ラズルシェーニエ 破壊 -1
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レイニーデイズ連隊トライアル第2弾。
エンドオブザワールドが挑む、R-SフィールドNO.4【デッド・タワー】。
俺にとって初めてのトライアルミッションだ。そして初めてであって絶対に失敗の許されないミッションでもある。
学校が終わり、急いで電気街のステーションに急ぎパーティーと合流。エンドオブザワールドのメンバーはもちろんだが、アキラとツバサの姿もあった。
「ヒデ。必ずコンプリートしてくれ。ここが今後の鍵だ。」
アキラの言葉に頷くヒデ。リョウが俺に近づき、
「シーナ、ちゃんと私についてきてよ。」
と呟く。
「はい。」
応える俺に笑顔をくれるリョウ。二日前に結ばれた俺たち二人にもう垣根はない。恋人であり、同じ立場で同じステージを戦う戦友となったのだ。
「私はトップでいいんだよね?」
アサミが柄にもなくポジションの確認をする。そんなアサミにリョウが近づき、
「緊張しないでアサミ。ずっと一緒にコンビでやってきたじゃない。
私の相方はあなただけよ。それにシーナが私たちをしっかり導いてくれるわ。ね?シーナ?」
とアサミの肩を抱いて俺に振る。頷く俺に次にダイキが、
「シーナの動きに合わせるから、距離感だけ気をつけてくれ。」
と確認。ダイキもかなり緊張しているようだ。
なぜだろう?俺はいたって冷静だ。ここまで来てしまえばもう迷いはない。
俺はエンドオブザワールドのスキッパーだ。自分の役割を完璧にこなす。それに集中するだけだ。
「シーナ、頼むぞ!!」
ヒデの言葉に頷く。
「レベル3、随分と落ち着いているな。頼もしいぞ。」
アキラが茶化す。ツバサがアキラにキレ気味に言う。
「このミッションはシーナのポジショニングがコンプリートを左右するわ!!
いいシーナ?あなたは私の特訓に耐えてよくがんばった。自信をもって!!あなたならできるわ!!」
俺はツバサに対して大きく頷いた。
ツバサこそ、俺が今この場にいれる恩人だ。彼女の指導があったからこそ俺は、FRONTIERの世界で上位プレイヤーまで成長できたのだ。
「さぁ、行こう。」
ヒデの言葉に一同ブースへと歩き出す。
「がんばって!!」
ツバサの言葉を背に、俺たちはトライアルミッション【デッド・タワー】へと向かった。
ツバサが立てたミッションプランニングは、前衛のリョウとアサミとスキッパーの俺が交互に前進するトランスアタックだ。俺が前を開き、そこに2トップが前進。再びダイキの援護で俺が前に出てスペースの確保を行う。
非常に時間と忍耐が必要とされるミッションプランニングだ。
3つあるトライアルミッションの中でも、この【デッド・タワー】は特に時間がかかる。
時間をかけながら確実に前進する事が求められる戦略的なステージなのだ。
S級のニュートラルフィールドでエンドオブザワールドは合流。
このフィールドを経験しているのは、レイニーデイズ時代のヒデだけだ。
ヒデが10フロアごとに体制を整えるため、待機の合図を送ると提案。
150フロアをかけ上がるこのミッションで、フロアごとに変わる状況にその場その場の判断が必要とされるのだ。
『シーナ。オフェンスはお前に任せる。焦らずじっくりいくぞ!!』
ヒデの言葉に頷く。
『シーナ、後ろは任せろ。責任もって援護するから。前衛に集中してくれ。』
ダイキの言葉にも頷く。
『シーナ…。』
アサミが不安そうに俺を見る。
「大丈夫だよアサミちゃん。必ず最上階まで誘導してみせるから。安心して任せて。」
俺の言葉にアサミが何度も頷く。このやり取りにリョウが口を開く。
『まさかシーナがここまで成長するとはね。今、このパーティーを牽引しているのは間違いなくシーナ…あんたよ。』
リョウのこの言葉に、俺は皆に向かって頭を下げた。
『2年前、俺を拾ってくれてありがとうございました。
あなたたちのおかげで俺は居場所を手に入れ、大切な仲間がたくさんできました。
今日…そのすべての恩をお返しします。』
『なんかシーナ…大人になった…。』
アサミの呟き。
『私もあんたと出会った奇跡を神に感謝しながら戦うわ。』
リョウも言う。
『俺は、お前たちに出会えて…本当によかった。』
ヒデがメンバーひとりひとりの顔を見ながら感慨深く言う。
『そういうのはコンプリートしたあとに皆で抱き合いながら言ってよ。』
ダイキのヒデを茶化した言葉が、皆の緊張を和らげる。
『よし…必ずコンプリートしよう。コンプリートしたら、俺がなんでもおごってやる!!』
ヒデのこの言葉が号令となり、R-SフィールドNO.4【デッド・タワー】へとフィールドチェンジした。




