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【40万PV達成❤️】絶望のFRONTIER  作者: 泉水遊馬
ラズルシェーニエ 破壊
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ラズルシェーニエ 破壊 -6

学校が終わるとすぐさま店に直行。仕込みをハルカと行い、開店に備える。今日は店には予約が入っており、貸し切りとなる。その客とはエンドオブザワールドのメンバーだ。店にはハルカとナギサと俺の3人態勢である。

といってもハルカとナギサも客席に座ると予想され、カウンターには俺がひとりとなり、全ての作業を俺がこなさなければならない。

いわゆるエンドオブザワールドのトライアル祝勝会と、スラムドッグスのトライアル結果をみんなで待つという集まりを我が店で行うってわけだ。

ハルカが揚げ物を大量にあげ、俺はサラダを盛り付ける。

ナギサはカウンターに人数分のグラスや皿を並べエンドオブザワールドの面々を待つ。

一番最初に来店したのはヒデ。店につくなり酒をグラスにつぎ、ひとり飲み始める。


続いてアサミが到着。ナギサにまとわりついて甘える。ナギサも満更でもなく、キャッキャッと戯れている。

そしてリョウが店の扉を開く。俺と目が合い、

「足は大丈夫?」

と声をかける。

「うん。大丈夫!!」

俺の返答にリョウは笑顔になり、カウンターに回り俺の作業を手伝い始めた。

「あら、リョウ。今日はお客様なんだから、席について。」

ハルカの言葉にリョウは、

「はい。」

と素直に手を止め客席についた。

「ダイキは10時すぎるそうだ。先に始めよう。」

ヒデの言葉でエンドオブザワールドとハルカとナギサはグラスに酒をつぎ、宴が始まった。

俺はハルカが用意した前菜を皆の前に置いていく。

「シーナは食べないの?」

リョウが気を使う。

「シーナはお仕事よ。なに?リョウはシーナが隣にいないと淋しい?」

ハルカが意地悪な顔をして茶化す。

「そんなんじゃないです!!」

必死に反論するリョウだか、

「もうバレてるよ~。」

とアサミ。真っ赤な顔になるリョウと厨房に逃げる俺。

「お似合いよ。」

のナギサの言葉がとどめになり、リョウはさらにらしくなった。

「今日は結ばれた二人のお祝いも兼ねよう。」

ヒデが言うと、

「うるさい!!」

と、いつものリョウらしさが戻った。楽しい宴だが、俺は客席側ではなくカウンターの中。

でもリョウとはいつも目が合う。幸せな時間にはかわりなかった。

しばらくしてダイキも到着。俺はひたすら酒をつくり、食事を出す作業をこなしていた。 


宴が始まり、リョウがヒデへの不満をぶり返す。

「なんで【デッド・タワー】のラストステージのセーブポイントが開いているって教えてくれなかったの?」

リョウはヒデの伝達ミスを根に持っている。

「う~ん…言ったつもりだったがなぁ~」

ヒデがうやむやにしようと逃げる。

「聞いてなかったよ。」

ダイキもリョウに加勢する。

「ヒデ言ってなかった。」

アサミも加わる。

困るヒデの様子を見てハルカが口を開く。

「あなたたち…事前にリサーチしていなかったの?

ネットで【デッド・タワー】を調べれば経験者たちの情報でわかるはずよ。ヒデを責める前に個々の準備不足を反省しなさい。」

と強い口調でリョウとダイキとアサミに言い放った。

黙る一同。

「わかった!!悪かったよ!!俺が悪い!!すまなかった!!」

ヒデが場の空気を浄化させるべく非を認めた。

「そうね。それでいい。リョウも許してあげて。」

ハルカの仲裁に頷くしかないリョウ。

「さ、リョウちゃん呑も。」

ナギサがリョウの肩を抱いて空気を変えた。それを羨ましそうに見るダイキ。

ダイキはナギサが好きだ。みんな知っている。

知らないのはナギサだけだ。

俺は、

「リョウさん、ちょっと手伝ってもらえます?」

と言った。

リョウは笑顔で頷き席を立ちカウンターに入り料理の配膳を手伝い始めた。

リョウが席を立つことで一席開けてダイキとナギサが隣になる。俺は目でダイキに合図を送る。

それに気づいたダイキが席をひとつずらしてナギサの隣に着地した。

「そういう事ね…気が利くじゃない。」

小声でリョウが俺に耳打ちする。しかしこういった場面でのダイキは弱い。

今までチャンスはあったがナギサを食事にすら誘えなかった草食男子だ。

「援護よろしく。」

と、俺の言葉にリョウは頷き二人の前に立ってダイキとナギサの会話を促す。

ダイキはリョウの援護射撃によりナギサとの会話を『がんばって』いた。

俺はアサミとハルカに絡まれながら覚えたてのカクテルをつくり続ける。宴はそんな流れで盛り上がっていた。

「お、トライアルはじまったな。」

ヒデが携帯端末を見ながら言う。俺も端末を開き速報を確認する。スラムドッグスのトライアルがスタートした。

挿絵(By みてみん)

俺は昼間、ミオにメールを送った。『ミオがんばって!!』と簡単な内容だったが、『うん!!がんばるよ!!』と力強い返信に安堵した。

ミオは責任感が強い。彼女がスラムドッグスのエースとして重圧を感じている事は明らかだ。リョウもミオを気にしていた。連隊の中でもミオはみんなから愛される存在にある。

だからこそミオには最高のパフォーマンスを期待してしまう。リョウと並び天才と称されるミオだが、その性格から責任を抱えてしまう傾向がある。しかもそれを表に出さないから、周囲はミオが強い女だと勘違いをおこす。

ミオは明るい性格を自ら作り上げて振る舞っているが、実は非常に繊細でマジメな気質にあることに気づいているメンバーは少ない。そんなミオを一番心配しているのがリョウである。

リョウはミオの性格を見抜いていた。それはきっと気丈に振る舞う自分と同じ臭いを感じたに違いない。天才と称される二人は自分の個性を貫くことで、この世界を生き抜いているのだ。

ミオは両親が教師という家庭環境で育った。横浜の名門私立に通うミオは、成績もよく器量もいい。

だがそんな環境に窮屈さを爆発させていた。そして両親のしつけの厳しさへの反発心から飛び込んだ世界がFRONTIERだった。

きっと彼女が才能を開花させた理由は偶然ではなく、マジメに取り組む姿勢があったからだと思う。

だから天才というのは彼女の本当の姿を理解している者には違う表現になる。

努力家で勤勉で協調性が溢れるプレイヤー。これが彼女の本来の姿だ。

そしてなによりも誰にでも優しく接する事のできる慈愛の女性なのだ。ミオの笑顔はみんなを幸せにする。だから皆がミオを好きになる。そんな、ミオを心配してならない。さっきからリョウやアサミもミオを気にする言葉を口にしている。

「ミオは大丈夫。あの子は私の知る限り最高のプレイヤーよ。」

とハルカも認めている。俺はミオがきっと吉報をもたらしてくれると信じて端末を見ながら速報の更新を待っていた。


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