表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/18

十.正体

 その夜。

 家で単語帳に答えを書き込みながら、僕はアルさんの正体について考える。

「国連常任理事国を知ってるなんて、江戸時代の町娘とは思えないぞ」

 常任理事国が設定されたのは第二次世界大戦後の話だし、さらに『アフロ中井』はソビエト連邦がロシアに変わってからの語呂合わせだったりする。

 そもそもアルさんは洋服を着ているじゃないか。町娘が幽霊になったのなら和服で登場しなくちゃおかしいだろ?

「やっぱり、宇宙人なのかな……」

 それもなんだかぱっとしない。

 そもそも宇宙船が隠された形跡もないし、あの場所から動けないというのも宇宙人っぽくない。

「あー、わからないけど、美人だからいっか」

 数時間前のアルさんの笑顔。

 特に、僕が「この町を嫌いじゃない」と言った時の安堵の表情が忘れられなかった。

「古都里にもちゃんと謝っておこう」

 この単語帳を渡す時に、一言謝らなくちゃいけないな。

 母さんのことは恥ずかしくて言えそうにないけど。

 古都里だって、僕の本心が伝われば分かってくれるはず。

 アルさんの笑顔がそれを証明していた。

「そうだ、そういえばLEDを見に行かなくちゃ!」

 僕は突然思い出す。

 電球交換は今度の日曜日だ。

 明日の夕方は電器店に寄って帰ることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ