BELIEVE IN LOVE -5
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アキラとヒデと別れ自室に帰ったのが夜10時。
ドップリ疲れを感じた俺は、簡単にシャワーを浴びて布団に転がり込んだ。眠気に襲われ意識が飛ぶ。
次の瞬間…けたたましくドアをノックする爆音に意識が戻る。そのまま無視して眠りにつこうとしたが、ドアを壊しそうな勢いで止まらない爆音に、重い体を起こして扉を開けた。
そこにはリョウが立っていた。一気に眠気が覚める。
「あ…お疲れ様です。」
俺の一言にリョウが、
「なんで端末にでないのよ!!」
とお怒り気味に言った。俺は端末を常にマナーモードにしているため気づかない事が多い。
「あ…すいません。」
俺の謝罪に、
「まぁいいわ。」
とリョウは表情を和らげ、部屋に入ってきた。
「で?アキラさんとはどんな話をしての?」
リョウが俺の布団にどかっと座り聞いてくる。俺は対面に腰を下ろし、自分がアタックの部隊に入るというアキラのプランを話した。
「ふぅん…なるほどね。」
リョウは頭の中でいろいろな事を処理しているように、思案のポーズを見せる。
「それを聞きにわざわざ来たんですか?」
俺の問いに、
「だって気になるじゃない…。」
と上目遣いに俺を見る。俺はリョウを目の前にして、様々な思案が頭をよぎった。シュウの事。彼がガーディアンであるかもしれない事を告げるべきか…。彼女への気持ち。告げたい…。しかしこれを打ち明ければ確実に今までの関係は破綻する。今の状況を乗りきれない無言の俺にリョウは告げる。
「シーナ…。私は知っているの…。お兄ちゃんがもう戻らないって事を。でも必ずどこかのフィールドにいるはず。
だから私はお兄ちゃんを見つけるまでFRONTIERで戦うつもり。シーナ…。
これからも一緒にお兄ちゃんを探してくれる?」
リョウの言葉に俺の胸ははち切れそうになった。
大切な人が…自分のかけがえのない女性が切実に…そして健気に…俺をたよってくれている。
初めての感覚だった。そして初めてこの人のためならなんでもできると思った。
無意識だった。
いや…気持ちを抑えることができなかった。
俺はリョウとの距離を縮め…キスをした。
唇を触れて少し距離を置く。だがリョウの表情はかわらない。見つめ合う時間。
俺はもう一度リョウの唇に自分の唇を合わせた。
リョウの瞳が閉じる。俺はリョウの細い身体を抱き寄せ、深いキスを求めた。
それに応えるリョウ。リョウの両腕が俺の首に回りそのまま布団に倒れ込んだ。
無意識にリョウの胸に手がかかる。
見た目よりボリュームのあるリョウのバストを優しく触る。
俺にしがみつくリョウの力が強くなる。
俺はリョウのシャツのボタンをひとつひとつ外し、露になった下着のホックを不器用に外した。
上半身を裸にされたリョウは少しそれを隠す仕草を見せたが、俺はその手を優しく剥がしリョウの乳房に顔を埋めた。
小刻みに震えるリョウの身体を感じながらジーンズのボタンを外しリョウを生まれたままの姿へと変えていく。
するとリョウは俺のTシャツを脱がし、顔を近づけ再びキスを求めた。
が…問題はここからだ…。俺は経験がない。
ここまではアダルトサイトの動画で得た知識と欲求でたどり着いた。
しかし、ここからどうすればいいんだ?
「シーナ…私のこと好き?」
突然リョウが問う。
「好きです。ずっと好きでした…。」
俺の素直な返答にリョウはキスを強め
「私も…。」
と潤んだ瞳で応えた。
そしてリョウのリードで俺たちは一つになった。
「シーナ…好きよ…。」
リョウのこの言葉の後…俺は果てた。
結ばれた俺たちはそのまま身体を離すことなく布団に横たわる。
「もう男はこりごりだと思ったけど…シーナならまた恋愛してもいいかなって思った。」
リョウは呟く。彼女もいろいろな経験を経ているのだと感じた。
「今までの男より、必ず幸せにしますよ!!」
俺の言葉に、
「今まで一人だけよ!!そんなに経験してないわ!!」
と膨れるリョウ。リョウの白くスレンダーな裸体を窓から灯す月明かりが照らす。その美しい姿に導かれるように、もう一度リョウの体に吸い寄せられた。
「私…すごいわがままだよ。」
と俺の腕枕の中でリョウが言う。知ってます。
「あと…すごい口が悪い。」
了承してます。
「あと…歳も4つ上だし…あとね…」
俺はリョウの口を唇でふさいだ。
「その全部が好きなんです。」
俺の言葉にリョウは恥ずかしそうに俺の体に顔を埋めた。その顔を再び俺に向け、
「シーナ。必ず【デッド・タワー】をクリアしようね。…ね?」
と強い眼差しで問いかける。
「もちろんです。」
俺の返答にリョウは笑顔を見せた。そのまま抱き合いながら眠りについた二人。生まれてきて、一番幸せな夜となった。
朝、目を覚ますと隣にリョウはいない。リョウは狭いキッチンでコーヒーを作るため、湯を沸かしながら鼻唄を歌っていた。そしてリョウを後ろから抱き締めた。
「おはよう、シーナ。」
リョウが俺の腕を握る。
「おはようございます。」
俺の言葉に身体を寄せるリョウ。その直後、リョウはさっと身体を離して、
「さぁ、急いで!!学校遅れちゃう!!」
と俺を捲し立てた。そっか…今日は平日だった…。二人でコーヒーを飲み、部屋を出る。
走って駅へと急ぎ、
「じゃあ、シーナまた夕方ね!!」
とリョウが違う路線へと進路を変えた。
俺はその手を握りリョウの足を止めて、ラッシュでごった返す駅のホームの真ん中でキスをした。離れたくなかった…。このまま一緒にいたい…。
「もう…バカ…。」
恥ずかしそうに走り去るリョウの後ろ姿を俺は見えなくなるまで見送った。




