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【40万PV達成❤️】絶望のFRONTIER  作者: 泉水遊馬
虐殺の門
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虐殺の門 -1


2118年12月28日

レイニーデイズ連隊の14人が四川楼に集まった。アキラがまず口を開く。

「みんな…よくがんばってくれた。ここまでたどり着けたことを深く感謝する。」

アキラが頭を深々く下げた。次にヒュウガが立ち上がり、

「トライアル失敗…本当にすまなかった。【虐殺の門】ではスラムドッグスのメンバーは全力で挑む。

必ずコンプリートしよう…!!」

と必死の表情をして言った。次にヒデが、

「やっとここまでこれたな。長かった…。しかし、これでやっと本番だ。俺たちなら必ずコンプリートできる!!

自分の役目を果たせ!!」

と激を入れる。

3人のパーティーリーダーの言葉に皆が頷く。

そう、今日は決起大会に均しい。次にこのメンバーで集まるのは、祝勝会か残念会である。

皆の表情を一通り見てアキラが決意の声色で、

「3パーティー連隊の配置を発表する。」

と言う。皆の表情が強張る。

「アタック部隊レイニーデイズ。ナギサ。リョウ。ミオ。シーナ。そしてツバサ。

盾部隊ヴァンダルハーツ。キョウジ。ヒュウガ。スグル。アサミ。そして俺、アキラだ。

囮及びバックアップ部隊エンドオブザワールド。ナギサ。シゲ。ダイキ。アツヒロ。ヒデ。

この布陣で【虐殺の門】へ向かう。」

アキラの言葉はある程度、メンバーが予想しえた構成だった。しかし、いざそれが決まると緊張が増す。

「それぞれのパーティーの役割はみんなわかっているはずだ。しっかり各パーティーで確認をしてくれ。」

アキラはそういうと席に着いた。

一時の静寂。パーティー全員が頭の中で様々な考察をしている。

ここで一人。この静寂を切り裂く発言をする。

「悪いが…。俺は降りる。」

シゲだ。

メンバーが困惑の表情でシゲを見る。

「どういうことだ?」

アキラが問い詰める。

「【虐殺の門】へはツネを使ってくれ。申し訳ない…。俺では戦力になれない。」

シゲの言葉にヒュウガが怒鳴る。

「おいシゲ!!今さら何言ってんだ!?今まで一緒にやってきたじゃね~か!!最後も共に行こう!!な?シゲ!!」

ヒュウガの言葉にシゲは不思議な程、冷静な表情で語り始めた。 

「俺は今まで様々なパーティーに参加してきた。だからこのメンバーの中では一番経験という面ではずば抜けたものをもっていると自負している。

しかし…。【虐殺の門】への必要である駒という面では…俺は役不足だ。そのへんは…アキラさんが一番理解しているんじゃないか?」

シゲの言葉にアキラは言葉を返さない。

「なんで!?シゲはどんな状況にも対応できる凄いプレイヤーだよ!!」

ミオがシゲに詰め寄る。

「ミオ…ありがとう。俺はここまでこの連隊でみんなと一緒にやってこれたことを本当に幸せに思っている。

だからこそ…必ずコンプリートしてほしいんだ。そのためには…俺ではなくツネを使うべきなんだ。

この意味…アキラさん、わかるよな?いや、アキラさんはその構成を望んでいる。そうだろう?」

シゲはアキラをまっすぐ見ながら言った。アキラは沈黙を守っている。

「生きた心地がしたよ。俺のような障害者を、平等に扱ってくれる場所…。

この連隊が俺の本当の居場所だ。だから、俺はここでリタイアする。

お前たちにコンプリートしてほしいから。俺のポジションに一番ふさわしいのはツネだ。

アバターMのジェネラスより、アバターLのコーネリアスの方がすべてにおいて上回る。

俺はサイトの運営者であり、ジャーナリストでもある。

レイニーデイズ連隊…俺の仲間の生きざまをモニターから全てを見届けて世界中にリアルタイムで速報してやる。

俺にしかわからないメンバー一人一人の心情も実況してやるさ。

ヒュウガ、アツヒロ、ミオ。お前たちと過ごした時間は俺にとって至極の時間だった。本当にありがとう。」

シゲは頭を深々と下げて言葉を締めた。そうして席を立ち、出口へと向かい、少しためらいを見せながら姿を消した。

「シゲ!!」

ミオが追う。

「ミオ!!行くな!!」

それを止めるアツヒロ。きっとシゲはアツヒロには相談していたのだろう。

腕を組み厳しい表情でミオを止めるアツヒロ。共に戦ってきた戦友の決意を誰よりも理解している姿だ。

「シゲの決意には敬意を払う。誰よりも今の連隊の状況を理解している彼だから決意できた事だろう。」

アキラがうつ向き気味に言った。ヒュウガが目を潤ませながらシゲの事を話し出した。

「アイツはどんな時もスラムドッグスのために尽くしてくれた恩人だ…。」

と。 ヒュウガが続ける。

「あいつは若くして咽頭癌になっちまった。手術で声帯を切って声を失い、喉の振動で発声を補助する機械を常に装備して俺たちとコミュニケーションをとっていた。

人から聞いたんだが、あの機械は装備したから誰でも使いこなせるって代物じゃない。

あそこまで完璧に言葉を伝えるためには、辛いリハビリや訓練があってこそ完成された結果なんだろう。

あいつほどパーティーへの忠誠と忠義に満ちたプレイヤーはいない。

俺はスラムドッグス結成の時に、迷わずあいつを引き抜いた。

もともと顔見知りだったが、あいつの人間性が俺の心を掴んだんだ。

世間から差別や卑下されている障害者のシゲにとってFRONTIERだけが自分が自分らしくいられる世界だったんだ。

俺はそんなシゲを誇らしく思う。そしていつまでも仲間だ。」

ヒュウガは一気に話すと席にバタンと座った。

「シゲ…」

ミオが涙目で呟く。アツヒロが続ける。

「さぁ、アキラさん。シゲの気持ちも汲んでくれよ。

あいつは本当にこの連隊でのコンプリートを願って身を引いたんだ。

MR.コーネリアスの招聘をまず確定させてくれ。シゲは心配するな。

あいつが俺たちの栄光を世界中にライブで実況してくれる。あいつも楽しみにしているよ。」

アキラはアツヒロの言葉に大きく頷き。

「4日後の大晦日。必ずコンプリートして世界中にレイニーデイズの名を轟かせてやる。」

アキラの強い言葉にメンバにみんなが大きく頷いた。 


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