虐殺の門 -ヒュウガ
リョウが残り100メートルを切ったところでヒュウガが足を止めた。この弾丸の雨の中、立ち止まる事は死を意味する。ヒュウガはドラグノフを構え、ある一点に標準を絞る。そこは門の10メートルほど上部にあるガトリング。このガトリングが幾多のパーティーの門への侵入を防いできた。まさにこのガトリングこそ最後の詰めに邪魔な定石となっているのだ。ヒュウガがここまで死にもの狂いでたどり着いた理由は、このガトリングを破壊するために他ならない。3人が抜けなければならない状況で、あのガトリングは最後に必ずトラブルを招く。
それも取り返しのつかない最悪のパターン。それを何度もヒュウガは見てきた。
だから彼は遠のく意識を呼び起こして、ドラグノフで狙えるこの地点までたどり着いたのだ。
狙うのはガトリングではない。それを操るハイイーター。
ヒュウガの体には何発もの弾丸が貫通していく。しかし、ヒュウガは微動だにせずドラグノフの構えを解かない。
そして静かに引き金を弾く。放たれた弾丸はハイイーターの頭部に命中。
唸っていたガトリングは動きを止めた。それを確認してヒュウガは崩れ落ち、姿を消した。トライアルでスラムドッグスをコンプリートに導けなかった負い目が彼にはあったのかもしれない。
元レイニーデイズとしての誇りとプライドが成せたのかもしれない。
だが1つ言える事は、ヒュウガの渾身の一発がアタック部隊を門へと誘う究極の一撃であったという事実だ。
狙撃手ヒュウガ。この国で最強の狙撃手が最後の道をこじ開けた。




