境はなかなか見つからないものである。